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【魔導士物語】第四話「ノート」を掲載しました

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そんなわけで、第四話です。

オルガは小さいころの友達で、よい子です。
エイナよりは少し背が高く、小太り(ぽっちゃり)で垂れ目のタヌキ顔で、美人ではありませんが愛嬌があります(まんま作者の好みw)。

性格のよい彼女ですが、未婚のエイナに対して自然に(悪意はない)マウントを取ってくるところが、いかにも女性らしくて面白いです。

農具小屋は、いわゆる「丸太小屋」で、壁も床も張られていません。窓もないので、扉を閉めると真っ暗になります。

文中でも説明されていますが、王国の出版物は大半が木版印刷です。
帝国やケルトニアでは鉛活字の活版印刷が始まっていますので、十年もすれば王国もそういう時代になるでしょう。

紙は和紙に近い手漉きなので、結構な値段がしますから、古紙は回収されて再生利用されています。
したがって書物は基本的に高いです。
それでも、羊皮紙に手書きという以前に比べると、数分の一にまで値段が下がりました。

エイナの両親が遺した本は、町に持っていって売れば結構なお金になったと思います。
しかし文字の読めないヨナーシュ夫妻は、本を買ったことがないので、その価値をよく知りません。
そうでなければ焚きつけにはできないでしょう。

エイナは父のノートを開くとき、少しドキドキしました。
それはネクタリウスの手記のことを思い出したからで、「もしかして父と母の夫婦生活が赤裸々に書かれていたら、どうしよう?」と心配になったからですw
よかったね、エイナちゃん。

父の手記に〝ベラスケス〟という名が出てきますが、これは帝国南部を縄張りとする吸血鬼(真祖)です。
オルロック伯のように、人間世界にとけ込んで繁栄を享受している新世代と違い、彼は古い世代の吸血鬼で、昔ながらに人間を襲い、それを隠そうとしません。

そのため、他の地域では、吸血鬼の存在が半ばお伽噺と化しているの対し、帝国南部では現実の脅威として捉えられています。
当然、吸血鬼に対抗する狩人(ハンター)に対する需要があり、リーナはその中でも腕利きとして知られていました。
リーナはバンピール(吸血鬼と人間のハーフ)だったので、強いのは当たり前なのですが、最強クラスの魔導士であるニコル(エリク)と組むことで、難敵である第二世代吸血鬼(真祖が直接血を与えた直接の眷属)をも次々と斃していきました。

ベラスケスは貴重な部下を多数失い、急速に勢力を失っていきました。
彼の怒りは凄まじく、リーナとニコルのコンビを執拗に追っています。
両者の血みどろの戦いは数年続いたのですが、リーナの妊娠で事情が変わり、二人は出産と子育のために国を捨て、帝国東部から王国へと密入国しました。

そんなわけで、エイナはある程度の収穫を得ることができました。
彼女は休暇を打ち切り、王都に戻るのですが、そこで驚くべき任務を命じられることになります。
どうか次回をお楽しみに!

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