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「五万文字以内の読み合い」企画用ノート

企画リンク
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354055582246383

企画ページの概要を読んだ上で参加してくださる方は、こちらに作品名とリンクを乗せてください。

・五名集まった段階で始めて行きます。

・参加された方は必ず他の参加者四名の作品を最後まで読むこと。

・読了した証として、この企画用ノートに作品名、作者名を明記の上、感想を乗せる事。

・感想の形はそれぞれ参加者様に委ねます。短くても長くても、褒めるだけでもあえて厳しいご意見を言うのも自由です。
ただし、書いた方への敬意を忘れずに、丁寧に読んで丁寧に感想を書いてください。
もちろん、読んだ作品に直接応援コメントを残したり、レビューするのは自由ですが、私が皆さんがどんな感想を持ったのか拝見したかったので、このような形にさせていただきます。

・読む量は最大25万字と大変多いので、それぞれのペースで読んでいただいて結構です。ただし、読んでいる気配がなかったり、感想の更新が一定以上開いた場合、主催者の私から何らかの方法でコンタクトを取ることがあるかも知れません。

エントリー№1
模-i
マーチ・フール
https://kakuyomu.jp/works/1177354055543645448

エントリー№2
朝斗真名
祈り
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919094388

エントリー№3
@etoooooe
暴力装置
https://kakuyomu.jp/works/1177354055597291128

エントリー№4
城田蒼
ファルネーゼ 軍記 全集
https://kakuyomu.jp/works/1177354055596540923

エントリー№5
杜松の実
マスクとマスク。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054935542568

37件のコメント

  • 杜松の実
    マスクとマスク。
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054935542568

    参加連絡はこのようにお願いします。
  • 模-i
    マーチ・フール
    https://kakuyomu.jp/works/1177354055543645448

    はじめまして。よろしくお願いします。
  • とまとさんの企画ではお世話になりました!
    別作品で参加させていただきますm(_ _)m

    朝斗真名
    祈り
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054919094388
  • もあいさん?でいいのかな?
    模-iさん、朝斗さん参加ありがとうございます!
    五名揃ったら開始しますので、もうしばらくお待ちください。
  • 初めまして、エトーと申します。
    https://kakuyomu.jp/works/1177354055597291128
    小説を書くのはほとんど初めてなのですが、参加させていただければ幸いです。
  • エトーさん、城田さん、参加ありがとうございます!

    では五名揃いましたので企画の方、始動していきます!
    皆さまよろしくお願いします!

    読む順番は任意で結構です。感想の形も、誰に当てたものかさえわかれば自由とします。
  • すみません。感想を載せる場はここで良いのでしょうか?
  • エトーさん、

    そうです、こちらにお願いします。
    自主企画の概要には書いたのですが、こちらの概要には書いていませんでしたね。すみません。修正します。
  • いえ、ありがとうございます。
    皆さんよろしくお願いします。私の作品に対する感想はなるべく厳しく、悪態をつく様にお願いいたします。
  • 【感想】
    模-iさん
    マーチ・フール

    おお、と思うほど上手く伏線が貼られていてその回収の手際も見事な物でした。
    4月1日に言ったことは、
    「実際やってはいけないことも、やってしまったことに出来るのも、この日だけです。」
    と言う事で本当になる。

    それも口に出す行為がキーになっているのですね。
    世界滅亡は「私」のついた嘘ではないようですが、「予言者」になっているのでそれも実現してしまう、と言う事でしょう。
    そして、「今日は3月32日ですよ」と嘘をついた瞬間、本当に3月32日になってしまって、それ以降嘘をついても実現しない。

    うーん、素晴らしいですね。こんなトリック、私には絶対思いつきません。

    ただ、一点だけ気になるのが、手紙的な文章表現と、小説的な文章表現が混ざっている所です。
    もちろん、この作品が手紙として書かれた小説だと言う事は認識しています。であれば手紙であることを、一貫して貫いてはいないな、と。
    鍵確固での会話が手紙にしては多い(小説ならばちょうど良い)
    ですし、
    手紙であれば、相手に(ここでは過去の自分に)伝えたいことを端的に言い表す
    と思うのです。
    ですが、そういった手紙として成立している上で、小説として面白いものを書くのは難しそうですね。特にこの作品の様にトリックがある物は。
    例えば、冒頭に「助けてください。このままでは世界が滅んでしまいます。いきなり言われても分からないと思うので、順を追って説明します。」とあれば、伏線を張って謎があるままでも、手紙という形態を保てるかも?なんて思いましたがどうでしょう。

