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『ハーフ&ハーフ2』通信 番外編

 えー、皆さんゴールデンウィークは楽しんでますか?
 わたしは仕事がらみで、すごく飛び飛び休みになっております。

 とあるノートでのコメントのやり取りでお題を思いついたとのことで、匿名希望さんからお題パートの提案がありました。
 ただ飯テロと微妙に絡まない、なじまないため、本編にのせることはできないのでここでの掲載になります。

 匿名希望さん、いつもありがとうございます! 

 なお、お名前を拝借していますが、実在の人物とは無関係とのこと。
 あくまでフィクションとして楽しんでくださいとのことです。

 そして先に謝っておきます。
 いろいろごめんなさい!

 暇な人はどうぞ暇つぶししていってください。
 あと、前半パートの投稿は随時受け付けております。
 アカン奴は改稿の上でノートにあげます。



 番外編『フタヒロ殺人事件』


 五月三日 午後4時。
 五反田にある中華料理店『珍宝楼』の二階にて、円卓会議が行われていた。

   ○

「今日、みんなに集まってもらったのはほかでもない。フタヒロ氏が殺されたのはもうみんな知っていると思う」

 最初に発言したのはシャーロック・ホームズ風の衣装に身を包んだ女性だった。

「そうそう。みんな初対面だったね、わたしの名前は『幽鬼』。オフィス幽鬼の社長と言えばわかるかしら」

 一同の目が一斉に集中する。
 テーブルに肘をつき、白手袋を組んだ手に顎を乗せている。
 どういうわけだか、顔が赤く、すごい量の汗をかいている。

   ○

「殺されたて、そな大げさなァ。アカウントBANされただけやないのォ」

 ちょっと怪しい関西弁でしゃべる中年の男。
 右目には真っ黒な眼帯、見事に禿げ上がった頭、そしてシャツが出ただらしない恰好。

「おっと自己紹介がまだでしたな。わいのペンネームは『出歯ナシ』。まずはビールでも飲みましょうや」

 あ。ワインじゃないんだ……という周囲の落胆もまったく意に介していない。
 もっとも唇からのぞく立派な前歯だけは期待通りだった。

   ○

「それは、殺されたのと同じことやわ。わたくしたちにとって、アカウントをはく奪されるのは殺されることと同じどす」

 外見は銀座のスナックのママといった感じ、高そうな和服を着こなしている。

「あ。おわかりでしょうが、わたしがあの『鈴月』どす。あ、ウェイターさん、鉄槌丼をひとつお願い」
 鈴月さんは店員を呼び止めて優雅にオーダーを告げた。

「その、ウチは中華で、そういうメニューはヤテナイあるよ……」
「分かんなかったら、リュウジの動画で調べて作って頂戴。そろそろアップされてるはずどす」

   ○

「問題は誰が運営に通報したか、ってことですよねぇー」

 ちょっと唇を尖らせ、マイペースで黙々と折り紙を折っている男が間延びした口調で確信をつく。
 うん。これは愛宕さんに違いない。

「あ。ボク『愛宕』でーす。ボクは通報もしてないし、危ないコメ返信もしてないですよー」

 やっぱり。と一同がホッとため息をついた。
 同時に危ないコメ返信の言葉に動揺するものがチラホラ。

   ○

「コメなんて関係ないっしょ? 今回のお題だって別に害がないぺさ」

 ドンと空になったジョッキグラスを机にたたきつけたのは、セーラー服に身を包んだ女性。
 もっとも年齢オーバーなのは誰がみても明らかだったから目を合わせないようにしていた。

「あ。自己紹介がマダだったよね! 『風ー林』ですっ! ねぇカラオケ行かない?」

   ○   
 
「カラオケはアトよ、フーちゃん! アタシも自己紹介しておくわね♡ あたしが有名な和音よ、ワオーンッ♡!」

 ……この時代、LGBTは特にセンシティブな問題である。そういう描写・言葉には特に注意を払う必要がある。
 したがって偏見のないように外見のみの描写にとどめておきたい。
 彼女・彼の顔は、剃り跡の残る青白い頬に、男性らしいがっしりとした輪郭、極太の眉毛で構成されている。
 そのキャンバスに幾重にもカラフルな化粧を塗り重ね、実に個性的な印象を与えている。

「そうそう、関川さん、ハーフ&ハーフに残酷・暴力・性描写の三点レートセットつけてたからそこは大丈夫だったと思うけど」

   ○

 異常が……以上が円卓会議の構成メンバーのすべてである。

 そして幽鬼が再び口を開いた。
 ちょっとマーボ豆腐を食べるためである。

「思ったより辛いなココの……そう、真実はいつもツライものよ。あたしはこの中の誰かが通報者だと推理している」

「またまたぁ、そんなこと言って幽鬼ハンが犯人チャイまっかー? 大汗かいてはるし」

「そ、それは、このマーボー豆腐が辛いせいでだな……」

「ねぇカラオケ行かないのぉー?」

「はぁ? これが鉄槌丼? 話にならないわ、シェフを呼んで頂戴」

「セキカワさん来てないの? アタシ彼に会いに来たのにィ……さ・び・し・いぃー」

   ○

 一気に混乱する円卓会議。
 それでなくともまとまりのない烏合の衆であった。
 当初の目的もすっかり失せようとしていた。

 その時である。

「お待たせしました。シェフの関川です」

 シーンと緊迫した空気が張り詰める。

「みなさん初めまして。そして一部始終を聞かせてもらいました。そしてわたしを殺した犯人が分かりました。その動機もね」

 まさかの本人の登場であった。

   ○

「あの、コレ、飯テロ編の番外編じゃなかったでしたっけ?」

 恐る恐る声をかけたのは幽鬼。
 一同もゴクリと唾を飲み込んだ。

 こんな状況から、どんなどう飯テロに絡めるのだろう? どんなオチにする気だろう?
 事態はますます混乱していく。

 だが関川にはこの状況を打開する秘策があったのだ。

   ○  

「もちろんさ。この後、犯人には犯行の動機と飯テロにふさわしい感想を語っていただく」

「なんや恐ろしうなってきた」
「あたしもや、書ける気がしまへん」

「ハーフ&ハーフ史上、最高に続けづらい問題編だろう。わたしも自分が何書いているのか分からないくらいだ」

 うんうん、とうなづいている一同。

「だが飯テロのテーマだけは貫かせてもらう。出でよ 霧野君!」

   ○

 ドン!
 と扉が開かれ、赤い鞭をもった女性が現れた。

「さぁ、どこのどいつだい? 関川さんを困らせている悪い子は?」

 ビシッ!
 と鞭が幽鬼のマーボー豆腐の皿をたたき割る。

 身をすくめる一同。
 それをブタを見るように平然と見下ろしている霧野女史。

「あたしの鞭の前で嘘はつけないよ。覚悟しな!」

   ○

「そういうことさ。これから君たちにご馳走してあげよう、霧野君の『フルコース』を!」

 どや。

 関川の目にはそんな愉悦の表情が浮かんでいた……

 
 ⇒ to be continued

67件のコメント

  • ようやく98の工程まできた。折って折って折って折って……これだけ折りこんだ挙句、100工程目で「全部広げる」という鬼畜な所業。工程の101からは、その折り線を逆に畳む箇所も交えながら完成へと突き進む。ラストは365工程……途中には「反対も同じ」という左右対称の折り指示があることも考えると、軽く700工程は超えてくる大作に、ボクは挑んでいる。もちろん、この中華店の円卓で繰り広げられる魔女狩りに参加をしながらだ。裁く人は関川さんと、赤い鞭星と呼ばれた霧野女史。ここから無事に生きて帰れるのは果たして誰なのか、ボクはその一部始終を見届けようと思う。

    それにしても、ここで閉じた沈め折りはキツイなぁ。ここがクリアできれば、右の爪が完成というところまできてるけど、無理をしたら紙が破れて一貫の終わりだ。さらに、右が終われば左が残っている。ヒュンと空を裂く鞭の音を聞くのと同様、なかなかの緊張感がボクの背中を走り抜けた。くっ! ダメだ。落ち着いて、もう一度トライだ。急な招集だったので、ピンセットを家に置いてきてしまったのが痛いなぁ。でも、ここはオリガミストとして意地を見せるっところでもある。ボクは、円卓をクルリと回して、楊枝の入ったケースを手に取った。この楊枝をピンセット代わりにすれば、なんとかなるはずだ。

    しかし、ボクは見落としていた。
    このクルリと回る部分がレイジースーザンという名称だったことを。怠け者が回した台の向こう側には、トランプのジョーカーが置かれていた――。
  • えっと、匿名希望のモノです。
    これは、期限アリですか?
    カラオケに行かないといけないので!
  • あっ、ヘイクロウさんが!
    あっ、すいません、これってリレー形式なのですか?
    邪魔なら消しますw(#^.^#)
  • 大丈夫です。
    自分も好きで書き殴ってるだけなので☆
  • 了解です!
    赤リボンのセーラ―服がまだ似合う、フーリンより(#^.^#)
  • ふっ、幽鬼さん、そうきたか。指が鳴るわ!自分だけ高みの見物ってわけね!

