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【魔導士物語】第十四話「地下空洞」を掲載しました

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そんなわけで、第十四話です。

エイナの〝絶対零度〟魔法は、最初から完成されていたわけではありません。
初めはドワーフの山での対魔龍戦で、偶然に出来てしまったものです。
大体、あれは相当に危険だったのです。
至近距離でそんな強力な魔法を撃ったら、術者であるエイナ自身が凍りついて死んでしまいます。
あの時は、たまたま魔龍の体内で撃ったことで、その強靭な鱗が防壁になってくれたから、運よく助かっただけなのです。

その後、アッシュの助言もあって、真面目なエイナはほぼ毎日、魔法の完成に励んでいました。
最初は効果範囲が狭くてもいいから、とにかく回数(といっても、一日に三回が限界)を多く撃って、体内に魔力回路を形成することでした。
魔力回路ができれば、呪文詠唱時間が飛躍的に短縮できます。

次の段階が効果範囲の拡大。
凍結魔法自体が、そもそも範囲魔法なので、これは放出魔力量を増やすことで可能となります。
ただ、大魔力を消費するので、一回撃つだけで魔力切れを起こしそうになります。
あと、身体の負担もかなり大きく、この魔法を撃った後、一日~二日は生理痛に似た鈍痛に苦しめられることになります。
(このせいで、エイナが不妊になるのではと作者は心配していますw)

このため、毎日だった訓練は週に一回程度となりました。
ところが、マグス大佐がエイナから魔力量の増大法を訊ねられた時、魔力切れを起こすと〝超回復〟が起こり、わずかだが魔力量が増えることを教えられました。
それ以来、エイナはお腹の痛みに耐えて訓練回数を増やすという、無茶をするようになります。

エイナは吸血鬼の血を引いているせいで、耐久力と回復力に優れていて、これに耐えられましたが、普通の人間だったら死んでしまうところです。
その結果、彼女の魔力量は飛躍的に(これもエイナの特異体質のせい)増大しています。

エイナが魔法を撃った衝撃波で大佐が尻もちをついた後、後ろから突風が吹いたという描写があります。
あれは、魔法の効果範囲内にある大気が一瞬で液状化して、その空間が真空化したため、周囲から空気が流れ込んだ……という現象です。

さて、次回はカメリア少将の脱出劇なんですが、ここで意外なことが起こるはずです(そこまで話が進むことを祈っています)。
そして、ストーリーは急展開していくことになりますので、どうかお楽しみに!

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