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【魔導士物語】第三十二話「めまい」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330666702974831

そんなわけで、第三十二話です。今回は遅れませんでしたねw

シルヴィアとユニが試技に使った武器=ブロードソードと呼ばれる両刃でやや幅の細い剣です。
二人とも見た目より〝軽い〟ことに驚いていますが、これは剣の材質が違うからです。
人間が鋼を使用するのに対し、ドワーフは軽量で柔軟かつ強靭な金属素材を使用しています。
ミスリルほどではありませんが、チタン合金みたいなイメージですね。

ズリンはこの剣の値段を、金貨千五百枚だと言っています。これは現代日本で換算すると、およそ三億円になります。
ただ、このくらい強力な武器が人間の手にわたると、軍事バランスを崩す恐れがあるので、ドワーフ市に出品される魔法武器は、もっと威力を弱めたものです。
それでも十分に強力な武器なのですが、それが戦場で使用された噂は、ほとんど耳にすることがありません。
ズリンが金貨三百~五百枚(六千万~一億円)と言っているとおり、購入できるのは王族や大富豪に限られます。
そんな人たちが危険な戦場に出るはずがなく、ドワーフの魔法武器はコレクションアイテムとなっているのでしょう。

生々しくなるのであまり描かれませんが、この世界でも女性に生理はつきものです。
エイナは周期的にくる方で、あまり重くはありません。ただ、始まる前後はお腹が痛くなり、気分もすぐれなくなります。
当然、ナプキンとかタンポンなんてものは存在していません。貧しい人々はそもそも下着をつけていなかったので、何もしない(要するに垂れ流し)のが普通です。
中流階級以上の女性は、海綿や真綿、よく揉んだ紙などを利用していました。

ユニが呑んでいた焼酎は、おそらくドワーフ市が開かれるテバイ村産です。
ドワーフは太陽石を利用して地中で農業を行い、穀物や肉、乳製品を自給しています。
当然、焼酎も自分たちで蒸留しているのですが、需要をまかないきれていません。
ドワーフが呑み過ぎるということもありますが、地中では広大な耕作地が拓けず、生産量が限られているためです。

足りない分は人間から購入しています。当然外貨が必要となりますから、ドワーフ市で武器・防具・生活用金物を売って、これに充てています。
ケルトニア酒は、最近ドワーフたちの間でも人気なのですが、高価格と品薄のせいで手に入りにくく、大変な贅沢品となっています(彼らが味わえるのは結婚式の時だけ)。
それに比べて、テバイ村で生産される焼酎は、比較的安価(ドワーフ産よりは高い)で手に入りやすい上に味もよく、上物として重宝されています。
ズリンは工房長という幹部クラスの人物なので、彼の家で呑まれているのは、まず間違いなくテバイ村産でしょう。

さて、次回は噂の魔龍が登場です。実際にはどんな怪物なのでしょうか? どうかお楽しみに!

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