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最近、ウェブ小説について思っていること

これから書くことは単に私の仮説にすぎないので、必ずしも正しくないと思いますし、すべての作品に当てはまるわけでもないと思います。ただ、ある程度多くのウェブ小説を読んできた経験上、こういう傾向が確かにあるように思える、というお話です。

ウェブ小説で読まれやすい小説の特徴として、私はある程度の「緩さ」や「隙」のような要素があるのではないか、と思っています。そして、本来小説に求められる豊富な語彙を使った丁寧な描写というのが、時にこれらの要素と相反するものになってしまっているのではないか、という気がしています。

この作品は文章力も高く、内容も優れているのになぜあまり読まれていないのだろう、と思う時、その理由はむしろ描写がしっかりとしているがゆえに文字が詰まっていて、本当に小説が好きな人しかついていけない内容になっているからではないか、と思っています。

ウェブ小説は、必ずしも小説が好きな人だけが読んでいるわけではありません。
また、小説好きな人が読んでいる場合でも、ネットでは肩の凝らない気軽な読み物が読みたい、と思っている場合もあると思います。
自分自身、そう思うこともあるからです。
そういう場合、みっしりと文字が詰まっている作品だと、精神的な胃もたれを引き起こしてしまうということかもしれません。
ウェブで求められているのは精神的な消化の良い作品であって、重量級のステーキではないのではないか。

このあたりが、紙の本とは一番違うところです。
書籍を手に取るということは、最初から本を読むという準備が出来上がっているということであって、そういう人になら褒められるようなボリュームのある文章が、むしろウェブではマイナスポイントにしかならない可能性もあります。

あるラノベ作家が出版したウェブ小説の指南書の中では、「描写はいらない」とまで書かれているようなのですが、これが100%正しいとは言わないまでも、確かにある種の作品については詳しい描写がストーリーのスピーディーさを妨げる要因になってしまうのかもしれません。
ですが、一読者の立場からしてみれば、こういう身も蓋もない話をプロから聞かされるのはさびしい気もします。

もちろん、PVや数字を気にしないのなら好きに書けばよいだけの話です。ただ私自身は、ウェブの読者から見た場合の読みやすさを考えてきただろうか?と言われると、あまり自信がありません。
第2回カクヨムコンに出した作品は読者選考を通過できませんでしたが、そういうところにも原因があったのかな……という反省はあります。

今後は自分もあまり描写に凝ったりするより、読みやすさに特化するべきなのか。
その辺の答えはまだ見つかっていません。
今後も書きながら試行錯誤することになるだろうと思っています。

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