佐藤史緒

ブラッドオレンジを並べて思い出す、春休みの一幕。少年時代に出会って別れた軽業師とのささやかな交流。だが……。

美味いコーヒーが自慢の古書店《香風話（かふわ）堂》店長代理の独り言パート２。 夜桜の傍で手に入れた奇怪な私家版の話。

タイトル詐欺かも？　お茶ではなく、特殊能力を持った猫と亀の事件簿です。

タイトル moonlighting はアルバイト，副業の意。本業を秘匿して古書店《香風話（かふわ）堂》で働く青年の独り言。ちなみにカフワ（qahwa）とはアラビア語でコーヒーの意。

一行ごとに一文字ずつ増えて文字列が階段状になる《階段小説》を――という自主企画に乗っかって、チャチャッと書いてみました。最初の一文字を使いたかっただけです（笑）。

ある秋の晩の情景。吸血鬼をモチーフにしたショートショートです。

吸血鬼をモチーフにしたショートショート。「さまよえるユダヤ人」【※】系のお話。 【※】 https://kotobank.jp/word/%E3%81%95%E3%81%BE%…

実際に見た睡眠中の夢の内容を１ツイート分で書き起こしました。

薔薇の季節になると疼く古傷。《僕》は過去を清算するため《彼》の遺族に会いに行ったが、今一つ話が噛み合わないのだった。

海辺の貸別荘で、美しいヴェネツィアンレースのテーブルセンターに鎮座する青いガラス瓶の呟き。◆ 三つのキーワードで小説を書いてみませんか【「海」、「毒」、「強欲」】　参加用書き下ろ…

入院すると言って出ていった妻の去り際の一言が引っかかって仕事が手につかない夫が深夜、目にしたものは……。◆ タイトル「薫陸香（くんのこ）」は、琥珀を指す岩手県久慈の方言。umbe…

ある人物が自分に代わって弟を遣いに出す短いお話。タイトルは日本語で「けんじゃ」と読めば単に「見る人」「見物人」の意ですが、フランス語の voyant には幻視者や千里眼のニュアン…

タイトルはイタリア語で日記を意味する diario 。 山奥の全寮制の女子校に在籍する少女の日記――という 日記体小説［＊］のため、 一話ごとの長さがまちまちですので、ご了承くだ…

芹澤李峰は感染症蔓延下の緊急事態宣言によって行動を制限された女子大生。バツイチになった叔母の新居で気晴らしをしようと訪問し、引っ越しの荷物を開けていくとドールハウスが現れたのだが…

吾輩は転々と住処を変える長命の白猫。今は菫という名のばあさまと仲よく暮らしている。彼女も十五年前から年を取らなくなったらしいが……。さて、彼女は長年の懸案事項を解決できるのか。人…

旧友に誘われて出掛けた、リゾートというには寂れた雰囲気の海辺。ホテルの宿泊客には土曜の夜にだけ特別な“お楽しみ”がある。但し、新月の晩を除く。異様なナイトアクアリウム探訪がもたら…

お盆休みの帰省を嫌がる父を残して、僕と母は例年どおり田舎へ行った。霊迎（たまむかえ）という大切な行事があるからだ。僕と従弟妹たちは死者の魂をいっとき招き寄せるための触媒なのだが……

結婚55周年＝エメラルド婚式を迎えた老夫婦の、婚約当時のエピソード……というフィクション。◆ 自主企画《500字恋愛！書いてみよう》参加用の書き下ろし、ちょうど500文字。ちなみ…

ある晩の瞬間的な恐怖体験を元に想像を膨らませて綴った超ショートショート。

自主企画《「」のない百合小説》に乗っかった書き下ろしショートショート。通常「」で括られる会話や引用などが存在しない掌編。お姉さまのような同級生を慕う少女が感染症蔓延下の自宅待機要…

久しぶりに「きみ」と再会した「ぼく」は、一人旅の間に起きた出来事を話す。「きみ」の反応を愉しみながら……。◆ タイトルは造語。毎度お馴染み（？）吸血鬼をモチーフにしたショートショ…