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【魔導士物語】第十四話「宴(うたげ)」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330653438502655

 そんなわけで第十四話です。

 前回予告したように、サーラさん無双回ですw
 彼女は遊女なので、戦闘力はまったくないのですが、どう無双するのかは本文でお楽しみください。
 この世界・時代には、テレビもラジオも映画も存在しませんから、娯楽は大都市に偏在しています。
 地方の、特に貧しい庶民の飢餓感は相当のものだったという背景があります。

 そんなわけで、彼女の裏設定など……。
 彼女が十四歳の時、母親によって奴隷商人に売られたことは、すでに語られています。
 サーラの家は、とある小さな村のごく普通の家庭でした。
 普通と言っても、貧しい村でしたので当然貧乏です。

 彼女は三人姉妹の長女でしたが、十二歳の時に弟が生まれました。
 家にとっては初めての男の子で、跡取りの誕生に両親は大変に喜びました。
 父親はわずかな畑の耕作と羊を飼うことで生計を立てていましたが、息子に教育を受けさせようと一念奮起しました。
 ちなみにサーラたち姉妹は、学校に行ったことがありません。読み書きを父親に教わった程度です。

 父は遠く離れた大きな町に出稼ぎに行き、土木仕事に従事しましたが、一年後に工事現場で起きた土砂崩れに巻き込まれて命を落してしまいます。
 働き手を失った一家はたちまち困窮し、畑と家畜の世話は母親が、幼い弟妹の世話はサーラが務めました。
 母親は苦しい生活の中でも、何とか息子によい暮らしをさせたいと思っていました。
 特に、夫の遺志でもある息子の教育資金を溜めることに夢中となり、反比例するように娘たちの扱いがぞんざいになっていきます。

 無理がたたったのか、母親は身体と精神を病んでいき、一家の暮らしはますます悲惨になっていきました。
 そして一年後、すでに初潮を迎えていたサーラを、性奴隷として売ってしまった――というわけです。

 サーラが売られた時、隣りの家に住んでいた幼馴染の男の子(サーラとは仲がよく、恋心を抱いていた)が、家出をしてサーラを救いに行くという事件を起こしています。
 彼女が売られた事情は本文には出てきませんが、この件はのちにサーラ自身によって語られることになります。
 ちなみに、弟は五歳を前に病気で亡くなり、母親は心を閉ざしてしまいます、一家はサーラの二人の妹によって細々と維持されているようです。

 さて、今回のラストで何かが起きたようですが、やや意外な展開となっていきます。次回をお楽しみに。

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