    この様な素晴らしいトリックを思いつくことのできる模-iさんですので、私なんかよりもよっぽど良いアイデアで、克服できると思います。

    以上が、あくまで私個人の感想でした。
  • 【感想】
    朝斗真名さん
    祈り

    作品を最後まで拝読しました。

     この作品の秀逸な点を一つだけ挙げるとするならば、「特別じゃない少年」の苦悩、葛藤の描写です。

     この作品、「なろう系アンチ」がタグの一つになっているだけあって、なろう系と共通する異世界転移の要素を持ちながらも、典型的ななろう系と異なる作品にしようという意志が随所に滲み出ています。

     典型的ななろう系の作品は、主人公の状況を飲み込む力が異常なまでに高く、また、主人公に特殊な能力が付与されるケースが多く、それ故にお話がサクサク進むような印象があります。

     一方この「なろう系アンチ作品」。主人公は普通の——不遇であっても少なくとも普通の感情、思考を持った——少年です。真剣に戸惑い、苦悩し、葛藤する心理描写は、どこかゲームをプレイしているような気持ちで話が進むなろう系と対比的と言えるでしょう。

     また、伏線の張り方、と言いますか、伏線のミスリードの仕方も上手く、予想しながら読んでいて楽しかったです。

     いくつかの話の最後に書かれている、「ツッコミ」については、好みが多少分かれる部分だと思います。メタい文章が他にかく嫌いな人は嫌いかもしれませんが、個人的には「なろう系アンチ作品」の張り詰めた空気を少し緩めてくれるような感じがして、悪くないと思いました。

     心を動かされる小説、ありがとうございました。
  • 【感想】
    朝斗真名さん
    祈り

    くー、すごい!
    私も朝斗さんと同じように、流行りのライトな、リアリティの無い異世界ファンタジーではなく、より文芸としてのスタイルを持った異世界ファンタジーを書いたのですが、これがすごく難しかったです。

    その経験があるだけに、この作品のクオリティの高さには参りました。
    異世界って、一から空間を作らなければならないので、それを文字だけで伝えるのは、かなり工夫しなければ、説明文章になってしまいますが、この作品では説明感は(ツッコミを除いて)ほとんど感じません。

    少年の心理描写が的確で、無理がなく、共感しやすかったのが、この作品最大の特徴だと思います。それから、魔王の存在が物理的な強さではなく、トラウマ的な、心理的に最大の敵となるように設定している点も、上記の強みをさらに増幅しています。

    ただ、一方でファンタジーの世界観は一般的だと言えるでしょう。
    そのため、情景描写があまりなくても読者が、画を浮かべやすかった、という利点はあります。四万字というサイズに収めたかったとあとがきにもありましたので、この設定は成功していると思えます。

    難癖付けるとすれば、情景描写が少ないことぐらいでしょうか。いえ、少なくはないですね。カクヨム内ではもっと少ないもの(ほとんどないと言ってもいいもの多い)もあるので、少ないとは言えません。魔法の描写やカーロの傷についてなどは想像しやすく書かれていました。

    少ないな、と思ったのは景色についてです。
    景色を文字で描いてあると、もっといい作品になるかもしれません。しかし、心理描写があまりにレベルが高いので、そのレベルに釣り合うだけの情景描写でないのならば、作品の質を下げることにもなるかも?

