タイトルを見て「おっ?」と気になり、読んでみたら――まるで一杯のあたたかいハーブティーのように、心にじんわり染み込んでくる物語でした。
主人公のソレイユ(ヴェニス)は、かつて“英雄”と呼ばれた女性。けれど今は、静かに宮廷の片隅で治癒術師として働いています。その姿がとても印象的で、ただ優しいだけじゃなく、「痛みを知っている人の強さ」が彼女のまなざしから伝わってくるんです。
戦いや陰謀、異形の魔物との緊張感もしっかり描かれつつ、物語の根底には、人と人とのぬくもりや“赦し”が流れていて。読むたびに、自然と呼吸が深くなっていくような、そんな感覚になります。
彼女の選んだ生き方、これから向かう先がとても気になって、そっとそばで見守りたくなるような……そんな大人のための静かなファンタジー。
この物語、静けさの中にたしかな力があって、ちょっと疲れたときにも優しく寄り添ってくれる気がします。まだ読んでいない方には、ぜひおすすめしたい一作です。