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【魔導士物語】第二十三話「見本品」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330665282917887

そんなわけで、第二十三話です。

今回もお酒探しです。

ケルトニア酒は重要な輸出品なので、国によって厳格に原料・製法・熟成年数が定められています。
製造後は樽に入れて保管されるのですが、最低四年は熟成させないと「ケルトニア酒」を名乗ることが許されません。
たいてい同じ銘柄でも、熟成年数に種類があります。
四年熟成の若い酒は「ノンエイジ」と呼ばれ、ラベルに熟成年数は記載されません。
セレキアでの相場は、大体銅貨二枚(一六〇〇円)前後と安く、大量に流通しています。
これがリスト王国だと、値段が倍に跳ね上がりますが、それでも北海貿易が始まって値下がりした価格です。

熟成年数が八年以上になるとラベルに数字が表記され、十二年、十八年、三十年と長期になるにしたがって値段も上がり、流通量も減少して貴重なものとなります。
(セレキア価格で)十二年なら五〇〇〇~六〇〇〇円、十八年は一万~二万円、三十年ものになると一本で二十万円(金貨一枚)以上します。

レテイシアから託されたエルフへの贈答品は三十年もので、ユニがドワーフへ手土産にしようとしているのは、現在エイナたちが探し回っている十八年もの六本です。
ユニのナガサを造ってくれたドワーフへ二本、その他は族長と幹部(有力ギルドの親方)へ贈るつもりです。

酒探しは難航しますが、シルヴィアが思わず叫んだひと言がヒントとなり、エイナが悪知恵を発揮して希望が見出だします。
ここにきて、やっと冒険の匂いがしてきました。次回をお楽しみに!

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