• 異世界ファンタジー
  • 詩・童話・その他

【魔導士物語】第十三話「決断」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093073768535967

そんなわけで、第十三話です。

マグス大佐(当時は中尉)とカメリアの出逢いが描かれています。
爆裂魔法の術式自体は、この三十年ほど前にサシャが発表しています。
もちろんエルフ王だったネクタリウスがサシャに伝えたからですが、帝国ではサシャが呪文開発者ということになっています。
ところが、そのサシャ自身もこの魔法を使うことができず、帝国魔導士でも特に優秀なものが選抜され、毎年のように高魔研で実験が行われていました。

もちろん誰一人として成功する者がなく、爆裂魔法は絵に描いた餅と化していたのですが、三十年後にミア・マグスという化け物が出現したのです。
彼女は史上初めて爆裂魔法に成功しましたが、それは命を落としかねない危険と背中合わせの実験となりました。
魔法を撃った直後に魔力切れ(魔導士にとっては非常に危険で、運が悪いと死ぬこともある)を起こし、昏倒するのはともかくとして、魔法の規模、威力、射程のいずれも不安定で、とても実戦で使えるようなレベルではありませんでした。

そのため、高魔研ではミアに地獄のような特訓を課しました。
魔法が不安定なのは、体内に魔法回路ができていないためであり、それを形成するには、ひたすら爆裂魔法を使い続けるしか手段がなかったのです。
そのため、ミアは約半年間にわたり、高魔研で爆裂魔法を撃っては魔力切れで昏倒するというサイクルを繰り返していました。
今回の話の冒頭でも少し描かれているのは、実験の翌日の午後三時ころで、ミアは三六時間も昏睡を続けていたことになります。
意識を取り戻しても酷い頭痛と全身の筋肉痛に襲われ、自分で起きて歩けるようになるには約三日を要しました。

当然、その間はトイレに行くこともできず、大小便はオムツに垂れ流しです。
このような辛い毎日を半年も続けながら、ミアは決して泣き言を洩らしませんでした。
むしろ魔力が回復すると、ろくに歩けない状態で再実験を申し出るくらいでした。

う~ん、「大魔法に歴史あり」ですね。

それと、結婚願望の強かったカメリアが結婚していたというのは驚きですねw
パン屋のご主人との馴れ初めは、長くなるので止めてきます。
カメリアは結婚式を挙げた時にはすでに妊娠していて、休職中に元気な男の子(エミール)を産んでいます。

カメリアもマグス大佐も、前線より帝都にいることが多くなっていて、大佐は頻繁にカメリアの家に遊びに行っています。
大佐は子どもが苦手……というか、嫌いな人なのですが、なぜかエミール君は大佐に懐いています。
三歳になった現在では、大佐が遊びに来ると「ミアおばちゃん!」と言って、びったりはりつき絵本を呼んでもらったりしていますw
当初困惑していた大佐も、最近はまんざらでもないらしく、誕生日その他の記念日には、高価なプレゼントを買い込んで、いそいそと訪ねていっているようです。

さて、次回はいよいよエイナの反撃です。
カメリア少将の方は、本気でエイナとやり合う気はなく、適当にあしらって逃亡する気でいるようです。
しかし、上空にはカー君&シルヴィアがいますし、何といっても王国領内なので、簡単に逃げられるとも思えません。
一体、どんな手段を用意しているのでしょうか?

そんなわけで、次回もお楽しみに!

そうそう、昨日日本将棋連盟からクラウドファンディングの返礼品が届きました!
藤井聡太名人・竜王の直筆イラスト「パナップル星人」があしらわれたパーカーです(嬉しい)。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する