https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330658815427429 そんなわけで、第二十二話です。
前回に引き続き、エイナと吸血鬼の会話を通しての状況説明です。
吸血鬼(今回で名前が明らかに)によると、エイナの血は吸血鬼にとって好ましいものではないようです。
一体どういうことなのかは、ちゃんと説明されていません。作者は引っ張る気満々ですねw
さて、エイナは吸血鬼を説得するか、あるいは対決して滅ぼすかして、アフマド族の生贄習慣を止めさせようと考えていました。
ただ、話を聞いてみるとアフマド族はちゃんと対価を受取っているようです。
流行病の阻止、旱魃での水脈発見・井戸の掘削などは、厳しい生活をしている彼らにとって、それこそ命綱です。
黒死山周辺の七部族は、全部を合わせると二万人を超す勢力です。
その中から三年に一度、一人の犠牲を出すのに比べれば、吸血鬼の助力を得られる権利は魅力的すぎます。
そもそも若年者が無事に大人になれる割合は、かなり低いのです。死者が一人くらい増えても大した問題ではありません。
エイナが勝手に吸血鬼との契約を破棄させたとして、アフマド族が感謝するかどうかは大いに疑問と言わざるを得ません。
今のところ、吸血鬼は意外なほどに友好的で、エイナに危険は迫っていません。
彼女はこの先、どのような判断をくだすのでしょうか?
後半の監察官のくだりは、お待ちかねのあの人ですねw
皇帝の勅命による査察は、不定期で突然に実施されます。
監察官は皇帝が直接指名し、軍の階級を超越した権限が与えられます。
監察期間は半年以上にわたります。
通常、東部地区の監査は最後に回されるのですが、今回は最初となりました。
東部方面軍にとってはまさに抜き打ちで、司令部は大パニックに陥りました。
おまけに監察官は超有能な人物で、無茶苦茶に働く人です(あの人らしいですねw)。
司令官や幹部連中の消耗ぶりは、想像に難くありません。
あの人が登場した以上、これから先は無茶苦茶になりそうですが、次回は取りあえずプリシラの話です。お楽しみに!