https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330652035389688 そんなわけで第三話です。
旅の詳細は冗長になるので切り上げ、さっそく南カシルに到着です。
エイナたちはカニング邸に案内しますが、カニングは仕事中で不在です。
しかし、ケイトは勝手に二人を屋敷の中に引き入れます。迎えた側の使用人たちも、それを当然だと思っているようです。
そして、ケイトは驚くべき恰好でエイナたちの前に現れ、我が物顔で振る舞い始めます。
要するに、ケイトが帰省すると毎回同じことが繰り返されている(当然、カニングの承諾済み)ことになります。
さて、普通の〝お屋敷〟と呼ばれる邸宅には、通常三~四人のメイドが働くのが普通です。女性にとっては貴重な働き口でもあり、富裕層は社会的責任として、メイドを多めに雇うことになっています
ただ、カニングは独り暮らしでもあり、代貸し時代に購入した小さな屋敷であることから、ずっとメイドは一人しか雇っていません。
最初のメイドは通いでしたが、ケイトの代から屋敷に住み込みとなりました。これはケイトが孤児院出身であるためです。
現在の三代目であるモリーも、ケイトが孤児院から連れてきた子なので(そのため仕事を仕込んでくれたケイトに対して、余計に頭が上がらない)、同様に住み込みになっています。
彼女の仕事は大雑把に言って、炊事、洗濯、掃除の三つです。主人であるカニングは、基本的に日中は不在ですから、一人でもそう忙しいわけではありません。庭仕事に精を出す余裕があるということです。
朝は四時ころには起きなければなりませんが、夜は比較的早めに仕事を上がれます。
もう一人の使用人が馬丁のフレッドで、彼は最初からカニングに仕えています。
主となる仕事は馬の世話と御者を務めることで、馬小屋に寝泊まりをしていて、基本的には屋敷内に足を踏み入れることはありません。
主人の送り迎え以外の時間は、力仕事担当で、水汲み(屋敷内に井戸がある)、風呂の焚きつけ、庭の管理、門番などを務めています。
元は組の人間だったようですが、何らかの事情で堅気に戻ったみたいです。カニングには大きな恩を感じているらしく、彼のためなら命を捨てることも厭わない覚悟を持っています。
無口で粗野な人物ですが、歴代のメイドたちとの関係はきわめて良好ってか、かなりの仲良しです。
さて、次回カニングとの体面を済ませたエイナたちは、宿に落ち着いて、自分たちだけで任務に取り組むことになります。魔導士を乗せたケルトニア船の来港予定は五日後で、十分な余裕がありますが、果たしてうまくいくのでしょうか?
……話の展開上、うまくいくわけがないんですけどねw ということでお楽しみに。
毎年この時期のお楽しみは、樫木祐人『ハクメイとミコチ』の新刊です。
最新の十一巻が発売になったので、さっそく購入しましたが、いやはや今回は実に面白い!
「ふりむきジャダ」のフィギアが欲しくて堪りません!(でも値段が……)
あ~、アニメ二期やってくんねえかなぁ!