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【あけおめ】第四十九話「祖父母」を掲載しました【ことよろ】

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明けましておめでとうございます……ってわけで、第四十九話です。

エルフの寿命は、はっきりとは分かっていませんが、三千~五千歳くらいではないかと言われています。
一応、千歳で成人ですが、まだまだ若造で、ちゃんとした大人と見做されるのは、二千歳を超してからですね。

彼らは長寿なだけあって、基本的にはヒマですw
知性のない動物であれば、淡々と日々の生を過ごしていればいいのですが、エルフはなまじ知性的な種族であるだけに、時間を持て余す傾向にあります。
同時に、極めて保守的な種族なので、森の外に出ることは稀なのですが(禁止されているわけではない)、十分に好奇心は持ち合わせています。

森にドワーフ以外の他種族が訪れるのは珍しく、特に人間は自分たちと容姿が似ていますので、強い関心を抱いています。
エルフの名前には、それぞれに意味があって、子どもが生まれると一族の長、もしくは両親の祖父母、曾祖父母が名付け親となることが多いようです。
それだけに、名付け親は尊敬される存在なのですが、人間に名前を付けてもらえるということは、その人間と特別親しい関係にあることの証明となります。
つまり、人間風の名前を与えられることは、外の世界=人間と特別の関わりを持っているエルフだということになり、周囲から羨ましく思われる……ということらしいです。
まぁ、単に耳慣れない人間風の名前を、面白がっているという側面もあるのですが。

ユニは女王に〝アッシュ〟と名付けていますが、これはアッシュの本名が〝龍の灰(不死鳥のような再生を意味する)〟であることに由来しています。
アッシュの母親の〝ウィロー〟は、柳を意味しますので、細く、若々しく、しなやかであるという彼女のイメージに由来する名付けです。
このように、ユニの名付けには一定の根拠があるので、エルフたちは気に入ってくれています。

それに比べると、エイナがエルフの少年に付けた〝ユリアン〟の由来は、説明不可のくだらないものなので、今回のラストで、彼女は自業自得の窮地に陥ってしまいますw

新しい年を迎えましたが、今年も相変わらずのんびりと話を進めていくつもりです。
故・栗本薫氏がグイン・サーガ初期のあとがきで「自分はコナン・シリーズ(名探偵じゃないよ)が好きで、いつまでも終わらない物語が読みたかった。誰も書いてくれないなら、自分が書いてやろうと思って、この物語を始めた」というような趣旨のことをおっしゃっていました。
『幻獣召喚士』で始まった一連のシリーズも、そんな終わらない(不可能ですが)物語を書きたくて頑張っています。
どうか、今年もお付き合いの程、よろしくお願いします。

それでは、次回をどうぞお楽しみに!

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