朝が来る速度が日ごとに早くなっていますね。私は良く変わり者と言われるのですが、温かいのが嫌いなわけではなく、それでも寒い季節が好きです。
冷たく張り詰めた風の中で一番美しいものが際立つ土地で生まれ育ったからでしょうか。平気で人の命をも奪っていく寒さの中で、思考も深まり、文章を書きたくなる気持ちも盛り上がってきます。それから、ごはんもおいしく感じます。
私は主に異世界ものばかり書いていますが、そのどの世界でも、登場人物皆がどんな食べ物を食べているのか、想像するのが好きです。そうして作者の余白に自分が色を付けることが何よりの物語の楽しみ方だと思っているので、つい語らせてしまいがちですが、なにより表情、感情、リアルな生活感を見てくださった方一人一人が妄想してほしいと願っています。そうして、何人も横に居なくなってしまった時も、心の中に誰かが生きていることができれば僥倖に存じます。
ただ通り過ぎる予定の街で出会いを果たした陽俊と倞の物語は、急速に発展していくでしょう。私はその発展の途中、一番おいしい部分を書いているに過ぎません。彼らがどんな人生を送り、彼女はどんな街を通過してきたのか、ぜひ想像してみて下さい。一週間に一度程度の更新を目指して、頑張ります。