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【魔導士物語】第十一話「出発」を掲載しました

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そんなわけで、第十一話です。

エイナとシルヴィアは更衣室で軍服に着替えていますが、王都の参謀本部や近衛軍では、私服で通勤する慣習となっています。
軍服を個人が家に持ち帰ると、盗まれて(あるいは横流しされて)敵の工作員に悪用される恐れがあるからです。
これは女王がいる王都に限られた措置で、地方軍にはこうした規則はありません。

二人が着替えた後、真っ直ぐ総務課へ向かわず、まず士官室に顔を出したのは理由があります。
新人の彼女たちには決まった担当がないため、先輩である参謀たちの雑用を務めており、朝一でその「御用聞き」をすることになっていました。
この日はそれができないため、それを断りに言ったのでした。

総務課の応接室は、部外者向けのものなのでかなり豪華な内装となっています。
エイナたちは、総務課→部長室→応接室と進みましたが、これは内部の人間用の勝手口みたいなものです。
応接室には廊下から入る扉がちゃんとあって、お客様はそちらから出入りします。
マリウスの執務室も同じで、外部からの客は廊下から直接中へ入り、内部の人間は秘書室を経由することになっています。

エルフは意外にも酒好きで(しかも強い)、日常的には自家製の果実酒や、それをもとに作った蒸留酒(葡萄酒から作るブランデーみたいなもの)を飲んでいます。
現在の女王であるアッシュは、森の外の世界を知ってて、その時に味わったケルトニア酒を気に入っています。
ただ、西の森でそれを手に入れるのは大変で、人間の町に買いに行かなくてはならず、人との接触を嫌うエルフにはハードルが高いのです。

さて、西の森を目指して出発したユニたちですが、まずは王国内を南下して赤城市を経由することになります。
また懐かしい人たちが出てきますので、どうかお楽しみに。

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