    はうぅん♡
    いい♡いいよぉ〜♡その設定〜♡
    真面目に考えて、アップするわあぁん、あっ、、、、♡
  • なんか出遅れている間にシェフ関川に料理されてる人たちが……
  • 『オードブル』

    きょう、グランママンが死んだ。

    僕は涙一つ流すこと無く葬儀をすませ、莫大な遺産を手に海水浴に出かけた。
    その夜『アラゴナイト』というスナックで盛大にドンペリを開け、ママの鈴月を口説いた。
    一夜を共に過ごし、早朝の漁から帰ってきた旦那に『鉄槌ドン』を食らって叩き出された。

    行く当てのない僕は、場末のピンク映画を見に行った。
    なんやかんやとあって賢者タイムに突入した時、隣の席にいる男がオフィス悠木の元同僚、愛宕だと気がついたが、話しかけることもせずそっと席を立った。

    ああ、太陽が眩しい。

    と思ったら、無断欠勤したオフィス悠木社長幽鬼の頭が光っているだけだった。
    待ち合わせていた僕たちは二人で手を繋いで海岸を歩き出した。

    ああ、眩しい。

    莫大な遺産を手に入れて駆け落ち同然で世間を捨てようとしていたのに、僕の心は苛立っていた。

    海岸の反対から、二人の女性を侍らせる男が歩いてきた。
    一人はセーラー服に身を包んだ女性、胸の名札に風林と書いてある。
    もう一人は、わおーん、わおーんと男に腕を絡めて笑っている。

    男は幽鬼と因縁があったみたいで、なんやかんやあって二人は取っ組み合いになった。

    眩しい。

    幽鬼の頭が太陽を反射して目がやられ、次第に脳もやられていった。
    気が付いたら僕は懐に忍ばせていたワルサーP38から火を吹かせていた。

    男、関川は絶命していた。

    🍷🍷🍷

    「こんな感じでどうでっか?」

     僕は本当は関西人ではない。
     ついでに、この出っ歯なマスクを外したい。

     ビール片手に枝豆をつまむ。
     塩味が絶妙でビールが進む。
     この組み合わせは凶悪過ぎる。
     オードブルとしては最高ではないだろうか。
     というよりも、完全に夜食だな。

     カミュの異邦人をテーブルの開き、霧野サマのご褒美を待つ。
     
    ―Fin―

     え、ワイン?
     そんなものは知らないな?(笑)
  • 追記
    霧野サマのご褒美のフルコース、分かりますよね?(笑)
  • フタヒロ殺人事件解決編①

    「ふふふ、まあ、霧野女史、フルコースの前にだ、前菜と逝こうではないか!」
    「フタヒロって、やっさしーーー!!」
    「……ああ、いつもそうだろう?」
    「そうね、ロングウィップ(長ムチ)が好きって、いつも叫んでるもんね」
     霧野女史は、持っているムチをペロッと舐めた。

    「ええっ!!それは聞き捨てならへんわ!!」
     そう言って、話をややこしくするのは、自称正義の味方であり、いつも酒でほっぺが赤い出歯ナシ。
    「こんなべっぴんさんが来てるんやったら、これや!!」
     そう言って、大きな腹巻から首輪を取り出した!
     一堂がドン引きする中、自らに首輪をハメる、出歯ナシ。
    「さあ、ねえちゃん、イヌになるからいつでもやってーや!」
     そう言って、四つん這いになった。

    「おっちゃん、それだけは止めておくれやす!」
     こう言って、自称正義の味方のさらに上を行く、自称聖女の鈴月がのたまう。

    「ぼく、分かっちゃったんですけどね」
     そう言って、挑むような視線を幽鬼社長に向けたのは、自称折り鶴の恩返しの愛宕さん。
    「ふふふふ、私に挑戦しようとするなぞ、千年早いわ!実は、私も既にわかっているのだよ、ふふふふふ」
    『挑戦者は叩き潰す』が信条の、勇気ある幽鬼社長はビシッと指さすのだった!

     指差された自称女子高生の「風ー林」は、ススッと身体を寄せて、幽鬼社長が差している指を持ち、ある人物の方向を指し示した。
     そこには、今まで艶然と微笑んで経過を見ていた和音が居た。

    「えっ?わたし?えっ?」
     一同は凍り付いた表情で和音を見つめる。
  • 「フタヒロ殺人事件」解決編②

     いや、ただ一人だけ、見つめてはいなかった。
     それは…………「いつまでこんな格好しとったらええねん?」
     そう叫んだのは、出歯ナシだった。

    「風ー林」は、幽鬼社長の指を出歯ナシへと向けた。

    「そうか!やはり一番吠えるイヌほど怪しいと言うではないか!そう言う事だろう、みんな!」
     幽鬼社長は得意げに言った。
    「参ったね、僕と同じ意見だ」
     愛宕さんは、さもやられたとばかりに、頭をポリポリと掻いてフケを落とした。
    「そういうことだったんですね!ワオーン!」
    「だから、それだけは止めておくれやすってゆいましたどすのに」

    「ふはははははは!もう、それくらいにしたらどうだ、こんな茶番は!!」
     関川氏は、言った。
    「オレはわかっちまった!犯人は、お前ら全員だ!なぜか?教えてやろう。鈴月、あんた、最初、おっちゃんって言ったよな。出歯ナシと同じ関西人、たぶん、知り合いだ。如何に関西でおっちゃんって言うと言っても、初対面の大人がそんなことを言うものではない、しかも京おんなの鈴月がね。それから、他の者達は、さも違うフリをしながら、社長と「風ー林」が何度も違う人間を指さす行為に、誰も異を唱えずに経過を見ていた。白々しいんだよ!それと、出歯ナシがムチを打たれるのを志願したんだろう?首輪をいつも持っているとか、そんなヤツは居ねーからな!ってことで、霧野、お前も共犯だな。知らせてたんだろ、ムチを持って来いって呼ばれてるのを!」

    「ぶらぼーーー!!!!」
     パチパチパチパチ!!!
     盛大なる拍手が鳴り響いた!
     鞭が出歯ナシに打たれる音も、良い調子となって鳴り響いた。

    「よっっしゃーーー!!いえーーーい!!」
     関川氏の雄たけびが上がる!
    「やってみたかったんだーー、名探偵ってヤツ!!みんなー、ありがとうーーー!!」
     再び、ムチの音と拍手が鳴り響く!

     幽鬼社長のアナウンスが流れた。
    「これを持ちまして、関川氏の寸劇を終わりと致します。後は、霧野女史が考案、シェフ関川の作ったフルコースをみなさんでご堪能下さい!お金は社長のわたくし幽鬼が全てモチますのでお互いの親睦を深め、かつ、いっぱい、飲んで食べて、日ごろ、身体を鞭打って働いたウサを晴らしてください!カラオケもありますから、おーけー?!」

     こうして、無事、カイケツしましたとさ!

