https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330660481766760 そんなわけで、第三十三話です。
防御障壁魔法には三つの種類があります。
対物理防御、対魔法防御、そしてもひとつが絶対防御です。
物理防御は外からの物理的な干渉に反発する障壁です。
魔法防御は、術式を展開したエリア内での魔法反応を消失させます。
絶対防御はこの二つを兼ね備えた、ほぼ無敵の防御障壁なのですが、あまりに高度で魔力消費量が大きいため、魔法大国の帝国でもほとんど使える人間がいません。
マリウスはこの絶対防御を扱える数少ない人物ですが、あまりに消耗が激しいため、よほどのことがないと使いません。
ちなみにマグス大佐は攻撃魔法に特化している人なので、防御系は一切使えませんw
物理防御は便利な魔法ですが、この設定はなかなかやっかいです。
外界からの物理干渉を拒絶するのであれば、地面や建物から浮き上がってしまい、移動も不可能になるのではないか?
空気も突き詰めれば物質なので、中にいる人間は時間が経てば窒息するのではないか?
――となってしまいます。
なので、この魔法は一定の運動エネルギーを持った物質にのみ反発する魔法……と定義されています。
運動エネルギーが微弱な空気は通過できる(でも竜巻や突風などは防いでくれる)。
動かない地形や建物には干渉しないので、普通に歩けるし、建物の中にも入れる。
かなりご都合主義ですが、そういうものだということにしないと、話が成立しません。
エッカルトは風魔法を得意とする(雷撃や炎系も使えます)魔導士ですが、大変珍しい存在です。
帝国の攻撃型魔導士は、大半(六割)が炎系の魔法を使います。
残りを水系と雷撃系が分け合うといった感じです。
これは風系の攻撃魔法の扱いが難しいためですが、補助魔法としては一定の需要があります。
船の帆に風を当てることができるため、舟運の現場では貴重な人材として歓迎されるのです。
さて、大佐との戦闘が始まりました。
まだまだ序の口で、大佐自身は何もしていません。
次回は派手になりそうな予感……w お楽しみに!