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【魔導士物語】第四十七話「帰還」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330668976147242

そんなわけで、第四十七話です。

本文でも説明していますが、エルフには印刷という概念がありません。
書物は手書きが当たり前で、それを自家製本します。
紙は植物の繊維を原料としており、和紙と同じような製法です。
エルフは紙を漉く際に、染料を混ぜて色を付けたり、押し花を入れたりして、自分好みに仕上げます。

製本は背に当たる部分を膠(にかわ)で固め、布を貼ります。
これに硬い板のような紙で背と表紙をつけ、さらに布や革を貼って装丁します。
エルフはこの作業が大好きで、表紙の装飾(カービング=彫刻を施したり、金箔をふんだんに使用する)には費用と技術を惜しみません。

もちろん、キリで穴を空けて糸でかがる和綴じ製本もよく作られますが、エルフは性格的に凝り性なので、上記のような上製本を好むようです。

こうした本は頻繁に貸し借りされ、気に入った物は自分で書写するのが普通です。
ですから、人気のある著者の本は、結構な部数が作られて普及することになります。
エルフは几帳面なので、あまり書き写しの際に誤りは発生しないようです。

エルフは普通に狩りをしますし、決して菜食主義者でもありません。
ただ、傾向としては肉をあまり好まず、動物の皮や毛の利用も得意ではありません(できないのではなく、その作業を嫌がるだけ)。
そのため、西の森のエルフは都合よく隣国に暮らしているドワーフにその辺を任せ、革や膠(動物性の接着剤)は彼らから購入しています。

さて、話は急展開していますが、エイナはエルフ王の秘密に近づけるのでしょうか?
どうかお楽しみに!

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