https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330650526878541 そんなわけで第十四話です。
演習の開始です。訓練ですから使われる武器は、すべて訓練用のものです。
矢は本文中に説明がありますが、小さな丸い球が先に付いています。
槍は棒の先に綿を丸めて布で包んだものを付けていて、「たんぽ槍」と呼ばれています。
剣は刃がついていませんし、先も尖っていません。
それでも、当たったり、突かれたり、斬撃を受けたりするともの凄く痛いです。
打撲や捻挫で済めば運がいい方で、骨折することも珍しくありませんから、演習は命がけで兵士は真剣そのものです。
相手の攻撃を受けた者は、死亡、または戦闘不能を自主申告して、戦場を離脱して「死体置場」と呼ばれる場所に行かなければなりません。
魔導士の場合は本文で説明しているとおりに、閃光魔法という訓練用の魔法を使います。
これは当たっても無害ですが、強い光を放つので、直視してしまうと一時的に視力を奪われます。
魔法の当たり判定は、判定員が下します。彼らは両軍のあちこちに配備され、戦闘には参加しない中立者となります。
たまたま近くに判定員がいない場合は、魔法攻撃を受けた最寄りの士官、または下士官が効果判定を下します。
塹壕戦はケルトニアが考案したもので、魔導士がいない軍同士での戦闘では、存在しなかった戦法です。
魔法に対してはきわめて有効で、これに対抗する魔導士側も、いろいろな戦術を工夫しています。
攻撃魔法には重力や風に影響を受けるものと、受けないものがあるのですが……と、この話をすると長くなるので、またの機会に(^^;
次回はエイナとシルヴィア組の活躍が見られるはずです。お楽しみに。