     了
  • すいません、長くて(笑)(#^.^#)

    解決なのかどうなのか?ww

    いや、私も誰も犯人嫌だしね!ww(#^.^#)
  • 🍷出っぱなしの匿名希望の友人さま

    また勝手に投稿としたことは許しましょう。

    さて、作品の書評ですが、カミュの異邦人の二次創作(パクリ)というアイデアは悪くありませんでした。
    しかし、その内容の雑さはいただけません。
    何より、ラストのオチにキレが無さすぎて、お題の素晴らしい設定を台無しにしています。
    霧野サマのご褒美のフルコース(鞭打ち乱舞・百花繚乱)がほしいからといって、虚偽の自供は重罪です。
    フルコースどころかオードブル(素振り程度の一振り)をいただければ御の字でしょう。
    オードブルという回答を用意したのだから、次のスープに繋げるラストにできれば、この駄作にも救いがあったことでしょう。
  • ☆愛宕平九郎さま

    高みの見物を決め込んで折り紙をしているようですが、関川様はいつ引きずり降ろそうか機を窺っています。
    お覚悟を(笑)

    🎐風鈴さま

    真犯人はいなかった!
    その結末のお陰でみんな仲良くフルコースで宴会という楽しいエンディングは良かったです。
    しかし、一つ大きな間違いがあります。
    霧野サマは、愛用の鞭、スペア、布教用と三本のロングフィップを常に持ち歩いています。
    霧野サマの鞭愛を侮ってはいけません(笑)
  • 霧野女史の所へ、作品を読みに取材したのですが、なんと、三本の矢ならぬ、三本のムチ!

    私が無知でした!

    でも、ここで挙げたお話には登場させませんでしたが、バラ鞭というモノを学習しました!

    私はムチにイバラ状のモノがついていて、より刺激的に、より血だらけにするモノかなと想像して、ワクワク、失礼、驚き慄きましたが、なんと、ムチの先がバラバラとなってるからだと、ウィキで教えられました。

    そして、バラ鞭には九尾ムチというのがあり、妄想が爆発しましたが、悲しい哉、先のお話には使えなかったです。

    ムチは、霧野女史、手作りもあると聞き及びましたので、もっと怪しい、ゴホン、もっと素晴らしいモノをお持ちなのではないかと、邪推致します(^^)

    何かと、現代人のストレスには悩まされる昨今、平和を目指し、ムチをふるって汗を流すのもアリなのかなと、洗脳された次第です!(๑˃̵ᴗ˂̵)
  • 「これを持ちまして、関川氏の寸劇を終わりと致します。後は、霧野女史が考案、シェフ関川の作ったフルコースをみなさんでご堪能下さい!お金は社長のわたくし幽鬼が全てモチますのでお互いの親睦を深め、かつ、いっぱい、飲んで食べて、日ごろ、身体を鞭打って働いたウサを晴らしてください!カラオケもありますから、おーけー?!」

    こうして、無事、カイケツしましたとさ!



    ……と思われたそのあと


    「ほな、ワテから期待通りのワインをプレゼントしまひょー。本日のワインは最新作より『アラモス マルベック2019カテナ』でっせ。能書きは神の血に書いてありまっせ」

     と出歯ナシが腹からワインボトルをとりだした。どうやら太って見えていたのはそのせいだったらしい。しかも他にも何本か持っているようだ。
    「ああ。コルク抜きは要りませんぜ、これが本場イタリアの開け方でっせ!」
     そう言って、その見事な出っ歯をコルクに突き刺すと、豪快に栓を抜いて見せた。

    「料理の前には美味しいワインと相場が決まってますのや、ささ、どうぞ皆さん召し上がってくださいな」

     手早くグラスに注ぎ、ワイングラスは回転テーブルに乗って各人の前に並べられた。

    「ほな、関川さんとの出会いに乾杯ッ!」
    「かんぱーい」

    「ちょっと待ちたまえ!」
     またしても関川の凛とした声が響いた。

    「なんでっか? 急に水を差してからに」
     グラスを持ち上げたままの出歯ナシがニヤリと笑う。

    「このワイン、毒入りだ」

     ざわつく一同。

    「そういえば……ミステリーでは定番どすな」
     と鈴月さん。
    「あぶなく引っかかるところでしたわ」

    「まったく油断も隙もあったもんじゃないね」
     と愛宕さん。
     この短い時間の中で全員の箸置きを折り紙で作っていた。

    「あ、もう飲んじゃった……」

     幽鬼社長はそう言ったとたんに、ばったりと机に倒れ伏した。

    「どうやら、本格密室ミステリーの幕開けのようだ」

     関川の言葉が静かに響いた。


  • 🍷リレーの続き

    「あ、もう飲んじゃった……」

     幽鬼社長はそう言ったとたんに、ばったりと机に倒れ伏した。

    「どうやら、本格密室ミステリーの幕開けのようだ」

     関川の言葉が静かに響いた。

    「な、なんでやねん!!ワイやない、ワイやない!ワイは、そんなマガイもんを注いでなんかないワイ!!」

    出歯ナシは、そう叫ぶと、自分の杯を呷った!

    「ううううう!!!うめーーーじゃねーーーかーーー!!これは、ワイがカテナと名付けた逸品で、買ってーなっていうダジャレだ、とかではない正真正銘のモノホンの逸品やで!!」

    「ええか?このカテナはなぁー、14日間、約26度で醗酵後、スキンコンタクトのまま23日かけて醸し、9ヶ月間フレンチ+アメリカンオーク樽(新樽25%)で熟成。熟したブラックベリーを思わせる果実のフレーバーとアロマにスパイスや黒コショウのノート。ミディアムボディでしっかりとした樽の効いた構成力のあるタンニン。って言うなんとかかんとか……………………」(㊟長いので、読まなくても良いです!!)

    出歯ナシのワインの蘊蓄を途中で遮り、関川氏は言う。
    「おかしいな、これは、ワイン全てに毒が入っている訳ではないって事なのか?!しかし、それにしても、なぜ、社長だけが飲んだのか?社長だけを狙うこと自体、そもそも無理だろう。回転テーブルを回したのは、出歯ナシだけでなく、全ての人間がクルクルと回したのだからな!!」

    この密室殺人ミステリー、いったい誰が解決できるのだろうか?
    次の探偵(作家)の手に委ねるとしよう!!(#^.^#)

    続く
  • 感想など

    ☆愛宕平九郎さま

    そのオリガミという秘技、その指使い、たぶん、ピアニストが超絶技巧を駆使して「ネコふんじゃった」を演奏する技に似て、実に卑猥、いや、悲哀にして繊細なモノなのでしょう!
    オリガミの凄さが伝わります。
    しかし、最後のナゾを残した終わり方、そこは察してくれと読者に投げかけられた問い、考えさせられました!(#^.^#)

    🍷出っぱなしの匿名希望の友人さま

    そのカミュの異邦人、寡聞にして存じませんという、情けない読書人生を思い知らされた感じです。
    唐突な展開に、意識が途切れながら読みました。
    いえ、眠いというのではありません。
    そして、やはり、霧野女史のムチはご褒美なのだと、納得させられました!成仏してください、ご友人様!(#^.^#)

    ☆🌞🍷🈷(*^^)v関川氏

    まさかの手抜きかと思われましたが、なんとリレーもやるよってメッセージだとテレパシーが伝わってきました!
    本格ミステリー!
    私は、書いたことも無く、考えたことも無いので、書けませんが、その道のプロが居られることでしょう!
    いや、ここを仕切る、親分にして頭脳派の関川氏には、既に答えが用意されているモノだと思います。
    そのお手並みをゆっくりと堪能するのも、子分たちの務めかもしれません!
    今後が楽しみです!!
    いえ、親分想いの私ですが、たぶん、ここまで位しかチカラ及びません。
    しかし、親分想いの子分はまだまだ在野に居るモノと想われます。
    まさかの救世主の存在がもしかしてあるのかもしれませんね!
    それを待つのも、これまた一興かもしれません。

    でわ、明日の平和をお祈りして、アーメン!!(#^.^#)
  • 人数分の箸置きを作り終えたボクは、目の前にあった油淋鶏に箸を伸ばした。ボクは下戸だから、ワインを出されても飲むことはできないんだ。こういう時、下戸っていうのは得だなぁ。
    でも、ワインが毒入りじゃないとなると、細工されたのはグラスの方なんだろうね。社長は勇み足で飲んでしまったけど、あれは死んだフリだと思う。社長と関川さんのホットラインは、この中にいる誰よりも熱いはずだから。それに、こうした茶番を設けるにはお金が要る。関川さん一人では賄えない莫大な資金が必要だと、橋本K氏の名作『リコルディ』に登場した冴えない親方警部がオフレコで言っていた。

    リコルディと言えば、珍しいランブルスコ品種を使ったマルボジェンティーレのスティルワインだと、出歯ナシさんが言っていたような言ってなかったような。酸味の強いタレが特徴の『珍宝楼』が作る油淋鶏にも、きっと合うんだろうな。

    もう少し静観していよう。
    ボクは油淋鶏をもう一切れ口にし、オレンジジュースと一緒に飲み込んだ。そこで、ふと疑問が浮かんだ。

    ――そもそも、毒って入ってるのかな? 心理戦じゃね?