    いろいろ言いましたが、あえて難癖つけるなら、です。
    今のままでも、十分素晴らしい作品でした。
  • 【感想】
    @etoooooe
    暴力装置

    まず、率直に。
    すごい好みです。こういう、作者のエゴとも取れる哲学の籠った文章が私は大好きなんです。
    特に
    「美醜ではなく表情の善悪の話です。」
    ここ、好きです。パンチライン!って感じでスパッと目に入ってきました。

    にも、関わらず★2なのは、読みにくさからです。
    段落をもう少し細かく分けてもいいのでは?それから段落の頭の一字下げがあると区切りが分かり易いです。

    これで、小説を書くのはほとんど初めて、ですか。いいですね。
    その慣れてない感も伝わってきますが、だからこその武骨な独白のような緊張感も伝わってきます。
  • 【感想】
    城田蒼さん
    ファルネーゼ軍記

    まさしく大河ドラマですね。王国の趨勢、そのストーリーは面白かったです。
    キャラクターも個性があって、またそれぞれのキャラクターがなんでそんな考えを持ったのか、どうしてその行動をとったのか、がつぶさに書かれていて、そこにリアリティを感じました。

    しかし、地の文が些か説明文すぎます。神話を読んでいるかと思うほど、そこに色が無く、読むのが少しきつかったです。秘書が伝記として書いているから、という理由で説明口調なのかも知れませんが、あまり良いものだとは思いませんでした。すみません。
    秘書が描く、小説の種類にカズオ・イシグロの「日の名残り」があります。もしお時間に余裕があるようでしたら一読してみてはいかがでしょう。

    それから、冒頭のキャラクター紹介、細かすぎると思いました。ここまで細かい紹介は、必要ないのではないでしょうか。

    ストーリーもキャラクターの設定もすごく良いと思ったので、地の文の読みにくさだけが残念でした。

    といっても一個人、なんの功績も無い私の感想ですので、お気になさらず。
  • 模-iさん『マーチ・フール』
    まず、これがほとんど小説を読まない人間のレビューであることを了承ください。申し訳ないとは申し上げません、様々な視点で新たな気づきを得やすいかもしれませんから。
     【レビュー】
     良いですね。スケールの大きなフィクションですが大きなパラドックスも無く、作者の手記として進む文章も小気味良いです。
     しかし、欲を言うならばもう少し主人公の心情を描いて欲しかったかもしれません。というのも、空から降ってきた春雨の味に対する絶望を描けるのが、この設定ならではの高いポテンシャルだったからです。
     というのも、現実の性質にすこし変更を加えて、それによって起こる様々な異常に主人公が気付き、あるいは利用する作品というのはよくありますが、それ自体面白さはあるものの、正直なところ少々味気ないものです。
     なぜなら、そのような異常な世界に生きる主人公は読者とは大きく異なる立場にいるため、読者は本質的に彼に共感することを諦めざるを得ないからです。そのため、文章に入り込むと言うよりは観察するような心持ちで文章に取り組む人が多くなると思います。なるほどね、と思ったところで目がとまってしまった経験が私には何度かあります。そういう実験的な面白さがSFなのだろうと思いますが、それだけではSFは単なる幼稚な思考実験になってしまいかねません。
     しかしながら、今作にはこれを覆すポテンシャルがあります。
     なぜなら、今回の作品における異常である「口に出した命題が全て真になる」に気付くタイミングが主人公と読者で同時であり、かつそのときまさに、しかももう既に、異常は終わりを迎えているからです。異常が起こっていることに気づいたときにはそれが完結している以上、主人公と読者の間に異常に対するスタンスの差異は発生しません。
     したがってこの作品は、先ほど申し上げたSFの本質的に登場人物に感情移入ができないという欠点を克服した作品であると言えます。

     しかしその分、文章に見られる感情描写の粗雑さが目立つようになります。叫んでいたり、とぼとぼ歩いていたりはしますが、折角共感できる世界の終わりへの絶望がどうにも見えてきません。「速達」における主人公の冷淡さはオチであることも含めとても印象に残っているため、これとの落差をつけるため、もう少し切実な感情を描いて欲しかったというのが読後感でした。
     悪口を言って終わってしまいましたが、ほんとうに面白い作品でした。ありがとうございました。
  • 杜松の実さん

     ありがとうございました。文頭の一字下げは、半角になっていたものでしたので、修正いたしました。
     しかし、改行についてはどうにも修正の方法が分かりません。もしよろしければ、杜松の実さんが修正して、ここかTwitterのDMにてご教授いただけませんでしょうか?
  • エトーさん、

