• エッセイ・ノンフィクション
  • 二次創作

ダメ近況。

先輩A:
「いやー、スーファミミニ、楽しみだわー」

先輩B:
「聖剣2とかチョーなついっす」

先輩C:
「楽しみだなぁ。予約できるかなぁ」

わたし:
「いろいろ新しい機能がついてますよね。途中セーブとか巻き戻し機能って、完全にエミュからの発想ですし。それにしても任天堂って柔軟性ありますよね。著作権利に関してはすごく厳しい印象もありましたけど、マリオメーカーを販売する時も、おもいきったことやるなーって感心しました」

先輩A:
「……」

先輩B:
「……」

先輩C:
「……」

わたし:
「ユーザーありきで、アングラなニーズがあるんだから、本家本元で公にやってやろうって行動力が素敵ですよね。日本の大手メーカーなのに、可能性があるなら、単なるリメイク作りに終始しない、積極的に投資していこうとする意識をトップの人が持っているのがすごい」

先輩A:
「……」

先輩B:
「……」

先輩C:
「……」

わたし:
「あ、あれ?」

先輩A:
「質問~、みんなの初ゼルダってどれだった?」

先輩B:
「神トラを飽きるほど」

先輩C:
「64。時オカ。あとGBの」

先輩A:
「夢島はマジ最高だったわ」

わたし:
「ワイルドです! オープンワールドがすごかったのです!! 開発記事を見てさらに感動しました!! デバッグ途中のゲーム内でコメントを残して評価しあう制度とか、わたしも将来やってみたい!!!」


先輩A:
「……」

先輩B:
「……」

先輩C:
「……」

わたし:
「あ、あれ?」


先輩A:
「発売日はさぁ、チームで集まってマリカーやらね?」

先輩B:
「いいですねー、なつかしー。でも初代って何人までだっけ?」

先輩C:
「二人対戦。一人はお菓子係かな。俺ジュース注ぎますよー」

先輩A:
「おかん(笑)」

わたし:
「たったの二人? 当時ってまだwifiとか無かったんでしたっけ?」


先輩A:
「……」

先輩B:
「……」

先輩C:
「……」

わたし:
「え? あれ?」

先輩A:
「ピピー! レッドカード発行。退場」

先輩B:
「うちらさぁ、思い出クラッシャーに譲る席ねーからぁ」

先輩C:
「スマホ世代の方々は家に帰ってガチャでも回しててください」

わたし:
「え、えぇ? あの、当方は基本無課金なんで……」

先輩A:
「我々の青春に課金という言葉はなかった」

先輩B:
「ランドセル背負ってた時代に、平然と二次元のキャラクターを〝嫁〟とか言ってた世代にはわからないんすよ。クラスの好きな女子の名前を、キャラクターにつけてパーティーに入れたこととかないんすよ」

先輩C:
「最近の若者は純粋な心をもっておらんのじゃ。やれネット対戦じゃ、ランキングシステムじゃ、連携コラボじゃと騒ぎ立ておってからに」

わたし:
「……月末にクレカ払いの上限をブッ千切る程度のガチャブン回しをする方々にも、当時は〝純粋な心〟とか呼ばれるものがあったのですね……?」

先輩A:
「口を慎めよ貴様。初恋が二次元のキャラクターだった俗物で、カラオケの締めには必ず音程の外れたゲームのテーマソングを持ってくる輩には分かるまい。ドット絵と、チップチューンサウンドを搭載し、当時の少年たちの人生を狂わせた至高たる〝スーファミ〟の存在を。そしてその時代に居合わせた、我々の青春事情は永遠にわからない」

先輩B:
「そのとおり。道が交差することはあっても、そこに至るまでの道程を現代の者達が正しく補えられるはずがない。当時を知らない者はでしゃばらないことだ、若造」

先輩C:
「わかったら、おとなしくしてもらえるかい? 率直に言って邪魔なんだよね、君は」

わたし:
「」

――

グラ先輩:
「どしたー? なんか顔が暗いぞー?」

わたし:
「決心しました。10年後、VRMMOで青春を過ごした若者たちに言ってやるんです。二次元の素晴しさをわかってない奴らはこれだから~。二次元キャラに恋をしたことがない人間にはわからないんだよな~」

グラ先輩:
「……後輩。それをヒトは〝老害〟と呼ぶのだよ……」

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