  • えと。
    この場ですが、ちょっと皆様への感想コメントが書けておりません。
    ですがすべて楽しく読ませていただいてます!
    ホントこの企画は書いても読んでも楽しいいい企画だな、と。

    あと、前のノートにも追加の感想なんかが投稿されていますので、たまに見てみてくださいね!
  • そして番外編。
    これで後編をまとめるというのもほとんど不可能ではないかというお題でした。
    ということでまぁ好きに書いていってくださいね!

    そして作中ペンネームに心当たりのある方、ごめんなさい!
    あくまでネタですからね、笑って許してくださいね!

    ということでいつもありがとうございます!
    (↑ このあたりにパブリックイメージ増加の祈りを込めました)
  • 関川 二尋様

     番外編、盛り上がっていますね(^_-)-☆
     書きたいと思いつつ、全然頭が追い付いて行っておりません💦
     楽しませていただくのみですみません。

      京女と見せかけて実は中身東女(男ではない)の鈴月より(笑)
  • 「どうやら、本格密室ミステリーの幕開けのようだ」

    関川の言葉が静かに響いた。下腹部に装着しているヤクルト容器が45度の角度を保っていることから、彼が事件に対して興奮しているさまが伺える。

    愛宕は油淋鶏を一口ほおばった後、机に突っ伏した幽鬼に近寄り匂いを嗅いだ。

    「アーモンド臭か……」

    その一言に場内がざわつく。

    「なんやて……そしたら誰かが青酸カリを使ったと言いますのん?」
    「いや鈴月ママ、そうとは限らない。毒であることは間違いないがアーモンド臭は偽装可能だ。それに幽鬼の倒れ方がスマートすぎる。青酸カリで倒れたのならもっと苦しまなければおかしい」
    「つまりは?」
    「毒の種類は青酸カリじゃない。そして……」

    愛宕はテーブル上のワイングラスを持ち、一気にあおった。

    「ちょっと愛宕はん!」
    「死ぬ気か!」
    「きゃー!」
    「俺が死ぬことは無い。なぜならグラスにもワインにも毒は混入されていないのだから」

    飲み終えたグラスをテーブルに置きながら平然と答える愛宕。その顔にはやりきった男の顔だった。

    「じゃあ毒はどこに……」
    「そんなものは初めから無いのさ。幽鬼の死因は毒じゃない、本当の死因は……これだ!」

    愛宕は幽鬼のスカートをめくり、さらにその下のパンツも下ろしケツを晒した。そこには見慣れない……いや一部のマニアには見覚えのある器具が肛門にブッ刺されている。

    「アナル……プラグ……」
    「最新型……Kモデル……」

    和音と霧野は蚊の鳴くような声でそう呟いた。ふたりには馴染み深い物なのだろう。

    「そう。しかも外部操作できる膨張機能付きだ。幽鬼の死因は大腸内で急激に膨張したアナルプラグの刺激によるショック死だ!」

    さざざわざわ……

    「そして犯人は必ず……いいか、必ずリモコンを持っている! それも手動ではなく、時間をセットして遠隔で電源が入るよう改造したものを!」

    そろりと。

    後ずさりながら会場の出口に近づく者がいた。

    「あいつが、あいつが悪いんだ……私のアノマロカリスを馬鹿にしたからっ!」

    言いながら出っ歯マスクを外し、ついでにカツラも投げ捨て出口から飛び出した人間。それは出歯なしに変装していた唐草ウツロだった。

    「追え! アイツが犯人だ!」

    その声に応じて皆は一斉に唐草を追いかける。この人数から逃れるのは流石に無理だろう。

    会場に残されたのは突っ伏したままの幽鬼と、関川。そしてさり気なく関川と乳繰り合っていた風林だけだった。

    「まさか幽鬼と唐草の間にそんなことがあったなんて。僕のパブリックイメージを落としにかかった罰が当たったとしか思えないな」
    「そうね。関川さんを貶めるなんて最低だわ」
    「ありがとう。なんだか一段落したらムラムラしてきたよ。風林……良いかな」
    「ええ、関川さん……」

    死体の前で激しく絡み合う二人。そこには情緒だとか順序だとか前
    戯とかはなかった。ただただお互いを求めあう姿はまさしく獣。

    「ああっ、もう我慢できない、指じゃ嫌! ホンモノを入れて!」
    「さっきからずっとホンモノだよ!」

    ここに関川のパブリックイメージダウンに端を発した殺人事件は幕を閉じた。しかし、この物語を読んでいる諸君よ、忘れないで欲しい。

    たとえ幽鬼が倒れても、第二第三の幽鬼は必ず現れる。光があるところに闇があるよう、パブリックイメージを壊したい衝動は誰の心にもあるからだ。
  • 「毒であることは間違いないが」の台詞は無い物としてください。消すの忘れましたw
  • @感想!

    パチパチパチパチ!!

    すごい、メデタシですね!
    ひとつの傑作がこの世に産まれましたね!

    でも、プラグ!
    そのようなモノが、モノが、モノが、この世にあるとは!
    わたくし、寡聞にして存じませんでしたわ!

    でも、ワインに毒は入っていないってのは、考えておりましたw
    そこは、意見が一致してましたが、まさかの尻!

    しりませんでしたわ!
    そのようなことが!!

    そして、関川氏のパブリックイメージの闇、とても、恐ろしく、小さな、そして華奢な指をくわえ込むばかりでした!

    まさかの出歯ナシさん、改め、唐草さん、足が遅いようですが、手は速かったのでしょうか?

    とにかく、幽鬼社長、ご冥福をお祈りし、私は第2とはならないであろうことを祈るばかりでございます!!(#^.^#)
  • >小さな
    これは良い。これは良いんです。関川さん弄りのデフォルトですから。でも…

    >そして華奢な
    もうやめてあげてwww
    パブリックイメージは大丈夫ですが、関川さんのライフはもうゼロよ(笑)

    凄いなぁ、そのパワーワード、ただただ発想が天元突破してるなぁと感嘆するばかり。私も風鈴さんのような真のヒールになれるよう努力します。
  • テヘッ!

    なんか、お褒め頂きありがとうございます!

    悠木さんから、まさかの褒め言葉、天国へ逝きそうなくらい、舞い上がりました!

    誰かから地獄へ堕ちろと言われても、苦になります、いやなりませんでしょう。

    私には、今、天使の翼が生えましたので、地獄からも這い上がって来られます!

    でも、これ以上、弄らないで!(๑˃̵ᴗ˂̵)
  • 🚩関川二尋さま

    大団円と見せかけて、更に盛り上げようと爆弾を投下するとは主催者様の鏡です。
    そして、それがパブリックイメージを破壊させる火種になるとは(笑)

    🎐風鈴さま

    投下された爆弾の落下点へ更に火薬を増すかのような引き継ぎ、お見事でした。
    ウンチクを無駄に長く語る出歯ナシ、ウザいモブのようですね(笑)

    ☆愛宕平九郎さま

    淡々と折り紙を完成させる冷静沈着さ、オフィス悠木のエースの力量を見せつけてくださいましたね。
    推理に親方警部の言を引用するとは、性交体位素描集が愛読書でしょうか?
    今度貸してください(笑)

    🌸悠木柚さま

    ラストのオチを担当してくれるとは流石です。

    「下腹部に装着しているヤクルト容器」
    ゴング開始と同時に鋭いジャブ、これがラストの小さな華奢な指に繋がる伏線なのですね。

    なぜかパブリックイメージを上げる冷静沈着な頭脳派っぽい愛宕さんが重大な証拠を発見し、和音さんと霧野サマが二次被害!
    凶器となった最新型Kモデル、これはまさかイタリアリコルディ社製でしょうか?(笑)