    返信ありがとうございます。

    改行の件ですが、すぐにはお答えできません。
    私自身、偉そうには言いましたが、読んでいただけば分かる通り文章力があるわけではありませんので、人の作品を手直しできるような立場ではありません。
    真剣に試みてはみますが、それをエトーさんにお見せできるかは分かりませんので、ご了承ください。
  • 城田さん、

    返信ありがとうございます。

    城田さんの作品で文章力に磨きがかかれば、怖いものなし!といった感じで無双できると思います。
    そうなれば私の様な者では、何も「ご教授」と言って頂けるようなことは出来ませんね。
    是非楽しみに待ってます!
  • 更新が途絶えてしまいましたね。
  • ただ今読み進めております。すみません。
  • 朝斗さんと現在連絡がついておりません。ツイッターなどで呼びかけをしていますが、残念ながら応答は、今現在のところ、なしです。
  • 承知しました。お忙しいのかもしれませんし、気長に待ちましょう。
  • 城田蒼さん
    ファルネーゼ 軍記 全集

    まず、このレビューが小説を、特に歴史小説についてはほとんど全く読んだことのない人間のものであることを了承しください。
    【レビュー】
    とても面白かったです。私は軍記物語というものを初めて読んだので手間取るかと思いましたが、文章が平易であったためかなり読みやすかったです。
    他の方も指摘している地の文の硬さ、説明口調については私も同意するところではありますが、これは単に文章の総量が少ないことによるのではないかと思います。つまり、今ある文章を改変する必要はなく、さらに具体的な描写や心理描写を加えるだけで、随分と内容に厚みが増すのではないかと私は思います。これは自戒も込めた考えです。
    例えばおそらく、シモーネとアレッサンドロ達の戦争などは、城田さんの頭の中ではありありと情景が浮かんでいるのだろうと思われました。しかし実際に詳しく書いてあるのはアレッサンドロとシモーネの決着の部分だけであり、実際どのように戦争が行われ、どのようにその一人一人の兵たちの身体、声、感情が動いているのかが書いてありませんでした。先程も言いましたが、書き方が悪いというのではなく、書いていないというのが問題なのではないかと思います。大袈裟に言えば、兵士の一人にフォーカスして彼の家族への思いを紹介するぐらいの勢いでも問題はないかもしれません。アンドレアとアメデーオの関係についても、私にはそれほど愛着が湧いておらず、どちらかといえばマッテオをジュリオが何とか助けたところの方が盛り上がった気がします。
    したがって、そのようにとても莫大な世界を頭の中にお持ちである城田さんは、もう少し長い文章を書くのが得意であり、それが本領を発揮できる分野なのではないかと思われました。それこそ、一つの作品で一冊の本を作り上げられるような方だと思います。

    内容についてですが、リアリティーは十分にあると感じました。私は学生時代世界史の資料集を端まで読むのが(いや、端を読むのが)好きでしたが、その頃の楽しさを思い出す文章でした。
    欲望するだけの家臣(後のアメデーオはこちらか)と自分の身の回りだけを大切にする傾向を持つアレッサンドロとの対比から、ジュリオやマルコのようなそれを止揚したものが国を再興することははまさに国家の正しい生まれ方を描くものであり、史実的にも文学的にも破綻のないものであるかと思います。個人的にはルーカ=グラビーナの登場で、当初あったフィリッポによって作られたアレッサンドロが引き継いだ国家は、あくまで討ち取られるべき家臣たちが奪い取ったあとの国家と同じように欲望の体系でしかなかったのだと発覚するところが、かなり痛快でした。また、最終的に正しい国家は互いに合併する必要もなく協力関係に至ることが示されたのも良い点だと思います。
    先程も言ったように軍記物語というのは初めてでしたが、入門書としてとても面白かったです。ありがとうございました。

    あとは、四話にて「クラウディアの髪」が「クラウディアの紙」となっている箇所がございました。また、五話にてアメデーオはアンドレアの叔父と書かれていましたが、おそらく従兄弟の間違いではないでしょうか。六話にて、「遅い」が「遅」になっておりました。ご確認ください。

    そして、レビューありがとうございました。文章の暴力性は私の文章が荒削りであったためだと思いますが、確かに私が描きたかったのは男性の暴力性についてでしたので、ある意味では良かったのかと思います。
  • 皆さま、読み合いに行くの遅れて申し訳ありません。
    今週末には読みに行けるようにします。よろしくお願いします。
    拙作への感想もありがとうございました!
  • 朝斗真名さん
    祈り

