https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330652155853847 そんなわけで第四話です。
「大人虎変(たいじんこへん)」とは耳慣れない言葉ですが、「君子豹変」と同じような(上位互換)意味です。
ケイトのあまりの変貌ぶりにちなんでのタイトルで、エイナの「大人(おとな)だわ……」という台詞にかけています。
(もちろん、本来の意味からずれていることは承知の上ですよ。)
ケイトは南カシルで浮浪児をしていて、九歳の時に孤児院に収容されました。彼女は七歳の時に母親に捨てられた(というか、母親が男と逃げた)のですが、父親は死んでいてぼんやりとした記憶しか持っていません。
母と二人暮らしだった時代には、かなりの虐待を受けていて、ケイトはいまだに母に憎悪を抱いています。
代わりに愛情に飢えた気持ちを理想化した父親に向けることで、自分の正気を保っていたところがあります。
その結果、成長して見事なファザコン、年上好きになってしまいました。
女郎に売られそうになっていたケイトを救い、職と住まいを与えてくれたカニングは恩人でしたが、いろいろとこじらせていたケイトが、父親のような年齢、知的で強く、しかも渋い男前である彼にぞっこんになったのは、もはや運命としか言いようがありません。
ただ、ケイトは上昇志向が強く(これも孤児出身が影響している)、十八歳でカニングのもとを離れて王都に赴き、マリウスの弟子となります(それまでも通信教育は受けていました)。
別れの前の晩に、ケイトは〝夜這い〟を決行し、無理やりカニングに初めてを捧げました。二年間同じ屋根の下で暮らし、全身で「好きです」というサインを出しまくっているのに、まったく手を出そうとしないカニングに業を煮やしたのですねw
彼女はマリウスほどではありませんが、やはり天才といっていいい人物で、魔導士として優れているのはもちろん、軍人としても教師としても申し分のない女性です。
ただ、年に一度の休暇で南カシルに帰省すると、溜め込んでいた愛情と性欲を一気にカニングにぶちまけるようになりました。
この期間の彼女は、かなり常軌を逸していて凶暴になります。カニングを独占するため、後輩メイドであるモリーを強制的に追い出し(とはいえ有給休暇なので、モリーとしては大歓迎です)、メイドとして彼のための食事を作り、掃除をや洗濯をすることに限りない喜びを感じています。シーツやシャツを洗濯する際に、〝くんかくんか〟してうっとりするのも大きな楽しみです。
当然夜もご奉仕の限りを尽くします。カニングも歳を重ねてきたため、女ざかりのケイトの相手はなかなか骨が折れるようになってきたみたいです。
さて、南カシルでの土地勘(土地鑑)を養うという名目で、街の見物に出かけた二人ですが、これが「やっちまったなぁ~!(クールポコ)」という結果になるは目に見えていますね。ということで、次回をお楽しみに。
冬アニメ「お兄ちゃんはおしまい」に手を出してしまった……。いかん、これはいかん!
「とんでもスキル~」はフェンリルが可愛いので見続けていますが、ネットスーパーを現地硬貨で決裁できるシステムに納得がいきません。
金貨や銀貨なら貴金属としての価値があるからまだ許せますが、銅貨はほぼ無価値に近いでしょう。
あれは国家が兌換性を保障しているからこそ価値が生じるのであって、異世界にそれが通用するはずがありません(こういうのが気になるのは設定厨の悪い癖ですねw)。