    幽鬼社長、倒れたように見せかけて関川さんのパブリックイメージが上がった時に、エロゴーストライター湯姫として復活してくれるでしょう。
  • ゴールデンウィーク忙しい!でも参戦したいと思って書いたら、なんかおかしなことになりまして。

    最初に謝っておきます。

    「私は関川さんの事が大好きです。関川さんは本当にいい人だと思っています。なのに、脳内再生くんに指を任せたらこんなことに…。なぜなんだろう?自分でも不思議です。そして解決まで持っていく前に家族で出かける時間になりました。だから、放置してすいません」



    ☺️☺️☺️☺️☺️☺️

       ○

     ドン!
     と扉が開かれ、赤い鞭をもった女性が現れた。

    「さぁ、どこのどいつだい? 関川さんを困らせている悪い子は?」

     ビシッ!
     と鞭が幽鬼のマーボー豆腐の皿をたたき割る。

     身をすくめる一同。
     それをブタを見るように平然と見下ろしている霧野女史。

    「あたしの鞭の前で嘘はつけないよ。覚悟しな!」

       ○

    「そういうことさ。これから君たちにご馳走してあげよう、霧野君の『フルコース』を!」

     どや。

     関川の目にはそんな愉悦の表情が浮かんでいた……

     
     ⇒ to be continued

    「サァ白状しな! 誰が私のペットの関川さんのアカウントを殺したんだい?」

    そう言いながら霧野女史が鞭をしならせ勢いよく叩くと、その鞭の先が黒い眼帯をした出歯ナシの前歯をかすめていく。

    「ちょ、危ないやんけ!そんな鞭振り回したら、あかへんて!あかへん、あかへんよ、あかへんのやけど、あかへんのやけどーーー…もっかいしてくれへん?」

    「ははぁん、お前、私のこの鞭に今、感じたねぇ、お好みならばもう一度味わわせてやるわょ」

    霧野女史はそういうと関川の方を向き、目配せをした。こくんと頷く関川。徐にサロンをほどき、胸ボタンを開け始めた。一つ、二つ、三つ、四つ。そして勢いよく白いシェフの服を脱ぎ捨てた。

    ――ばさっ!


    「「「「「あああ!そ、それは!!」」」」

    「これが私の本当の姿さ!」

    そこには、手足が動くように真っ赤な紐で美しく縛られた、関川の鍛えられた肉体が現れた。

    「たまんないわぁ、関川さん、それでこそ私のペットよ!見なさいここを!」

    そういって霧野女史が関川の股間を鞭でさした。ゆらゆら揺れる鞭の紐がさわさわと触れる関川の股間は少しずつ大きくなっていく。

    「あぁ、まさか! そんな!」

    ワオーンが身を捩らせながら声をあげた。

    「だ、大好物ですぅ〜」

    「わ、ワオンちゃんそんなエロっぽい顔して見てたら犯人にされてしまうって」

    と言いながら風鈴もよだれを垂らし始めている。そのよだれが、ポタリ、ポタリとセーラー服に染みていく。

    「ほらほら、私のペット関川さんの美しいこの体にお前達も虜であろう!サァ!平伏しな!!この美しい関川さんを!菊の御門も見せてやろうかぁ?ほらほら、ほらほら」

    関川はくるりと後ろを向き見えそうで見えない菊の御門をもったいぶってチラチラ見せ始めた。

    「サァ、そこの出っ歯も結んでやるからこっちに来な!お前の好きなワインレッドの紐で結んで、私の鞭に溺れるのよ!肉がムチムチする姿もまた腕が鳴るわぁ」

    が、その時!

    「わかったわ!犯人が!」

    と、シャーロクホームズ風の洋服を着た女性、オフィス幽鬼の社長、幽鬼が麻婆豆腐を食べて汗をかきすぎた顔で指をさした。その声に驚いた美しい着物を着た『鈴月』は鉄槌丼を手に持ったままが立ち上がった。

    「ま、まさか犯人って……」

    「そう、そのまさかよ!」

    「自作、自演………」

    「さすがね、さすがコンテストで賞を取っただけのことはあるわ、『鈴月』さん、そうよ、自作自演よ! 私の推理はこう、まず関川さんは自分のアカウントがバンされないようにパブリックイメージを積み重ねたわ。そして手に入れた。完璧にいい人像を。それに騙されて集まった人たちがここにいる人たちよ!」

    「確かに、関川さんがいい人だと思って疑ったことはない」

    「そうよね、そこの厚化粧したおばさん、ワオンさんだったけ? そしてその横でうんうんんうなずいているセーラー服のフーリンさんだっけ?そうでしょ? あなた達はまだ関川さんと出会って日が浅い。本当の関川さんはもっと姑息なのよ!」

    「で、でもでっせ、なんで自分のアカウントばんさせるようなことしますんや?」

    「誰でもそう思うわよね、前歯の立派なお兄さん、そこよ、そこが問題なのよ!」

    「私は決して自分で自分を通報するなんてあり得ない」

    「そうかしらぁあ? 」

    「何を根拠に言ってんのよ!お前も鞭で打たれたいの?」

    霧野女史の鞭がしなった。

    「見て見なさい、あなたの股間! さっきよりも大きく膨らんで興奮しているじゃない! あなたはそうやって自分を虐められることに快感を覚えているのよ!その最高潮を自作自演したんじゃない!」

    「「「「「まさか……」」」」」

    ゴクリと唾を飲み込む音が会場に響く。霧野女史でさえも一歩後ろに下がり、その変態性に恐れ慄いているようだ。

    「まさか、自分で自分を殺して快感を得ていただなんて……。そこまでは私も思わなかったわ……」

    「ふふふ、ふふふは、はーははは!自作自演。ばかな。そんなことがあってたまるものか!」

    《続く》

    ……かも知れない。

    こうして未解決事件の幕は降りるのだった。

    ……かも知れない。


  • あかん。
    パブリックゲージがメチャ下がってる気がする(笑)
  • 愛宕さんの折り紙入れ忘れたから、続きを書かなきゃいけない気がしています♡

    あ、ごめんなさい、後半部分だけ、妄想日記にも書いちゃった♡
    今日の一番ネタだったもので。すいませーーーーーん!
  • 『あかん。パブリックゲージがメチャ下がってる……』

    風林の中で華奢に果てた関川は、事態が思わぬ方向に流れたことを憂いていた。現在彼のパブリックゲージは9930。常に9999をキープしてきたはずが69も下がっていた。

    始まりはオフィス幽鬼に集まっていた面々を、お仕置きしてやろうと思っただけなのに。蓋を開けてみればお仕置きされる側になるという、いつもの展開。関川は自分の不甲斐なさに溜息を吐きつつ立ち上がった。途端、『コポッ』と音を立て、風林の中からパブリック液が零れ落ちベルベットの絨毯に華奢な染みを作る。それを横目で確認した関川は寂しげな表情でこう思う。

    『所詮、華奢なモノからは華奢なモノしかでない。カエルの子がカエルであるように。僕はどこまで行ってもただの関川フタヒロで、それ以上にはなれないんだ……』

    「なれないんだよ……」

    頬を伝う一条の光が顎に到達し、それから床へと落ちてゆく。

    「ようやく落ち着いたようね」
    「!! 生きていたのか!」

    テーブルからむくりと顔を上げた幽鬼は静かに立ち上がり、関川へと近づいた。そして慣れた手つきで華奢な関川の関川を指でピンとはじき、ヤクルト容器を所定の位置に装着させる。

    「いつから死んだと錯覚していたのかしら。私は絶頂に達して失神していただけよ」
    「ええっ! でもアーモンド臭が――アナルプラグが――唐草が――」
    「まだ分からないの?」
    「分からない、何もかも分からない。本当に一体、何が起こっているんだ」
    「アナタはこの場に私たちを集めたのが自分だと思っている。それがそもそもの勘違いなのよ」
    「何だって?」
    「ついてきてちょうだい」

    幽鬼はそう言うと関川のヤクルト容器をやさしく掴みながら歩き出した。床で笑みを浮かべながらスヤスヤ寝ている風林は、そのままにして。

    「幽鬼、一体どこに……」
    「どこでもない、まさにここ。難しく考えることなんて何もないの。真実はいつもひとつきり」

    出口の扉に手をかけ、そして思いっきり開け放つ。そこにはあたたかな光が満ち溢れ、まるで春がそのまま具現化したような光景があった。

    「こ、これは!」

    愛宕、出歯なし、和音、霧野、そして鈴月。それだけでなく唐草、久我、聖衣、ワカクサ山の狸、幸世、クリリン、春河。一歩、鳳、洞飼、お曇、まりこ、カンテラなど、ハーフ&ハーフ2企画への呼びかけに答えてくれたメンバーが微笑みながら勢揃いしていた。