    レビューを訂正したものをもう一度投稿させていただきます。訂正前の文もしばらくは残しておきますが、そのうち消すと思います。

    まず、このレビューは小説をほとんど読まない人間が書いていることをご了承ください。また、文章の感想を求めるということは、それがその人にどのように伝わったかを確認するという意味合いが大きいと思われるため、この文章についての私の理解を記すことで感想と代えさせていただきます。また、私がそもそもなろう系に明るくないため、アンチなろう系的な要素についてはあまり触れられないかと思われます。すみません。
    【レビュー】
    まず、隆弘にとって突如現れた異世界は直近頭を悩ます兄の異常性のメタファーであると捉えられます。フリアに対するイナの振る舞いや、傷だらけのカーロ、川に映る兄の顔など、異世界は隆弘にとって異世界は当初、兄の暴力性を想起させる忌避すべきものでした。したがって、その世界の住人であるロイを決して自分だとは認めません。自分はあくまで兄を嫌う隆弘だからです。これは、9章まで守り続けられます。
    しかし、異世界には異世界の状況があります。現実では眠って居留守をすることでやり過ごせた暴力性も、異世界では対応せざるを得ません。10章からは、徐々に隆弘が異世界に対応し始めます。しかしこれは隆弘がロイになっているとでも表現すべき状況であり、現実の問題は放置されていることには注意しなければなりません。ドラゴンという空想の象徴のような生物と闘いになるのは、あくまでこれが比喩としての兄との決闘であり、隆弘にとって現実の兄の問題を解決するものでは無いことを強調するものでしょう。
    しかし、魔王戦では、隆弘が魔王を完全に兄と同一視することで兄との問題と異世界の問題が結合されます。これは、隆弘にとって既に異世界の問題も家族の問題も同じ方法で理解されるものであるということです。したがって、魔王を倒すことで、隆弘は寝て誤魔化したりせずに兄の暴力性と向き合うことになり、最終的に現実への帰還を選択します。
    あえて不満な点を述べるとすれば、当初はロイと隆弘という2つの概念が最終的に結合されたのに対して、優しい兄と暴力的な兄(=魔王)の結合が行われなかったところでしょうか。これでは、兄の優しい部分だけを信じていたとも取れるため、少々アンバランスな気がするとも言える気がします。
    本当に楽しい作品でした。文章も平易ながら全く幼稚さは感じず、すらすらと読み進めることが出来ました。
    ありがとうございました。
  • 四作品すべて、読了しました!

    私はこのような企画に参加するのが初めてだったので、勝手がわからず不安でしたが、みなさん丁寧な方ばかりで、このような機会があればまた参加したいと思っております。

    みなさんから頂いたレビューも読みました。なるほど、勢いで書き上げようとしてしまうのは私の悪い癖なのだなあと再認識しました。細かい描写にはまだ慣れていないので、その辺は練習して書けるようにしていきたいです。

    現在少し忙しく、あまりカクヨムにログインできていませんが、一月末にはすべての感想を書き終わりたいと考えております。

    しばしお待ちを……っ
  •  すごく楽しい読み合いでした。さらっと読んでおもしろかったよ程度で終わるのかなと思いきや、参加者のみなさまがすごくじっくり読んでくださり、テーマを深く考察してくださり、感謝に堪えません。こんな風に作品を大事に扱ってもらえるのって、とても幸せですね。
     いつか十万字に改稿して公募に出したいなと思っている作品なので、みなさまに頂いたアドバイスを参考に手直ししたいと思います。
     みなさまありがとうございました。そして主催の杜松の実さん、本当にお疲れ様でした。


    【模-iさん『マーチ・フール』】
     一話目も二話目も何度も読み返しました。深みのあるよいショートショートですね。カクヨムコンに応募したらいいのに^_^
     マーチ・フールというタイトルも良き。あらすじやキャッチコピーがさっぱりしているのも良き。この短編の良さを際立たせていると思います。
     一年後の自分はこのときの手紙をさっぱり覚えていないのですかね……世界滅亡を回避できることを祈るばかりです。もあいさんの作風は好きになって他のも読みましたが、マーチ・フールが一番好きです。


