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【雑談】ネトゲ戦記

昨日(2月21日)、暇空茜氏の処女作『ネトゲ戦記』が発売となった。

暇空氏と言えば、漫画やアニメを敵視するいわゆる「ツイフェミ」たちに反発し、その旗頭の一人、仁藤夢乃氏が代表を務める団体Colaboの〝公金チューチュー〟問題を暴いた人だ。

東京都から多額の補助金を受けていた、同団体への住民監査請求を起こし、再調査の勧告(舛添元知事以来6年ぶり)を実現させ、さらに住民訴訟を起こして今なお裁判で係争中という、一般市民(笑)である。

発売前から話題にはなっていたが、本書を大々的にプッシュしようとしたアニメイトに対し、「販売中止にしなければ、アニメイト各店舗で京アニ事件を起こす。中止の発表は16日にしろ。脅迫があったという理由は明かすな」という、やけに注文の多い脅迫が大量に寄せられた。

発売日の2月21日やその前日ではない、16日を指定して中止発表を求めることに、誰もが首を捻ったが、期限が切迫する上に広域に跨る脅迫に、警察も「いったんは従ってください」と言わざるを得ない、巧妙卑劣なものだった。

脅迫されたアニメイトは、従業員と顧客の安全を考慮し、要求に従って同日午後3時に販売中止を「理由を明かすことなく」発表した。
暇空茜氏が脅迫の事実を、アニメイトと出版元のKADOKAWAから口止めされたにも関わらず、自らの責任で暴露したのは、この発表のわずか十数分前であった。

ところが、中止発表された16日夜に、TBSが地上波で「【独自】一般社団法人『Colabo』の名誉を毀損か 自称ユーチューバーの41歳男性を書類送検」と報じ、複数のテレビ局や新聞もこれを後追いした。

暇空氏はチャンネル登録者20万人を超す人気ユーチューバー(インフルエンサーと言ってもよい)であるのに、各社とも「自称ユーチューバー」と呼んでいるのが噴飯ものだ。

報道された送検は、3年前の出来事を、Colaboが昨年末になって刑事告訴したもので(すでに民事では係争中)、告訴を受理した以上、書類送検は警察の義務である。

書類送検されても、検察が起訴するのは三割程度で、暇空茜氏は逮捕も拘束もされていない。しかも警察は送検に当たって「相当処分」という、起訴の可能性が極めて低い意見までつけている。

ところがTBSはこうした背景を一切報じることなく、Colaboの主張に添った報道に終始した。
身柄を拘束されたならまだしも、普通ならとても報道されるような内容ではない(というか、事件ですらない)。

これとは対照的に、TBSを含めたどのテレビも新聞も、大手書店チェーンやAmazonではなく、アニメ・マンガ系のアニメイトにだけ、京アニ事件を持ち出して脅迫し、販売を中止させるという言論封殺の大事件を、何故かまったく報じていない。

ネット上では、「週刊金曜日」という左派系ニュースサイトが、この一週間前にColaboの主張や活動を紹介し、暇空氏を批判する提灯記事を掲載していたが、何故か同じ16日に、この記事タイトルがYahooニュースに流れるという露骨なことまで起きている。

もし暇空茜氏が独断で暴露していなければ、世間は「暇空は逮捕されるような犯罪者だから、アニメイトは販売を中止した」と思うだろう(毎日新聞は逮捕拘束のイメージを植え付けるため、記事にわざわざパトカーの写真を掲載している)。

ここまで書けば、誰が一切のシナリオを書いたか、その陰に「権力」が関わっていることも、およそ想像できるというものだ。

     *      *     *

『ネトゲ戦記』の内容は、暇空氏が超有名な「ネトゲ廃人」だった時代から、社長とともに会社を興して大ヒットゲームを生み出し、その直後に社長の裏切りに遭って無一文で追い出され、7年にわたる法廷闘争(最高裁までいく)の結果、約6億円を手にするまでの半生記である(Colabo問題は一切出てこない)。

元々前人気が高かったが、この脅迫と不可解な報道騒動で、紙媒体はあっと言う間にに品切れ(すでに重版が決定している)になったので、電子書籍で購入し、当日の内に読み切った。

凄まじい内容と展開に、頁をめくる手(マウス)が止められず、一気に読破してしまった。

これは面白過ぎる! 騒動とは関係なく、ぐいぐいと引き込まれてしまう。
決して上手い文章だとは思わないが、わずかな瑕疵など吹き飛ばす迫力がある。

そして、こんな理不尽なことが現実に起こるのだという驚きとともに、今またそれ以上の理不尽(早くもネット上では「大攻勢」と呼ばれている)が、現在進行中で起きていることに背筋が寒くなった。

今年読んだ本で一番面白く、読んでいて脳が痺れるほど興奮した一冊だった。

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