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【魔導士物語】第二十七話「小さな願い」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330665915608089

そんなわけで、第二十七話です。

セレキアにおけるサブクエスト「ドワーフ土産を手に入れろ」は、これでお終いです。

前回も説明しましたが、ここで言う「アカシア」は「ニセアカシア」のことで、別命ハリエンジュとも言います。
学問的には、マメ科ハリエンジュ属で、藤の花のような白い花の房をつけます。
日本で産出される蜂蜜の大半は、このニセアカシアのものだと言われています。

一方の「アカシア」は別命「ミモザ」で黄色く毬状の花をつけます。
同じくマメ科アカシア属なので、ニセアカシアとは遠い親戚みたいなものでしょうか。

それと、カー君が新たな能力(幻影投射能力)を発揮しますが、分かりやすく「映像」という言葉を使用しています。
この時代では映画やテレビといったものは生まれておらず、写真すら存在しません。
したがって、「映像」という単語や概念が存在しないのですが、そこは見逃してください。

ちなみに、新聞には写真ではなくイラストが多用されており、特に日曜版ではカラーの美しい絵が載って、人気を博しています。
庶民は気に入った新聞絵を切り抜き、額に入れて楽しんでいます。特に少女の部屋を飾るアイテムとして、必須のものとなっています。
絵入り新聞を購読できるのは、中流階級以上ですから、一種のステータスシンボルなのですね。
庶民に対しては、人を集めて新聞を読み聞かせ(識字率が低いので、字が読める者に読んでもらう)する職業が普通に存在しています。

サブクエストを完結させるため、今回は少しだけ長くなりました。
そのため、事件解決後の店主とのやりとりは、かなり端折っています。

この後、帰宅したクレイマン卿は、半年間眠り続けた娘が目を覚ましたことに驚愕し、狂喜しました。
彼はさっそくクレイマー商会に執事を派遣し、店主のヨーゼフを招きました。
もちろん卿は、最大の功労者であるエイナとシルヴィア、それにカー君も招くつもりでした。
ただ、あらかじめ二人は店主に謝辞を受け取る意思がないことを伝えており、どの宿に泊っているかも明かしませんでしたから、クレイマン卿と奥方は大変残念がりました。

後の話になりますが、エイナたちがエルフとの面会を済ませた帰り道、再びセレキアに立ち寄ることになります。
この時にはクレイマン卿の意を受けた衛兵によって、一行は城門で拘束されて無理やりクレイマン邸に連行されてしまいます。
卿はどうしても直接に礼を言いたかったのですね。

クレイマン卿というセレキアの有力者と結びつきを持ったことで、エイナとシルヴィアは別の冒険において命拾いをすることになるのですが、それはまた別の話です。

さてさて、次回はセレキアを出発して、ドワーフが住む脊梁山脈へと向かいます。
どうかお楽しみに!

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