    【@etoooooeさん『暴力装置』】
     改稿前も改稿後も読みました。改稿後の方がずっとよいです。初めて小説を書かれたようなので、一度の手直しでここまで洗練させることができるエトーさんの潜在的な筆力は素晴らしいものがあると言わざるを得ません。
     彼女が愛する我が子を殺してしまうほどの気持ちの動きは、とても切ないですね。ただただ哀れです。暴力装置というタイトルもまたいいですね。


    【城田蒼さん『ファルネーゼ 軍記』】
     おもしろかったです。民話として語り継がれていそうな感じです。このまま映画にできそうですね。
     他の方は説明口調について書かれていましたが、私はあまり気になりませんでした。マルコ、クラウディアが登場するあたりから情緒的な描写や台詞が増えたからでしょうか。特に終盤は小説としてしっかり機能していると思います。ファルネーゼ戦記は特大ボリュームの長編に仕上げられるプロットなのに、敢えて中編にまとめているのは個性であり、技量の高さともいえます。主人公たちの葛藤やその末の選択は、少ない描写の中でもひしひしと伝わってきました。


    【杜松の実さん『マスクとマスク。』】
     現状に対する風刺作品のように感じました。コロナ禍で外出が制限され、人付き合いが狭まる中、本当に良い人間関係と、惰性で続いていた人間関係とがはっきり区別される時代になっているのかもしれません。
     この主人公は、コロナ禍だとかマスク生活だとかは関係なしに、彼女とは同じような付き合い方・向き合い方をしそうです。十月まででこの主人公の人生を切り取ってしまった訳はなんでしょう。ここで終わったのは意図あってのことだとは思いますが、個人的には続きを読みたいと思いました。
  • 杜松の実さん
    『マスクとマスク。』

    小説を最後まで拝読させていただきました。
    非常に面白かったです。
    この小説の中に見られるような写実的で情景の浮かぶ描写というのは私の苦手とするところであり(これはついこないだ発覚しました)、非常に興味深く読み進めさせていただきました。

    内容としては、コロナ感染拡大によって生活の変化を強制されているがそれに馴染めず、また恋愛のかたちが惰性的なものに変化しているが何か違うのではないかという迷いを捨てきれない主人公、というのが話の大筋ではないかと私は理解しました。
    ソーシャルディスタンスという言葉が流行ったように、確かにコロナウイルス感染拡大は人々の社会的な関係を大きく変えるものでした。それをモチーフにする小説の主人公として、30歳過ぎの恋愛に悩む男性を選ぶというのはとても面白いと思います。そして読み終わったあとはコロナに関して話を書くならそれしかないと思わせられる程に、それは有効な選択でした。
    この大筋でいえば、彼女は最初にマスクを外した時から主人公に答えを与える存在では無いと分かっていたのも面白いところです。最初から、主人公に若く古い(本当の?)恋愛を与えるには、大人びすぎていると主人公にも感じられていました。しかしそれでも大人の彼女との恋愛を続けてしまったのは本題の通り主人公の迷いからであるか、あるいはコロナウイルスのせいでしょうか。それに答えることが出来ないのが、この文章の面白いところだと思います。

    私は性格が悪いので、不満点も書きます。
    写実的な文章はとても綺麗だと思いましたが、それに時折混ざる主人公の学問的、又は政治的な思考との繋がりがよく分からないことがありました。何か考えがあって書かれていて、話の筋に関係のある内容なのだとは思ったのですが、不勉強な私には少々分かりづらかったです。私の中では冷笑的で嫌な感じの男、という印象を得るに留まってしまいました。それでいいのかもしれませんが。
    また、コロナウイルスの感染拡大が止まったとしても世界はアフターコロナの構造に変わってしまうように、彼の若い恋愛は決して戻ってきません。コロナウイルスがまだ勢いよく拡大する今、描くことが出来なかったのは当然のこととも言えるのですが、私の理解するテーマで読んで良いならば、アフターコロナの社会に生きる彼の恋愛に関する視点(つまり、惰性的な恋愛との付き合い方を自らで決定したあとの話)を是非書いて欲しかったというのが正直なところです。


