カクヨムコンテスト短編賞応募作品「空の色」、完結しました。短いながらお付き合いいただき、ありがとうございました。
前の近況ノートにも書きましたが、高村光太郎の詩集「智恵子抄」の一編『あどけない話』が作品の題材です。序章の冒頭と終章のラストは特に、詩の内容を意識しました。
元々長編の新作を考えていたのですが、最初のほうに解決すべき問題が提示されるわかりやすい話を、と思っていたところ高村光太郎の詩が頭に浮かびまして、じゃあそれにしようと思い立ったのがはじまり。それを一万字以内の短編に仕立て直しました。
一応これで完結なのですが、書き足したくなったので一をあとで修正します。
・空の呪い
『あどけない話』の冒頭二行が頭に浮かんだ瞬間、「呪いによって空の色がなくなってしまった世界」という設定が決定しました。ただしそのときは国か世界そのものが呪われた設定でして、でもそうすると詩の冒頭と合わなくなるので、都とその周辺だけが呪われていることに。ごめんサラさん、優れた魔女設定なのに、なんかしょぼくなってしまった……。
・シビル
長編版での主人公の予定でして、短編では出さないほうがいいかと思ったのですが、設定の導入や終章に必要かとも思い、登場させることに。言葉が少々きつくなることはあるものの、根はいい子です。
・ナタン
高村光太郎がモデルなので、彼が欧米諸国を放浪して美術の見識と技術を磨いたことや、彫刻と絵画両方の作品を残していること、愛妻家だったこと、作品に悪戯した人を自分でシメたことなど、高村光太郎の逸話から設定を決めました。十三年前とか三年前というのも、高村光太郎の生涯からです。
・魔女&王
完璧オリジナルの人たち。空の呪いの理由を、ナタンと奥方に対応した愛にしようと考えた結果、安直な方向に。でもあんまり複雑な設定は、脳みその容量的にも字数的にも無理……。
設定としては、こんな感じです。