• 異世界ファンタジー
  • 詩・童話・その他

【魔導士物語】第二十六話「棘(とげ)」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330665762976243

そんなわけで、第二十六話です。

今回も謎解きに苦労するシルヴィアたちのお話です。
でもまぁ、カー君の助けもあって、徐々に正解に近づいてはいるようですね。

イルマの人形は、いわゆるビスクドールです。
頭部が磁器で出来ていて、身体の方はいろいろな素材が使われています。
ここでにでてくる人形は、型に水で柔らかくしたほぐし紙を押しつけて乾かしたもので、ボール紙製のような厚い外殻を作って、中にはおが屑をぎっしり詰めています。
その上から仔山羊の皮を張っているという、なかなか手の込んだ品ですね。

肩・肘・手首・腰・膝などには球体関節が用いられており、かなり自由なポーズが取れます。
肌着やドレスは専門の職人が制作しており、その時々の最新のファッションが取り入れられています。流行の服を着たマネキンのような役割も果たしているというわけです。
白磁の頭部には人毛のウィッグ(かつら)が被せられ、目はガラス玉がはめ込まれています。
横たえると目蓋が閉じるという仕掛けも備えています。


また、本文中にアカシアが出てきますが、これは正確には「ニセアカシア」です。
棘のあり、恐ろしく逞しく、荒地でも育ち、生長が早く、大きな木になります。

子どものころ、三年ほど大きな鉱山の近くに住んでいたことがありました。
そこでは鉱山の煙害で、山々の木が広範囲に枯れてしまい、緑を復活させるためにニセアカシアを植えていました。

五月の末になると、一斉に花が咲き、街中が甘い香りに包まれたものでした。
もちろん、アカシアの蜂蜜も名産となっています。美味しいんですよね~。
ちなみにアカシラの語源はギリシャ語で「棘」という意味だそうですね。

さてさて、次回でこのサブクエストは完結するはずです。
どんな解決となるのか、どうかお楽しみに!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する