https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330655430580762 そんなわけでラス前の第二十九話です。
エイナは自分が放った最大魔力による攻撃で、呪術師を倒したのだと思っていましたが、どうやら真実は少し違っていたようです。
その辺の事情を、シルヴィアの口を借りて語っていくというお話ですね。
回想という形式にしたのは、客観描写でやると分量が増えてしまい、一話分に収まらなくなるからです。
シルヴィアは呪術師の防御結界について、いろいろ偉そうに解説していますが、それは全てケネスから教えてもらったことです。
エイナは専門教育を受けた魔導士ですから、大半のことは承知しています。
彼女が「シルヴィア、そんなこと私、知ってるわよ」と水を差さなかったのは、性格的なものですが、「読者の理解を助けるためだ」という作者の圧力を感じていたのかもしれませんw
『幻獣召喚士1』の最後でも「呪詛返し」は出てきました。呪術師の暗黒魔術は非常に強力なのですが、それだけにリスクも大きいということですね。
彼らが修行において、女色や飲酒を断つのは、そんなことも関係しているようです。
第一話で出てきた逃亡呪術師・サルマーンは、何らかの理由で師匠(力ある呪術師)と対立して出奔したのですが、そんな厳しい修行生活に嫌気が差したからかもしれません。
師匠の宝物庫から、金になりそうな物を盗み出したのは、逃亡資金を得ることと、幼稚な嫌がらせからです。
その中でも〝ガトラの秘石〟は、師匠の力を増幅させる、最も貴重な宝物でした。
どうしてそれを遊女であるサーラに与えたのかは謎ですが、それを持っていると位置を特定されて逃げきれなくなる……と悟ったのかもしれません。
どうやら魔石は外に微弱な魔力を放出しているため、それを感知する方法があるようです。
ただ、それはかなり大雑把なもので、例えば「南カシルの浜通り地区にある」と分かっても、「黒船屋にある」とまでは分からないといった感じですね。
だから呪術師(ナスル)は、船の中にあるとは分かっても、サーラたちの部屋にあるのか、直接彼女が所持しているのかまでは分からず、両方を捜したのですね。
さてさて、今回の敵である呪術師は滅んでしまったので、後は付け足しに過ぎません。
次回(第二章最終回)のタイトルが「後日譚」であることが、それを物語っています。エイナたちの事件後の行く末が描かれますので、どうかお楽しみに。
そして十二日(水)からは、第三章が始まります。
粗筋は出来ているものの、まだタイトルすら決まっていないのですがw
庭は水仙が花盛りとなり、かなり華やかになってきました(近所の桜も咲いた)。いつもは大型連休中に満開を迎える芝桜(白)も、すでに花が開いています。
今年は春が早いですね~。