拙作お読みくださる皆さま
いつもありがとうございます、佐藤宇佳子です。
掲載中の『ハシボソガラス』ですが、明日の更新から三回連続で、弓道のお話になります。
これまで何度も弓道小ネタは交えてきましたが、今回、「なーんちゃって弓道」から「なんちゃって弓道」くらいにレベルアップしますので、すこし予備知識をお伝えしておきます。
絵や映像なしで説明されてもピンとこないことが多いかもしれませんが、何もないよりはいいかな、ということでお許しください。
ほぼ同じ説明を明日更新分の末尾にも付記しておきます。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
【注: 弓道について】
これまで注釈なしで弓道用語を出してきましたが、知っておくほうが読みやすいかな、という事柄について、注を付記しておきます。
<弓道の競技形式>
弓道のなかでも近的《きんてき》と呼ばれるよく目にする競技では、射場《しゃじょう》(矢を射る場所)から28メートル先の的場《まとば》(的が立っているところ)に向かって弓を引きます。
的には白黒の同心円が描かれていますが、通常、的に中《あ》たるか外れるかだけで競われ、的の中の位置は無関係です。
矢には甲矢《はや》乙矢《おとや》の二種類があり、二本を1セットとして一手《ひとて》と呼び、二手《ふたて》を四つ矢《よつや》とも呼びます。競技では二手(四つ矢)単位で行射することが多いです。
<射法八節>
弓を引くためには決まった所作があります。流派により多少違いますが、射法八節という矢を射るための八つの連続した過程が基本となります。射法八節は、足踏み、胴造り、弓構《ゆがま》え、打起し、引分け、会、離れ、残心の八つであり、それぞれがどういう所作なのか知りたい方は、下記へどうぞ。
https://www.kyudo.jp/howto/syaho.html<弓道の試合について>
試合には団体戦あるいは個人戦があります。団体戦の場合、三人ないし五人でチームを組み、それぞれ三人立《さんにんたち》、五人立《ごにんたち》と呼ばれます。
矢を射る選手のことを射手《いて》と呼びます。立では三人ないし五人が前から順番にひとりずつ矢を射ます。五人立の場合、一番目の射手から順に、大前《おおまえ》、二的《にてき》、中《なか》、落前《おちまえ》、大落《おち》と呼ばれます。
<射詰競射>
個人戦の場合、決勝戦でよく行われます。予選で最も的中数が多い選手が複数人いた場合に行います。同中(中たりの数が同じ)の選手が順に一射ずつ行射し、外した選手は脱落、複数人が的中した場合はさらに延長戦として一射ずつ行射していきます。
団体戦の場合、両チームの全員が一射ずつ行射し、合計的中数で優劣を決めます。結果が同中なら、勝敗がつくまでひとり一射ずつの射詰を続けていきます。
<遠近競射>
個人戦の二位以下の順位決定などで行われます。順位決定対象者が順番に一射ずつ一つの的に行射していき、的の中心に近い選手を上位として順序を決定していきます。