    「どう、分かった? みんなフタヒロが大好きなのよ」
    「みんな……」
    「アナタが関川フタヒロであった結果、これだけの人間が動いてくれた。これのどこが華奢なのかしら?」

    その日、会場となった料理店では夜中まで宴会が繰り広げられた。参加者の気持ちに触れた関川は、こう思う。

    もう二度と、番外編のお仕置き部屋なんて発動させないぞ。だって皆、こんなにも素敵な人たちばかりじゃないか――と。

    彼の心に再び天使が宿り、パブリックゲージは回復の兆しをみせていた。
    °˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
  • 癒されました
    °˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
    パブリックゲージが上がるのを感じるゥゥゥ!
    幽鬼、オレは人間をやめるぞォォォ!
  • あ、なんか綺麗にまとまってる(笑)
  • ズギュウウウン!
  • 私、ヤクルトより、タイガーの方が良かったわ………。

    それは、会場に残された、セーラー服美少女戦士の、溜め息とも取れる、寝言だった!

    はふ〜〜ん!
  • 『告。パブリック液を消費したことにより、人間から魔人へと進化する権利を得ました。人間から魔人へ進化しますか?』

    Yes or Not

    関川「もちろん、Yesだ! オレは人間をやめるぞォォォ!」

    『告。関川フタヒロの魔人化に成功しました。これにより、関川フタヒロは【魔人:関川ヤクルト】となりました。関川の関川は20%膨張、及び最大エレクトラ30度まで上昇しました。また、随時装着しているヤクルト容器は、ヤクルト1000までグレードアップしました。さらに、パブリックゲージは9999から、99999まで蓄積可能です』
  • 「もっと蓄積可能ということは、もっと壊してもいいということじゃないかーい!」

    関川二尋さんのパブリックイメージを破壊してもいいですか?

    ……YES / NO……?

    「イエスに決まってるだろ!ふはは!」

    関川は言い放った。

    関川の菊の御紋がムズムズとうずき始めた。決して治りかけの痔が痒いわけではない。己のパブリックイメージをさらに壊し、それをそこにいる、いや、世界中の人にさらけ出したい衝動が菊の御紋を疼かせたのだ。

    「ふっ。本当の変態ってなんなのか、教えてやるよ。もう俺は人間ではない! 魔人なのだからー!」
  • 「もうやめて! やめたげてっ!」
     霧野さんの悲鳴にも似た慟哭がとどろいた。
    「いったいセキカワさんが何をしたっていうの? むしろみんなお世話になってるんじゃないの? それをこんなになるまでみんなで寄ってたかって……」

     その関川は全裸の姿で膝抱えてなにやらぶつくさ言ってる。
    「……大きな星が点いたり消えたりしている。あはは、大きい! 彗星かな? いや、違う……違うな。彗星はもっと、バァーって動くもんな……」
     
    「あかん、アレは精神崩壊しかかっとるな」
    「うん。なんかゼー○ガンダムでみたことある」

     その時だった。
     ゴゴゴゴゴゴ、と地響きのようなうなりが響き渡った。
     その震源地は……関川だった。

    「ふぅ。これが魔人化か……すごくいい気分だよ……どうしてだろう? あんなに気になっていたパブリックイメージも今はちっとも気にならないんだ」
     関川がゆらりと立ち上がった。

    「これが人間を超えるってことか……おあつらえ向きにここは密室。誰も立ち入ることのできない封鎖空間」
     関川は霧野の手から鞭をそっと奪い去る。

    「つまり完璧な説教部屋が用意できているってことだな。そうだよな? キミらそれを望んでいたよな?」

     関川の言葉に何名かがガクガクブルブルと震えている。

    「そうそう。飯テロだったな、テーマはフルコース……」

     するすると鞭をほどき、床にだらりと垂らす。
     ナイショであったが、鞭さばきには自信があった。
     ポイントは手首の返し、鞭の先端を当たる寸前に翻すことで衝撃は何倍にも増していくのだ。

    「まずは前菜からだな、そうだなまずは出歯ナシ……」
    「ひぃぃ、関川ハン、マジになっちゃいけませんぜ、軽い冗談やないの」

     背中を向けて逃げ出そうとした出歯ナシの足首に鞭がくるりと巻き付き、そのまま地面に引きずり倒す。
     尻もちをついたまま逃げ出そうとするところに、容赦なく鞭が浴びせられる。

    「ひ、ひぃぃ」

    「出歯ナシ。現在のレビュー数754件。うちレビューを書いた件数3件……」
    「な、なぜそれを?」

    「私の作品は別にいい。そこは本当に気にしていない。だがもう少し書かいてやらんかっ! 一言でもいい、君の言葉を待ってる作者もいることを忘れるな!」

    「堪忍や、堪忍してくれや!」

    「これは君には無言レビューの数だけむち打ちが必要だ。754引く3はいくつだ?」
    「五回くらいでっか?」

     まだ言うか!
     容赦なく降り注ぐ鞭の雨。

     出歯ナシはもはやぐったりとして動けなかった……

    「さぁフルコースは始まったばかり。次はスープ……」
  • ひぃぃぃ!!!!
  • 🎐続きから!

     
    そこまで喋った関川ヤクルトは、身体を硬直させた!

    『パンパカパーン!』

    『告:魔人関川ヤクルトは、レベルがアップしました!関川の関川はー20%膨張、及び最大エレクトラ+20度まで上昇しました。また、随時装着しているヤクルト容器は、ヤクルト3000までグレードアップしました。さらに、パブリックゲージは99999から、999999まで蓄積可能です!』

    『告:魔人関川ヤクルトは、「乳酸菌発酵」というスペシャルな技を習得しました!その内容は、使ってみたらわかる、です!』

    「クハハハハハ!!もう、オレ様は、魔人街道を突っ走るぜー!!で、お次は、スープか!クハハハハ!!」

     魔人ヤクルトは、床にぼろギレの様に転がっている出歯ナシを邪魔だとばかりに蹴り飛ばすと、大きな声で叫んだ!

    「オレの乳酸菌をスープに注入し、発酵させる!それを飲んでもらおうか!!」

     会場に集まる正義の円卓の騎士達は、その言葉を聞くと、ガタガタと震え出した。
     あの、関川の関川から絞り出される乳酸菌を想像し、そして、その発酵とかを夢想した数名は、それだけで悶絶する。

     さあ、この魔人の暴走を止めるのは、いったい誰であろうか?
     そして、この魔人ヤクルトには、弱点があるのだろうか?

     誰か、頼む、世界を救ってくれ!
     残された時間は、あとワズカしかないのだ!!

     続く

     ◇
     魔人ヤクルト、このままだと、次々とレベルアップしていく!
     そして、このままだと、その発酵スープを誰かが飲まなければならない!
     お願い、誰か、誰か助けて~~~~~~!!
  • *感想です!

    ♬和響さん

    そんな事が!!!
    ががーーん!!!
    今の今まで、私は、騙されていたの?

    華奢なヤクルトに!

    なんてこと!
    私、彼に、乙女をささ……。

    私は、その小さな胸に、漆黒のトゲがささったのだった!

    げに恐ろしや、パブリックイメージ!
    いったい、何人の人が、その闇に葬られた事だろう!

    関川さん、その闇から、いつになったら、脱出来るのでしょうか?

    私は、ただ、ただ、それを見守るしかないんですね、しくしくシク36!

    南無~!



