https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330651538875621そんなわけで二十三話、新年二話目、第一章のラス前です。
「『ぷ〇ぷ〇』だよね……」
「『〇よ〇よ』だな」
「しかも『〇〇君』って、露骨過ぎない?」
きっと空耳に違いありません。私には何も聞こえません!
冗談はさておき(さらっと流す)、この幻獣は見た目が獣ながら、れっきとした精霊の一族です。
寿命は五百~千年程度とかなり幅がありますが、これは取り込んだ魔石の量によって、大きく変わるからです。
シルヴィアの召喚した個体は、百年近く生きているようです。
彼らの成長や能力は魔石に依存するのですが、幻獣界で見つかることは極めて稀なようです。
人間界でも魔石は希少品ですが、幻獣界に比べれば遥かに多く存在しているみたいです。
このことは、彼らの世界でも知られています。これは、かつて人間に召喚された個体によってもたらされた情報でしょう。
そんなわけで、「〇〇君」はこの世界に呼び出されたことを喜んでいます。
さて、次回二十四話で第一章はお終いとなります。
第一章はエイナとシルヴィアの学生時代を描くもので、当然大きな事件は起こりませんでした。
まあ、帝国工作員による拉致が、事件とは言えるでしょうが、これは犯人が死亡し、残りの工作員(船を隠したり、馬車を用意してきた連中)の行方は不明です。
その上、エイナたちの脱出方法も再現不能で説明が尽きません。
結局、謎を撒き散らしたままの消化不良で終わってしまいました。
第二章からは、「幻獣召喚士」のように章ごとに大きな事件がひとつ起こります。
ちなみに第二章のタイトルは「ケルトニアの魔導士」と決まっています。どうかお楽しみに。