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【魔導士物語】第六十話「約束」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818023212902150998

そんなわけで、第六十話です。

今回、エイナはボケまくっていますが、彼女は「男女が肉体関係を持つ」→「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」と信じていたので、多めに見てやってください。
シルヴィアの方は正しい知識を持っているようですね。

シルヴィアは六歳から魔導院の寄宿舎に入っていましたから、彼女の方が純粋培養されていそうな気がしますが、寄宿舎には長年の伝統というものがあり、少女たちは低学年のうちに先輩のお姉さまたちから、性に関する知識を伝授されます。
いくぶん興味本位ではありますが、これが性教育(魔導院ではそんなことは教えない)の代わりをしています。
生理に関する指導も行われますから、なかなか有効なシステムですね。

一方のエイナは、十一歳の半ばで寄宿舎に入りました。魔法科は新設なので、まだ先輩・後輩間での教育システムが確立していませんでした。
同室のシルヴィアも、外の世界から来たエイナが、当然そうした知識を持っているものと思っていたので、エイナの真面目さもあって、あまりそうした話題は上がらなかったようです。
エイナは七歳で両親を亡くしてから、親戚に引き取られて働かされていたので、そうした方面には疎いままでした。

サシャが異例の長寿(現在、百二十歳を超えてなお元気)の原因も明かされました。
まぁ、アレ(阪神優勝ではない)は生命力の塊りとも言えるので、一応の理屈は立っていますねw
通常の性交渉では、アッシュが言ったように、特に人間側に影響はありません。
やはり口から摂取して、体内に吸収する必要があったのでしょう。

サシャは六日の間に、複数回呑み込んでいたようです。
エルフは性的なことには消極的、かつ保守的なので、通常の性交渉ではこのような行為がなかったのだろうと思われます。
では、なぜ人間側にだけ、この長寿化現象が伝わっていたかということになります。

恐らく、歴代の王が人間世界を旅していた時に、旅先でたまたま繁殖期に当たってしまい、プロの女性を相手にしたことがあったのだと思います。
そうした女性たちは男性を悦ばせるためにそうした行為を行い、うっかり(かどうか知りませんが)吞み込んでしまったのでしょう。
老化の遅延や長寿化は、かなり後にならないと分からないので、一時的に滞在しただけのエルフはそれに気づかず、記録が残らなかったと思われます。

前にも話したと思いますが、このアデル(ネクタリウス)とサシャのエピソードは、『幻獣召喚士2』の「悠久の魔導王」を書いている時に考えたものです。
当初は次の章(番外編)で書くつもりでしたが、マグス大佐の話の方がやりたくて、お蔵入りにしてしまいました。
これで投げっぱなしになっていた「なぜネクタリウスは帝国に亡命したのか」「なぜサシャは長寿なのか」の謎が回収されて、作者としては肩の荷が下りたような気持ちです。

さて、やたらと長かった「魔法王の森」も終わりが見えてきました。次回をお楽しみに!

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