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【魔導士物語】第七話「清算」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330652557635196

 そんなわけで第七話です。

 まずは川船の予約です。
 南カシルと黒城市の間を結ぶ客船は、夜明けから午後の三時ころまで、一時間に一本の割で出ています。
 出発が早めに終わるのは、夕方に出航だとすぐに最寄りの川港に入って停泊しなければならないためです。
 川では危険なので夜間航行が原則禁止となっています。

 利用客は商人が九割、観光その他が残り一割といったところです。
 当然、圧倒的に男性客が多く、男女で区切られた(と言っても衝立があるだけ)一般客室のうち女性用のスペースは六畳間程度しかありません。
 プライバシーなんか「何それ美味しいの?」という世界です。

 南カシル~黒城市間の料金は、一般客室だと一人銀貨一枚(日本円換算で二万円)くらい。
 個室料金は本文にも出てきますが、二人部屋二室で銀貨十八枚(三十六万円)、つまり四人が利用したとして一人当たり九万円になります。要するに一般客室の四倍という料金です。
 およそ二十日という日数で人件費を考えれば、かなり安いと言えます。

 それでは黒船屋の遊女の料金がいくらかと言うと、夕方に登楼して翌朝までで銀貨六枚(十二万円)です。
 黒船屋は高級店で、料金には酒食も含まれますから、こんなものだと思います。
 一般人が利用する中級店だと泊りがなく、二~三時間で二万~三万です。
 貧乏人や港湾労働者向けの店は一時間半で一万円、夜鷹(街娼)だと五千円程度と格安になりますが、性病に罹患する危険を覚悟しなければなりません。

 中級店以上では、ある程度遊女の衛生管理をしています。色街では原始的なペニシリンが出回っており、その輸入販売を独占している黒龍組の大きな資金源となっています。
 輸出元は帝国で、違法製造されたものなので、他の組や商人には密輸ルートを開発することができません。黒龍組にルートを紹介したのはマリウスなのですが、その辺は『幻獣召喚士』で語られています。
 
 さて、思いもかけないメンバーでの出航となりましたが、無事な航海になるのでしょうか? 次回をお楽しみに。

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