https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16817139558357683534そんなわけで三十八話です。
■黒城市を訪れたクルスト中将は、マグス大佐に対して作戦本部の命令を伝え、命令に逆らうなと釘を差して帰っていきました。
軍部と情報部の関係について、いろいろと事情説明を行っておいて、大佐に対しては「お前は頭がいいのだから、こちらの意図を察せよ」と仄めかしました。
これは普通に考えれば、「作戦本部の命令はうまくいかないだろうから、下手に逆らわずに素直に従え」ということです。
しかし、マグス大佐は(話を聞いていたラッセル大尉も)それ以上のことを推察してしまいます。
「裏で軍部が動いていたのではないか?」ということです。
ただし、そのことを部下に知らせるわけにはいきません。戦って血を流すのは彼らなのですから。
指揮官であるマグス大佐は、大変に辛い立場にあります。
■ユニたちの監視所と第二軍の本陣とは、およそ八キロ離れています。
本文で説明があるとおり、毎朝この間を二頭のオオカミが往復しています。
毎日の報告書を上げるのと、食糧を始めとする必要な物資の補給のためです。
馬用の大型振り分け鞄には、およそ八十キロほどの荷物が入れられますので、かなりの余裕があります。
オオカミたちは基本的に自給自足なのですが、さすがに隠密行動中に狩りはできませんので、彼らの食糧も運ばれています。
■次回はいよいよ帝国軍と王国でも最精鋭を謳われる第一軍が激突します。
マグス大佐の寝室に連行される気の毒な魔導士の運命も気になる所ですが……。どうかお楽しみに!