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【魔導士物語】第三十五話「魔法具」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330667166687177

そんなわけで、第三十五話です。

今回は、ほとんど会話劇ですね。

ドワーフは飲酒行為をネガティブに捉えていないので、仕事中であろうが、会議中であろうが、当たり前に酒を飲みます。
彼らでも、飲み過ぎれば酔っぱらいますが、強い酒を数本空けたくらいでは、まったくアルコールの影響を受けません(これも「ノームの祝福」の影響で、アルコールの分解に魔力が消費されています)。
したがって、度数の低いビール(エール)は、完全に水のような扱いとなっていて、幼い子供にも平気で飲ませています。

種族的な魔力量で言えば、エルフ >>>>> ドワーフ >>> 人間という感じでしょうか。
エルフは別格として、ドワーフもかなりの魔力を持っています。
それなのに、なぜドワーフは魔法があまり使えないのか……その辺の説明がなされます。
エイナはドワーフの魔法使用に制限をかけている「ノームの祝福」に対し、
「それでは祝福と言えないのでは……」
と疑問を呈していますが、「……」の後に、「むしろ〇〇じゃありませんか」と言いかけていました。
その言葉はあまりに失礼なので、彼女は言葉を呑み込んだわけですが、そのあたりから、何となく試し斬りに使用したブロードソードに起こった事態を、理解し始めています。

前回も説明しましたが、戦士団が着用している魔法防具は、魔龍の吐く火炎攻撃をほぼ完璧に防ぎます。
その代わり弱点もあるわけで、戦士団長が効果の高い氷結の戦斧を二度使っただけで、雷槍に替えた理由もその辺にあります。

ドワーフは日常的に、人間の使う標準言語を使用していますが、ドワーフ語もちゃんと喋れますし、ドワーフ文字も存在しています。
この文字も、元はと言えばエルフが教えたもので、エルフ文字を思い切り簡略化したものです。
人間の魔導士や召喚士が使う、神聖文字と成り立ちが同じで、実際よく似ています。

エイナはグリンとの会話をとおして、魔法武器に刻まれた呪文が、祝福であると同時に〇〇であることを確信し、最後にはそれをはっきりと口にしました。
人間の魔法もエルフが伝えたものですが、発達の過程でいろいろと分化したことが、その発想の元になっているのだと思います。

さて、次回は魔龍を倒すためのヒントを掴んだエイナが、ある提案をすることになります。
一体、その方法とは何か? どうかお楽しみに!

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