https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093078705604228そんなわけで、第四話です。
思いがけずにアスカ邸の話が長引いてしまいました。
セシルは面白い子なので、この先どこかで活躍してくれると思います。
アスカが赤城市で、真祖である吸血鬼ナイラと戦ったことに関しては、軍の機密事項に指定され、事情を知る第三軍にも緘口令が敷かれています。
ただ、その詳細はさて置き、噂はもう国中に拡がっていました。
エイナもその噂は知っていましたが、アスカが戦ったのは、吸血鬼と言っても下級眷属(第三世代)だろうと思っていました。
アスカの宝剣の性能についても軍機に指定されていて、「魔法を斬る」という無茶苦茶ができることも、エイナは知りません。
第四軍でこれらのことを知っているのは、蒼龍帝のシド以外では、副官のプリシラだけです。
さて、やっとのことで、エイナの第四軍デビューまで漕ぎつけました。
エイナが所属する第三中隊の将校たちは、なかなか気さくな人物揃いで、人見知りをするエイナも、なんとかやっていけそうな雰囲気ですね。
ただ、同僚の小隊長たちは、二十歳~二十三歳とまだ若く(少尉なので当然)、エイナを騙して手を握れたことできゃっきゃと喜んでいます(「今日は手を洗わん!」とか言ってそう)。
部下たちは全員十八歳で、軍による促成訓練を終えたばかりの素人です。
そんなわけで、エイナの小隊長デビューは前途多難な感じです。
次回はいよいよ日常勤務の開始です。どうかお楽しみに!