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「神庭琵琶夢語」設定裏話・二

 ・小雪
 か弱い女の子っぽい名前を、ということで命名。両親と祖父母が皮剥ぎの仕事に携わる、それなりに豊かな家の一人娘でした。
 父親が趣味で弾いていたのを聞いたり、旅の琵琶法師から教わったりして琵琶を学びました。朱鷺に教わるようになってからは飛躍的に技術は向上し、独奏でも充分人に聞かせられる程度になっている……ことになってます。
 実際、皮革業は被差別階級が独占していたため、裕福な人は裕福だったという話。が、明治の世になるとその独占もなくなり、激しい競争に負けて没落する被差別階級出身の皮革業者は少なくなかったとか。

 ・朱鷺
 年齢については触れちゃいけないお姉さんです。華やかなイメージの名前を、と考えていた記憶があります。
 隠神の生まれ育ちで、ちょっとやらかしてしまったために力を剥奪・追放されました。その後、巫女だった頃から学んでいた琵琶で身を立てて各地を放浪。和浪の漁村で小雪と出会うことになりました。
 「鬼恋~」の静と同じく、うっかり癇に障ることを言おうものなら、おみ足をくらうことになります。小雪のことはとても大切にしていますので、彼女を傷つける輩にも鉄槌が下ります。

 ・源内
 朱鷺の威勢の良さを演出するため登場してもらったのですが、存外出張った、予想外キャラ。太っているわけではありませんが、恰幅はいいです。
 多分、朱鷺と昔、あれこれ派手なことをやらかしてるんだと思います。
 謎の広い人脈があり、その伝手で火白城に入ることができました。


 ・正成
 当初は小雪の新しい恋の相手と考えていたのですが、上様出るしこういうキャラだし、ということで、二人を見守る立場になってもらいました。
 武士としては中級の家の生まれ。武芸に秀で、口が堅く、頭の回転が速いことから御上に見いだされ、隠密に抜擢されました。以来、彼の手足として耳目として、各地を歩いてます。

 ・御上
 天下の暴れん坊将軍。本名は、爽やかな雰囲気の名前を、ということで。でも大根……。
 少年の頃こっそり城を抜け出し城下で助けた小雪から土垢の暮らしを学ぶうち、控えめで気配りを忘れない彼女に惹かれるようになりました。以来、彼女だけを想い続けています。
 彼のモデルにした徳川吉宗には実際、身分違いの恋をしたエピソードがあります。町娘を室にと望むものの、彼女には心に決めた男がいたので諦めたとか。

 ・義忠
 当初は小雪たちの味方として少し登場するだけだったのですが、奉行の登場が必須となったときに、彼にやってもらうことを思いたちまして。さらに、当時の司法について調べているうち、かの有名な奉行様は吉宗の時代だったと知ったので名前が決定しました。彼も予想外キャラ。
 有能で爽やか、冗談も通じるので、男女を問わず人気があります。正成とはまだ面識がありませんが、多分気が合うと思います。そのうち、義忠が酒に誘ってそう……。

 ・赤名久治、三好和信、本多明憲
 時代劇とかに出てくるテンプレ悪役キャラを、と意識しながら書きました。特に明憲。悪の権化にしないと活きないので、悪役、悪役と念じながらでしたね。おかげで存在感が出た……。



 こんなところでしょうか。

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