https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330653317069161 そんなわけで第十三話です。
今回は事件が起きないので、あまり面白くないかもしれません(許して)。
さて、エイナとシルヴィアは、もし襲われるとしても外部からだろうと考えていました。
ところが、ネズミに襲われたことで、襲撃犯が同じ船に同乗している可能性が高くなります。
二回目の攻撃は暗殺奴隷で、これで内部犯行が確定しました。
これは最悪の事態です。七十人もいる一般乗客のなかから、犯人を割り出すのはほぼ不可能です。
船には逃げ場がなく、防御側が圧倒的に不利となります。
だったら、船を降りて陸路を取るか、別の船に乗り換えることを、当然考えるべきです。
エイナとシルヴィアは、ケネスに下船を提案されるまで、こんな単純なことにも気づいていませんでした。
自分で書いておいて何ですが、この二人は正直に言って使い物になりませんw
経験豊富なケネスは当然、その選択肢を検討していましたが、王国辺境部に入るまではそれができませんでした。
そもそも、南カシルと王国中央部を結ぶ陸路がないわけではありません。
その道は「船曳(ふなひき)街道」と呼ばれ、総延長が六百キロを超す長大な道です。
「船曳」とは、上り船の難所で、陸上からロープで船を引っ張ることで、この街道はそのために作られた川沿いの道を繋げたものです。
貨客運搬は圧倒的に川船が担っていますので、この街道を利用する者はごくわずかです。
しかも南カシルに近い下流域は川幅が広く流れが穏やかなので、船曳の必要がなく、人足もいません。
そのため街道とは名ばかりで、獣道に近い狭い悪路となっています。
馬車が通るなど不可能で、馬に乗るにしても川港では馬を飼っていませんから、借りることができないのです。
馬がいないのは、維持費が莫大な割に利用者がほとんどいないためですね。
ちょっと話が逸れますが、人や馬車を運ぶ馬には、高栄養価の干し草を与える必要があります。
その辺の雑草を食べさせればよさそうなものですが、青草は栄養価が低く、大量に食べなければ馬も力を出せません。
当然、起きている時の大半を食事に費やすことになり、働かせる時間が限られてしまいます。
干し草はその問題を解決してくれますが、それなりの値段がしますから、川港で馬を飼うのは現実的ではありません。
船を乗り換えるのはどうだろうという案については、本文をお読みください。
さて、次回はサーラさん無双回ですw お楽しみに。
仕事が忙しくて悲鳴を上げている毎日ですが、ハッと気がつくと Youtube で「エガちゃんねる」に見入っていたりしますw
意識が飛んでいる間に、小人さんが仕事をやってくれるといいのですがね~