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【魔導士物語】第四話「抗命」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330662234447184

そんなわけで、第四話です。

帝国軍の編成の最小単位が小隊です。
一小隊の定員は十五名ですが、兵員補充の都合により最低で十二名いれば成立することになっています。
指揮を執るのは少尉、もしくは准尉という士官が基本で、兵員には必ず下士官(伍長・軍曹・曹長)が一名以上含まれます。
下士官は叩き上げのベテランで、たいていの場合小隊長よりも経験豊富です。一般兵を統率し、若い小隊長に適切な助言を与える役目を担っており、実質的に小隊を掌握する重要な役目を負っています。
そのため、士官が不足している部隊では、下士官が小隊長を務めることも許されています。

中隊は、三つの小隊(四十五名)で構成され、中隊長と三人の中隊付け兵士を加えた四十九名が定員となります。
中隊付け兵士は、中隊長の直衛と各小隊への伝令の役割を負っています。

ミュラー隊もニコル隊も、定員どおりの中隊構成なのですが、これは帝国軍では珍しいのです。
軍の主力が展開している西部戦線(対ケルトニア)では、慢性的な兵員不足のため、小隊は最低の十二人編成がほとんで、中隊は四十人というのが常識です。

ニコルたちが定員どおりの編成であるのは、彼らが比較的平和な北部戦線に配置されているからに他なりません。
ちなみに、大隊は三中隊で構成され、大隊付魔導士も配属された百四十名が定員です。
西部戦線では基本となる小隊の人数が少ないので、これが百二十五名となりますが、半数以上には大隊付魔導士が配属されていません。
それだけ魔導士不足は深刻なのです。

マリコフ村は帝国本土(東部地区は辺境と見做されている)の東北部の端から突き出した位置に存在します。
コルドラ大山脈の麓にあたり、ここから六十キロほど北に黒死山があります。
ということは、このあたりのアフマド族は、前章で出てきた七部族のひとつということになるのですが……・

さて、ニコルのお話は次回で終わる予定です(終わらない予感がひしひしとw)。
ニコルはみごと吸血鬼を殲滅できるのでしょうか?
そして、黒づくめの女の行方は?
どうか次回をお楽しみに。

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