『彼方へと送る一筋の光』終章を更新しました。
これをもちまして、本作は全編完結いたしました。
総文字数32万弱という、番外編と呼ぶには少々どころではなくなってしまった本作にお付き合いくださいましたことを、心から御礼申し上げます。
ロスマリンという、本編にはほとんど登場しなかった少女が、いかに本編の報われない思いへ立ち向かったのか。
彼女がどのようにして遺された人たちと共に歩み、その人生を救ったのか。
そして彼女と共に、遺された者であるカティスやブレイリー、セプタードたちがどんな風に生きたのか。
この物語はそんな『遺された者の物語』でした。
『それでも朝日は昇る』本編は、アイラシェールとカイルワーンの物語です。
二人については、本編が全て。あれで決着のついていないことは何もないと思っています。
しかし、これまでの二作をもって、周囲の人たちの感情と人生には決着をつけられたように思います。
そして読んでいただいた皆さんの胸に、何らかの感慨をもたらせられたのならば幸いです。
です、が。
『彼方へと送る一筋の光』は、まだ結構謎を残しています。
実はブレイリーとロスマリンの視点では、決して描けなかったことが残っています。
それは何か、というと。
ブレイリーのことです。
ブレイリーとは本当のところどういう男であったか。
周囲の人たちの目からはどう見えていて、そんな人たちにとって彼はどんな存在であったのか。
どうして彼らはブレイリーをあんなに慕っていたのか。
グリマルディ伯爵事件の時、どうしてウィミィをはじめとした傭兵団員たちはあそこまでぶち切れたのか。
グリマルディ伯爵事件、ブレイリーのいないところでは何が起こっていたのか。
それは別の人間の視点でしか描けません。
そしてそれは、本編では敢えてスルーした時間を踏まえることを前提としています。
セプタード、ブレイリー、カティスの子ども時代です。
三番目の番外編『蒼天抱くは金色の星』
セプタードの視点から描く、彼らの31年間の物語です。
こちらは年明けより執筆を開始します。
不定期の連載となりますが、よろしければお付き合いください。
最後にもう一度。
これまで本作をご愛顧くださいまして、ありがとうございました。