  • 関川は叫ぶ。よだれを垂らしながら快楽の声を上げて。

    「切れ痔でもない、疣痔でもない、行為の最中に自らの掌で広げまくって切れてしまったこの菊の御紋がぁぁぁぁ!うずくのだ!そして痒いのだ!擦り付けたいのだぁぁぁぁ!」


    「ま、まさか、そこまでとは……」


    折り紙をおりながら愛宕が答える。唯一まともだった、あの愛宕が……。

    「愛宕君だけには見せたくなかった!いいえ。違う!真面目な愛宕君だからこそ見て欲しかった!」


    関川は涙目で菊の御紋をふりふりとしているのを横目に、霧野女子がいう。

    「全部、全部、この茶番を用意した幽鬼が悪のよ。そうよ、お前さえいなければ、関川君はこんなみだらな姿をさらけ出さなかったのにー!まさか痔が治りかけで痒いなんて!!!!私たちパブリックイメージがカースト上位の関川さんに思うことなんてなかったわ!」


    「ふはは、そのカースト上位なのに蹴落とされる快感こそ!」

    「「「「へん…たい……!」」」

    「本物の変態だわ!!!!!」

    厚化粧の中から青い髭を突き破るワオーンが言った。

    「まさに」

    誰ともなく呟く。関川は今菊の御紋をそこにいるすべての人にさらけ出しながら立ち竦むのだった。
  • ♬和響様への感想!

    いやはや、変態過ぎて、過ぎたるは及ばざるがごとし、ですかな?

    でも、ムチでその御紋を叩いたら、モンが開いて、門戸開放!
    たしか、それは、「制限を撤廃し、自由な出入を許可する」という、そんな自由な政策でしたね!

    つまりは、出入り自由!
    出入り自由とは?

    ようするに?
    ようするに!
    ようするに?
    用をするのに、ナニがナニして…。
    ここまでにしておこう!

    感想にも限度がある事を知った!
    まだ、わたしは壊れてはいなかったってことが大きな収穫でした(#^.^#)


  • ナンカトテツモナクモリアガッテルウ!!!

    と思いつつ、安全地帯から双眼鏡片手にパブリックイメージの上げ下げ劇場を高みの見物する。ひっそりと前のノートに感想を書いて、私は決して近づかないでおこうと心に決めたのであった。

    倭隠山の狸
  • まてまてwww
    スープから話が進んでないじゃないか!

    関川さん的には、オードブル、スープ、ポワソン、ソルベ、ヴィアンド、デザートの6段構えでプロットを立ててるはず。

    ゾクゾクしながら「デザート回」で、お仕置きされるのを待ってるのに! この調子じゃGW終わっちゃうじゃないかw
  • わたしのせいだ。わたしが、わたしが、つい、身近な話題を盛り込んだからだ。ゴールデンウィーク中におわらないのは、わたしのせいだー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
  • そして気づいた、、、、参戦すればするほどに、自分のパブリックイメージが下がってゆくことをーーー!

    幽鬼さん!たすけて!はやく!スープに!
  • 馬鹿野郎!
    私は「デザート回」まで出ちゃダメなんだよっ。
    忍んで忍んで忍んで、そしてようやくお仕置きされるのが真のヒール。
  • くっ、、、
    では、自力でスープへと、、、、

    はうっ、家事が、育児がっ!

  • 「こうなってしまっては仕方がないわね」

    着物姿が美しい鈴月が帯にさしてあったお扇子を取り出し、サッと広げた。

    「時間巻き戻し魔法の発動を!」

    そう高らかに声を上げると、ワオーンがふざけすぎて書いた物語は巻き戻されていく。

    キュイーンキュイーンキュイーン!

    「もう全く、おいたがすぎるわ。お姉さん、いえ、お兄さんなのかしら? 髭がぷつぷつ出て来始めてるそこのワオーンとやら、二度とこんなことはしないでいただきたいわ」


    そして時間は巻き戻った。風鈴のところまで。


    ***

    そこまで喋った関川ヤクルトは、身体を硬直させた!

    『パンパカパーン!』

    『告:魔人関川ヤクルトは、レベルがアップしました!関川の関川はー20%膨張、及び最大エレクトラ+20度まで上昇しました。また、随時装着しているヤクルト容器は、ヤクルト3000までグレードアップしました。さらに、パブリックゲージは99999から、999999まで蓄積可能です!』

    『告:魔人関川ヤクルトは、「乳酸菌発酵」というスペシャルな技を習得しました!その内容は、使ってみたらわかる、です!』

    「クハハハハハ!!もう、オレ様は、魔人街道を突っ走るぜー!!で、お次は、スープか!クハハハハ!!」

     魔人ヤクルトは、床にぼろギレの様に転がっている出歯ナシを邪魔だとばかりに蹴り飛ばすと、大きな声で叫んだ!

    「オレの乳酸菌をスープに注入し、発酵させる!それを飲んでもらおうか!!」

     会場に集まる正義の円卓の騎士達は、その言葉を聞くと、ガタガタと震え出した。
     あの、関川の関川から絞り出される乳酸菌を想像し、そして、その発酵とかを夢想した数名は、それだけで悶絶する。

     さあ、この魔人の暴走を止めるのは、いったい誰であろうか?
     そして、この魔人ヤクルトには、弱点があるのだろうか?

     誰か、頼む、世界を救ってくれ!
     残された時間は、あとワズカしかないのだ!!

     続く

     ◇
     魔人ヤクルト、このままだと、次々とレベルアップしていく!
     そして、このままだと、その発酵スープを誰かが飲まなければならない!
     お願い、誰か、誰か助けて~~~~~~!!
  • 「ま、まさか、そこまでとは……」

    子供の日の兜を折り終えたボクは、ふぅっと溜息をついて、目の前にあった白濁色のスープに手を伸ばした。ひんやりとしている。時間が経ってしまったせいか、器はうっすらと汗をかいていた。

    「ビシソワーズ(じゃがいもの冷製スープ)か」

    真っ白なスープの表面に、黄金色のペーストに近い液体がナルト状にかかっている。これが関川さんのパブリック液だと、すぐにわかった。これを飲めば、ボクも関川さんに近づけるということか。血の盟約に近いイメージが脳内で広がった。

    「だけど、関川さんはミスを犯した。自分が犯人であると主張するなら、言ってはいけないことがあったよ」

    ボクは関川さんのパブリク液が入ったビシソワーズを、スプーンを使うことなく一気に飲み干した。唇の周りについた白い液体をペロリと舐めまわし、新しい紙を出して今度は母の日定番のカーネーションを折りはじめた。

    「痔はね、治らないんだよ。だから、痒くもならない」

    鋭く手入れした爪で、紙をカーネーションの花びらにように切り裂いていく。そこに無駄な動きは無かった。

    「ようするに、痔ではない関川さんは単なるパフォーマー。彼を操る者がいるというわけだ」

    花のパーツを折り終えたところで、ボクはピタッと動きを止めた。操る者、操る者、あの傀儡子は今頃何をしてるだろうか。そういえば、奴は人間を魔人化させることを楽しみとしていたよなぁ。ま、ボクには関係ないけど。

    それにしても、いつまでも座り続けているというのは辛い。真正の痔持ちには、デザートまで座ってられる自信が無いけど、あの鞭を持った女史には逆らわない方が良さそうだね。ポワソンかヴィアンド、どちらか選べるようなスタイルだったら嬉しいけど、なんて自嘲しながら次のメニューが出されるのを待った。




  • 愛宕さんのパブリックイメージがワオーンの中で爆上がりする音が聞こえた。
  • 「出歯ナシ。現在のレビュー数754件。うちレビューを書いた件数3件……」

    無言でスルー(笑)


    🍷🍷🍷

    魔人化した関川さんに鞭打ちされ、ぐったりとしていた。
    しかし、一度の昇天では物足りない。
    いや、この程度の鞭打ちでは物足りないんだ!
    やはり霧野サマの熟練のスナップの効いた愛の鞭には程遠い。

    さて、こっそり復活してフタヒロスープ(白濁乳酸液入り)をいただく。
    うむ、ヤクルト容器なのに味は悪くない。
    しかし、中を貫くような力強さが足りないな。

    よし!
    ポワゾンの食材はこれでも提供しよう。

    「チョウチンアンコウ」

    チョウチン、きっとヤクルトからY1000サイズまで大きくなってくれるはずだ。
  • うむうむ、なるほど、こんな所まで話が進み、そして、ポワソンかヴィアンド!