    本企画を立ち上げてくださったことに、御礼申し上げます。ありがとうございました。
  • エトーさん、

    お読み頂きありがとうございました。

    そうですね、主人公の心理と話の筋は直接的にはリンクしない点は多いです。(多分)
    ただ、主人公の人となりを読者と共有して、「こういう種類の人間がこんな言動をしたよ」と表現したかったのです。
    というよりも、ストーリー以上に「この人間」を表現したかったので内面の思考的描写を多くしました。
    なので「冷笑的で嫌な男」というイメージをエトーさんが持ったのなら、私がどういうつもりで「この男」書いたかに関わらず、目論見は成功した、と言ってもいいのかも知れません。

    男のその後がどうなるのか、続きがあってもいいというのは朝斗さんにも言われましたね。嬉しいです。
    ただ、お二人で意見は微妙に分かれていますかね?
    朝斗さんは真実の愛を、エトーさんは過ぎ去った若い恋愛ではなく、次の形の恋愛を
    なかなか考えさせられるレビューをありがとうございました。
  • 【感想】
    etoooooeさん
    暴力装置

     作品を最後まで拝読しました。

     編集版で加筆、修正が加えられ、格段に作品の質が上がったと思います。以下の文は、修正後の文章についてのものです。

    ぼう-りょく【暴力】
    乱暴な力。無法な力。なぐる・けるなど、相手の身体に害をおよぼすような不当な力や行為。(岩波書店 広辞苑 より引用)

     この小説のタイトルにもなっている「暴力」。優しそうな印象の語り手の回想を軸に進むこの物語の中で、一番印象に残った言葉です。

     「暴力的な表情」とは、思いつきそうでなかなか思い出せない組み合わせです。表情を投げかけた相手に、無理やり表情を変えさせるような表情が暴力的であるようです。

     つまりタイトルの「暴力装置」とは、暴力的な表情によりコミュニケーションを進める私たち人間のことではないかと考えられます。

     ……とまあ、色々と考察を述べてみたは良いものの、これらはあくまで私の推測にすぎません。この作品の(いや、全ての作品に於いて)文章の意味を全て理解しつくすのは、不可能ですので。

     この作品の良さはまさにそこに、ふんわりとしたところに、あると思うのです。何となく分かるけど、ギリギリ理解できないライン。そして、何となく分かる範囲を少しでも広げるために、私達はもう一度はじめから読み直すのです。

     そう、この作品は、噛みしめるように読みたい純文学なのです。

     逆にいえば、文章を読むのが苦手な人にはあまりおすすめ出来ない作品かもしれません。星三つをつけるのを躊躇ったのは、そのためです。

     この小説は、語り手のメモ書きで締めくくられます。このメモにも多くの解釈の余地が残されております。私は、このメモの「暴漢」を「暴力的な表情(の人)」、「母親」を「暴力的な表情により変えさせられた表情(の人)」、「子供」を「暴力的な表情にさらされる前の表情」という風に解釈しましたが如何でしょうか。まあ、筆者が文章についてあれこれ言うのは野暮でしょうし、正否の程はetoooooeさんしか分かりません。

     じわりと心に沁み込む小説を、ありがとうございました。
  • 【感想】
    城田蒼さん
    ファルネーゼ軍記 全集

     作品を最後まで拝読しました。

     私がはじめに読んだ作品ページは既に削除されているようでしたので、以下の文章は私の朧げな記憶をもとに、削除された方の作品について書いたものとなります。ご了承ください。

     先にこの作品の違和感を一つだけ申し上げます。ラストで、この文章が、この世界の中の人物によるものであると明かされた部分です。

     この作品は、さまざまな場面から、王国の歴史を描いた作品でした。ですから、この作品はいわゆる神視点、またはそれに近い視点から書かれたものである前提で読み進めていました。ですから、この文章の筆者が知りようもないやり取りまで余さず書き記しているのを読後に感じ、違和感を残してしまったのです。

     しかし、それを差し引いても、この作品は読み応えのある軍記でした。そして、作者の文章力の高さを感じました。何十人と登場する人物一人一人に、的確なイメージが浮かぶようなキャラクターづけを行い、そのキャラクターがしそうな行動を取らせながら物語を自然に進め、さらにそれを四万字程度に収めるのは至難の技ですからね。

