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【第三章完結】第四十話「事情聴取」を掲載しました【魔導士物語】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330661568879881

そんなわけで、切りのいい第四十話をもちまして、第三章「黒死山の館」の完結です。

ウエマクが姿を隠していたのは、タケミカヅチの隠形術と同じ、認識阻害です。
エイナたちが「ここはどこ?」と騒いでいるのを、黙って覗きながらにやにやしていました。
エイナたち人間には効いていますが、吸血鬼である伯爵や、タケミカヅチ、そしてカー君も、こうした術や魔法に対して強い抵抗力を持っているので、ウエマクの存在を最初から気づいていました。

それを黙っていたのは、大した害もないのでウエマクが何をするつもりなのか、興味があったのでしょう。
ウエマクは闇から生まれたわけではありませんが、性質は闇属性で、もともとが地の底で暮らしていました。
そのため、幻獣界では同じ闇属性でも知性の高い存在(吸血鬼や悪魔族)と、一定の交流を持っています。

カー君は闇を忌避する精霊族なので、伯爵と同様にウエマクを本能的に嫌っています。
タケミカヅチの属する東方の神々は、地中に棲む者を穢れと認識しているので、やはり嫌悪しています。
もっとも、ウエマクはケツアルカトルという異邦の神なので、幻獣界における立場としてはタケちゃんと同格です。

伯爵の申し出た契約は、レテイシア女王、マリウス、シドの三者による検討の結果、一応は拒絶するということになりました。
この議論の中で、意外にも強硬な反対に回ったのがシドでした。
彼は冷徹な実利主義で知られていたので、契約に賛成すると見られていましたが、そこにはプリシラの影響があったのだと思われます。

三人の中で、賛成に回ったのがレテイシア女王で、元首としての立場からするときれいごとを言っておられず、これは当然かもしれません。
マリウスは中立でしたが、意見が割れた結果、最終的に否決に回りました。
吸血鬼と契約したと知れたら、ユニが激怒して口をきいてくれなくなることを恐れたのでしょうw

さて、次回からは第四章が始まります。
今回の冒険で、エイナはある野望を胸に抱き、その実現のために新たな冒険に旅立ちます。
それと同時に、長らく引っ張てきたエイナの秘密も、ついに明らかになります。
そして、ある人物との別れの時が……。

というわけで、次回をお楽しみに!

ちなみに、第四章のタイトルは、今のところ「魔法王の森」となっています(土壇場で変わるかもw)。
多分、第四章はかなり長くなりそうです。

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