    さあ、幽鬼社長に始まり、愛宕さん、出歯ナシさんがさり気なく出して来たフランス料理の専門用語。

    私には、チンプンカンプン、ぷんぷんぷんでした!可愛い!!(#^.^#)

    たぶん、ここを読んでいる素人の方、いや、それは私のことだが、ちょっと調べたことをお伝えし、次のお話のネタに、これからのお料理小説のネタに使って頂けたらと思います。
    そして、我々は実は、関川氏が自らを犠牲にして提供してくださったこの番外編の話には、この様な基礎知識の養成を促すという、有難い効能があるという事に感謝を捧げ、そして氏を最後まで看取ろうと努力をしようではありませんか!

    フランス料理のフルコースには、それぞれ名前がついている。
    @オードブル・・前菜のこと。
    オードブルは前菜のことで、食欲を駆り立てる役割があるため、量よりも色彩の豊かさが重要視されています。
    胃袋を整える役割も担っていて、塩味や酸味のきいた料理が特徴です。
    @スープ
    ここからがいよいよメイン料理です。食べる」よりも「飲む」ほうが口にしやすいことから、スープがもてなされます。
    スープには、「体を温める」役目も与えられていて、クリームスープやコンソメなどの種類があります。
    中でもコンソメスープは、気が遠くなるほどの時間と手間をかけて作られるため、ワンランク上のおもてなしとして、人気を集めています。
    @ポワソン
    魚を使った料理のことで、正式なフランス料理のフルコースでは、最初のメインディッシュとしてお肉料理に入る前に魚料理がもてなされます。
    お魚とお肉の両方を味わうことで、消化を促進する効果を期待できます。
    @ソルベ
    料理と料理の間の口直しの氷菓子のことで、さっぱりとしたシャーベットがよく出されます。
    魚料理を食べた後の口の中をすっきりとさせてくれます。
    @ヴィアンド
    フランス語でお肉料理を意味する「ヴィアンド」は、フルコースの最大の見せ場です。
    お肉には、体を酸性にする役割があり、ワインに赤が勧められるのも、その理由から。付け合わせの野菜は、お肉料理の見栄えをよくするだけでなく、消化を助ける効果もあり、メイン料理には欠かせません。
    鶏や豚、羊など、お肉料理の素材はバリエーション豊富ですが、中でも牛肉を使った料理は格上に位置づけられています。
    @デセール(デザート)
    「デセール」は、フランス語で“お皿や料理を片づける”という意味があり、メインのお料理をきれいに片づけた後に、専用のカトラリーが用意されて、デザートが登場します。
    甘いものには胃から腸へと押し出す働きを促す効果があり、味だけでなく、見た目も楽しんでもらえるように工夫されています。

    はあ、デザートまで、そんな意味が込められていたなんて、そして、それに発酵乳酸菌を注ぐなんて、とてもエグイ、失礼、とても意味深い所業なのではないかと、畏れ慄いたのでした。

    以上、緊急極秘レポートを終わります!!
  • あっ、わたし、本日は、このレポート提出をいたしましたので、任を解かれ、温かく見守る側に移動します!

    みなさん、GW後半、楽しんでください!(#^.^#)
  • 「さぁフルコースは始まったばかり。次はスープ……はなんとなく終わったようだな。気を取り直して次だ、次! 魚料理、ポワソンだ! ありがとう風林ちゃん、あとでカラオケに行こうぜ!」

    「ハイ! 関川さん。ところで次の説教部屋行きは誰っすか?」
    「んなもん、和音に決まってるだろうがっ!」

     ヒュンと鞭がしなり、和音の衣服をビリビリに切り裂いた。

    「きゃあっ! これって漫画の中だけかと思ってたわっ!」
     なぜだかうれしそうに和音。
    「いや、当たる前に筋肉膨らませて破ったよね? 北斗の件みたいに」
    「バラしちゃいやん!」

    「いかんいかん! ここはコメディ部屋じゃない! 恐怖の説教部屋だ!」
     再び鞭がしなり、和音の体にまとわりついた衣服をはぎ取ってゆく。

    「……長 編を書き始めたばかりだというのにっ!……」
     うなった鞭は蛇のように和音の上半身にまとわりつき、残っていた衣服をはぎ取る。が、その下から現れたのはビキニのトップ。動揺するセキカワだったが、魔人と化したことを思い出して再び鞭をふるう。

    「……珍 妙なエッセイとコメントを書きなぐった挙句にっ!……」
     鞭は容赦なく下半身にも襲い掛かる。やはりビキニを用意していた。筋肉質な体にぴちぴちにフィットする青いビキニ。こいつ、やっぱりこうなることを期待して用意してやがった!

    「……あん なにも人気者になりやがって!……」
     キャッ、とか、イヤンの声が実に白々しい。お仕置きを期待している奴に、どうやってお仕置きしろっていうんだ! 知らんわ、そんな高等テクニック! そんな万感の思いを乗せて鞭が走る。

    「……こう してくれる! こうしてくれるわっ!……」

     そして最後の鞭を振りかぶった手がだらりと下がった。
     うん。なんかもう疲れてきた。

    「あれ? もう終わり? アタシならまだまだ大丈夫ですっ! ささっ関川さんっ! もっと激しくお仕置きを!」

    「いや、もう終わったよ。魚料理は完成した。わたしのセリフを縦読みしてごらん」

    「長…珍…あん…こう…。チョウチンアンコウ!」

     どや。
     関川は一人満足げな表情を浮かべるのであった。
  • 「はうぅ。青いビキニから滲み出てしまうぅ〜、あぁぁあ、はうんっ♡」

    和音のオーガズムは絶頂に達し、その場に淫らな姿を曝け出して朽ち果てた。まるで激しく抱かれた後のように。

    まだ、身体がびくんびくんと、震えているようだ。この快感の為に、真面目に関川君を書いているのよと、吹き出しが頭から浮き上がっている。

    どやっと関川がその姿を見下ろしていた。
  • 「つぎは、ソルベやないか」

    出っ歯が目立つ男がそう呟いた。
  • なにこれ面白すぎる…みなさんすげえ…
  •  魔人関川ヤクルトは、再び硬直した!
    『パンパカパーン!』

    『告:魔人関川ヤクルトは、レベルがアップしました!関川の関川は通常サイズー20%上昇、海面上昇+50%、及び最大エレクトラ+30度、まで上昇しました。また、随時装着しているヤクルト容器は、Y1000の110mlからヤクルトジョア120mlに、さらに、パブリックゲージは999999から、9999999まで蓄積可能です!』

    『告:魔人関川ヤクルトの「乳酸菌発酵」の発酵度は+50%アップ。酸性度は食酢の10倍、臭気濃度は1000(例えば臭気濃度10とは、清浄な(無臭の)空気で10 倍に希釈したとき初めて無臭になる臭気のこと)。しかし、アルコールが発生するため、甘味が上昇。ただ、その効能のほどは、食べてみないとわからない、です!』

     魔人関川ヤクルト、たしかに、もう人間ではない。
     しかし、彼の持ち味である乳酸菌フタヒロ株の切れ味は、更に上昇していた。
     その、ニオイと共に!
     彼の魅力は、その見かけ上の自己犠牲と、ニオイにあるのかもしれない。
     そもそも、味の決め手は、ニオイにあるのだから!

     さあ、彼の仕置きを止め、人類を救うのは誰だろうか?
     このまま、この魔人にやられてしまうのだろうか?
     次なる犠牲者は誰なのか?

     人類滅亡まで、あと、ソルベ、ヴィアンド、デセール(デザート)を残すのみとなった!!

     正義の味方は?
     白馬の王子様は?
     聖なる姫騎士は?

     どうか、お助け下さい!!
  • 「まじで?何これ?まさか、飲み過ぎたせいで、幻覚、、、?」


    飲酒の量が体調のバロメーターだと公言している霧野が、つぶやいた。

    その手にはストロングな缶チューハイがにぎられていた。
  • 「ワイは明日仕事やから、ほなばいなら!」

    出歯ナシはヤクルトのソルベを手に取り逃げ出した。
    走りながら食べる乳酸菌たっぷりのソルベは、シャリシャリの食感が爽やかだった。
    しかし、出歯ナシは爽やかさとは対称的な逃げ足の早い、卑怯者のチキン野郎だ。

    おそらく、デザートの大団円にちゃっかり帰って来ていることだろう。
  • なんじゃこりゃあああ!?
  • 本命の参戦ですね☆
  • うう。
    なんか館の別館みたいになってしまった。
  • すいませんでしたー!
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