     現在の私にはその力はありません。また、文章を適度な長さに収める力があったとしても、人格をブレさせないで書くことは更に困難でしょう。

     ゴリゴリの軍記を、ありがとうございました。

     
  • 【感想】
    杜松の実さん
    マスクとマスク。

     この作品の軸は、明確に二つ。「新型コロナウイルス」と「大人の恋愛」です。

     多くの、現代を舞台にした小説は、「現代に限りなく近い、現代とは違う世界」で展開されることと思います。だってそうでしょう?もし2020年夏を舞台にしたスポーツの小説のオチが、決まって「大会中止」だったら、あまりに味気ない。

     しかし、一割くらいはそんなオチの小説があっても良いのではないでしょうか、と言われているような気がします。この作品の舞台は、さらに現実世界に近づいた舞台です。

     新型コロナウイルスの蔓延した社会の様子のリアリティ、少しひねくれたような性格の主人公の心の声の描写には、目を見張るものがあります。

     恋愛描写も丁寧です。作者独特の価値観と共に、本当にありそうなストーリーが淡々と進んでいきます。そこに、青春の激しい感情はありません。これは大人の恋愛なのです。大人は色々なことを知っています。色々なことを割り切り、妥協します。主人公たちの、そういった行動ひとつひとつに、現実味が滲み出るのです。

     チョコレートなら、カカオ70%くらい。
     好みこそ分かれますが、私は嫌いじゃないです。

     最後に、ほろ苦い作品と、作品を読み合う貴重な機会を、どうもありがとうございました。
  • p.s.

    レビューするのむずかちい
  • 模-iさん

    レビューありがとうございます。私は野暮なので他人の理解にズケズケと自分の理解をぶつけていきます。
    模-iさんの私の文章に対する推測は―もちろんこれが正しい読み方である、とは言いませんが―かなり私自身の解釈に近いです。あえて訂正する必要のないほどに伝わっています。
    このように伝達に成功したことはとても嬉しいですが、いやしかし、これはひとえに模-iさんの理解力、文章力によるものであると私は考えます。ありがとうございます。

    また、読み直したいというモチベーションを与える、という難解な伝え方もあるのですね。勉強になりました。それは私の文章の目的に合っているような気がします。

    詳しいレビューを本当にありがとうございました。今作は読みにくい文章であったと思いますが、これからも精進して参りますのでよろしくお願いします。
  • モアイさん、

    レビューまでして頂きありがとうございました。
    読みにくい文だったとは思いますが、丁寧に読んで、丁寧に書き手に沿って読もう、として下さりありがとうございました。

    今回は本当の現実世界に即して書こうと意識しました。
    モアイさんの現代ドラマに関する考察はその通りですね。現代を舞台としていてもやはりフィクションですし、だからこそ小説は面白いです。
    一方で、フィクションの要素を少なめにした現実っぽい小説が一定数あってもいいですね。私はそんなことを一切意識しないで書いていましたが。

    恋愛描写が丁寧と言って頂けたのは凄く嬉しいです。大人の恋愛として「妥協」や「割り切り」を書いたつもりでしたので、それを拾ってもらえたのも、嬉しかったです。

    最後に、作者独特の価値観と捉えて頂いたものは、勿論私の価値観も大いに反映されていますが、あくまでこの主人公の思想ですので、私の支持している思想ばかりではない、ということはお伝えしておきます。
  • これで、全ての感想が出揃ったでしょうか?
    確認ミスがあったら申し訳ないです。

    今回は企画に参加していただきありがとうございました。
    皆さんの作品とそれに対する真摯な感想を拝見できて、とても有意義でした。
    それでは、またどこかでお会いできることがあれば。さようなら~
  • ありがとうございました。小説を書くのも、このような形式で読み合い感想を述べることも実質的に初めてだったので緊張しましたが、本当に楽しかったです。
    今私は皆さんのアドバイスを活かすべく長編の構想を練っています。完成の折には、ぜひ読んで感想を頂けたら嬉しいです。
    改めてありがとうございました。
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