https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330652667055631 そんなわけで第八話です。
リスト王国では奴隷が禁止されていますが、この世界では珍しい国家で、ほとんどの国が奴隷制を認めています。
戦争捕虜や誘拐、親による売却などで奴隷に堕ちる者は多く、その用途も細分化されていて、市場が確立しています。
性奴隷の需要は大きく、ただの女性から特殊な技能を習得させられた者まで、等級も分かれて取引される値段も違います。
サーラは性奴隷でも上級の部類でした。妊娠をしないように少女のうちに外科的な処理をされ(それで命を落す者も少なくない)、徹底的に男性を悦ばすための閨房術を叩きこまれます。
彼女たちは十七、八歳で市場に出されて女衒(ぜげん)に買い取られ、各地の高級娼館に卸されます。
娼館側は大枚をはたいてでも彼女たちを仕入れます。
妊娠の恐れがない上に、男性のあらゆる要求に応える彼女たちは、ほぼ確実に人気遊女となるので、当然と言えるでしょう。
南カシルの遊女街は世界的に知られていますが、抗生物質(黒龍組が独占している)が普及したことにより、さらに名声が高まっています。
ちなみに、高級娼館には一見(いちげん)さんでも登楼可能ですが、性病を持っていないかの確認を受ける必要があります(陰部の外見検査と、訓練された犬による尿検査で、確実なものではない)。
エイナとシルヴィアは、ケネスたちの隣の部屋で警備についています。夜間は四時間交替で、一人が眠っている間に、もう片方は軍服を着て帯剣をしたまま椅子に座っていますが、実際にはうつらうつらと仮眠をしている状態です。
夜間以外でも警備は交代性で、警備から外れている方がケネスたちの世話をしています。
川港で買い物をしてきたり、酒や食糧を用意して運んだり、部屋の掃除や洗濯などで、まったくの雑用係です。
面白いことに、この船旅でエイナたちは、かなり女子力を上げることとなりました。
サーラは接客のプロなので、酒食を提供する際の心配りから、掃除・洗濯の仕方に至るまで二人にダメ出し連発したのです。
サーラは二人の娘に家事能力がないことに呆れ、厳しく指導したので(彼女は割と面倒見がいい)、エイナたちにとってはかなりの勉強となりました。
さて、船旅が始まったわけですが、そろそろ何か事件が起きそうです。次回をお楽しみに。
夜中に酔っぱらってアマゾンをポチってしまう……みんな経験がありますよね?
つい先日、やっちまいました。
鴨川つばめ『マカロニほうれん荘』全九巻の一気買いですw
いや、でも後悔はしてないぞ!