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【魔導士物語】第二十一話「お館様」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330658658445620

 そんなわけで、第二十一話です。

 いよいよお館様の登場です。
 彼はこの世界に出現してから四百年以上になりますので、とても退屈しています。
 彼の周りにいる少女たちは、とある理由であまり話し相手にならないので、エイナはちょうどよい暇潰しだと認定されたようです。
 いきなり命を懸けた戦闘が始まるのか、と身構えていたエイナは、拍子抜けしております。

 吸血鬼の少女とエイナが潜り込んだ「闇」ですが、簡単に言うと異次元空間です。
 この闇の次元には、距離や時間といった概念がありません。
 上下左右もなく、重力が存在しません。

 少女とエイナが普通に立っているのは、彼女たちがそれが当たり前だと思っているので、無自覚な認識が反映しているからです。
 エイナは特別なのですが、人間がこの闇次元に入ると意識を失うのは、自己防衛のためです。
 もし、意識を保ったままだとどうなるかというと、すぐに足に感じる地面がないということに気づきます。
 「地面がない=落ちる」というのが人間の認識なので、本当に落下してしまいます。
 ところがこの闇には果てがないので、いつまでも落下を続けていくことになります。

 これが少女の言う「奈落に落ちる」ということです。
 落下は人間にとって根源的な恐怖なので(チェンソーマンより)、永遠に続く落下の恐怖に耐えかねて、人間の精神が崩壊してしまいます。
 そうした危険性を本能的に察知して、人間は自ら意識を遮断するのだと想像されます。

 以前、エイナがこの闇に入り込んだ時、エイナはこの次元を「通路」だと認識していました。
 そのためひたすら歩くことになり、時間も経過しました。
 実際には、どんな遠距離であろうと、目的地に出るということを意識さえすれば、そこに出現できます。
 もちろん時間も経過しません。

 なんかいいことだらけに思えますが、それなりのデメリットがあります。
 そのあたりは、今後お館様から説明があるのではないかと思います。

 さて、次回はお館様との対話が続きます。
 その次は同日のプリシラの状況となる予定です。
 だんだんクライマックスが近づいてきたので、「あの人」も近々登場する予定ですw
 どうかお楽しみに!

 先日、ちょっとした仕事で若い(と言っても三十代)の女性と雑談していました。
 たまたまムーミンの話になって、私が「ノンノンの足環って、子ども心にエッチだと思っていた」と話すと
「?」という顔をされました。
「あれ、やっちまったかな?」と一瞬焦りましたが、やがて彼女が大きくうなずき、
「ああ! フローレンのことですね!」

 世代間ギャップという奴だなぁ……
 もっと若い子だったら「スノークのおじょうさん」なんだろうか?

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