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「鹿翁館のミステリー」を公開

「鹿翁館のミステリー」を公開。

 これは自主企画「とある洋館の記録」用に書いたもの。
「突然招待状を受け取った何人かが鹿翁館という洋館にやって来て、そこで何らかの事件が起きる」という1話完結の短編を書く企画。

 ミステリーというと謎解きもののイメージがあるが、歴史や神話を紐解いていく過程を描いたものもミステリーの範疇に入る。徳川埋蔵金発掘ドキュメンタリとか。この作品は多少探偵もの風味も混ぜているが、基本的には後者にあたる。

 カクヨムの常識では何字までを短編と呼ぶのかわからないが、ミステリーは情報量が多いので、そこそこ字数をかけないと説明書きばかりになって味も素っ気もなくなってしまう。そのため、一般的に短編と呼ばれるぎりぎりのライン、原稿用紙80枚、32000字をターゲットにして書いた。


 この自主企画は募集期間が1ヶ月あり、わりと早い段階で存在は知っていたのだが、参加するかは長いこと迷っていた。館ものは片手間では書けないからである。テンプレ小説でなければ生きる資格のないカクヨムの荒野で、館ものを書くのに命を削るのは自殺行為である。
 そう思い、一度は賢明にも参加しないことを決めたのだが、締め切りぎりぎりになって、なぜかうっかり書き始めてしまった。仕方なく、寝る時間をゴリゴリ削ってなんとか仕上げた。

 本格ミステリーじゃないので、そういうのを期待されるとがっかり小説になってしまうが、作中でも少し言及されている、ボルヘスやラヴクラフトみたいなわけのわからん話や、シャーロック・ホームズの「オレンジの種五つ」みたいな中途半端な作品が実は好き、というような人なら楽しんでもらえるんじゃないかと願っている。そういう嗜好の読者がカクヨムの新着欄をたまたま物色している可能性は限りなく低そうではあるが。

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