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設定 国際協定と周辺国の思惑 現象「虚無のゆりかご」について

設定 国際協定と周辺国の思惑

現象「虚無のゆりかご」について

発生と特徴
 「虚無のゆりかご」は突発的かつ予兆なく発生する未知の災害で、空間そのものが歪み、巨大な渦として周囲に出現する。このとき発生する爆風や衝撃波は、通常の兵器、たとえば核兵器を遥かに上回る破壊力を有し、一瞬にして周囲の地形や環境を激変させる。

 例として、ハムロ渓谷で確認された事例では、数十キロメートル規模で地形が変容し、一瞬にして既存の地形が「書き換えられた」かのような変化が見られた。

虚無のゆりかごの本質
 この現象は、単なる自然災害に留まらない。「虚無のゆりかご」は、魔獣が這い出してくる巣穴と化す。つまり、この巨大な渦は魔獣の住処、もしくは孵化場のような存在で、魔獣の襲来拠点としての意味合いを持つ。

資源「魔石」の存在
 虚無のゆりかごから現れる魔獣は、いわば資源でもある「魔石」を産出する。魔石は国家にとって有力な経済的・軍事的・魔術的資源であり、そのため、虚無のゆりかごが発生した地点をめぐる権利問題は常に深刻だ。

国際的取り決めと政治的状況
不可侵条約
 虚無のゆりかごがどの国の領域に出現した場合、その国は発生地点一帯の所有権を国際的に認められる。また、他国がこれに武力介入することは不可侵条約によって厳しく禁じられている。

 たとえリーディス王国の王都近郊にこの恐るべき現象が出現したとしても、周辺諸国は直接的な干渉や介入を行わない。

パワーバランスと利害関係
 周辺諸国は、リーディス王国が直面している危機について、基本的に「要請があっても動かない」方針をとっている。理由は以下の通りである。

弱体化狙い
 リーディス軍が魔獣との消耗戦で弱体化するほど、周辺諸国にとって好都合である。

領土・資源拡大の機会
 仮にリーディス王国がこの危機に対処できず滅亡した場合、その後、他国が力関係を見計らって魔石を争奪するチャンスが生まれる。
こうした思惑から、援軍など他国からの積極的な介入は期待できない。

 「虚無のゆりかご」の出現は、単なる超自然的災害に留まらず、魔獣の新たな拠点化および資源獲得をめぐる国家間の微妙な均衡関係を生む。その発生地点の国家には領有権が与えられるものの、同時にその国は孤立無援の状況へと追い込まれる。

 周辺諸国は不可侵条約に則って直接介入せず、苦境に陥った国が消耗または滅亡するのを座視し、その後の利を狙う。よって、今回のリーディスは援助を得られず、極めて厳しい状況に立たされているのである。

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