https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16817139558135650883そんなわけで三十六話です。
■夜の見張り当番は、エルトナー大尉とスコット少尉に交替しています。
エルトナー大尉は三十七歳、ユニの七年先輩。スコット少尉は二十二歳の若者で、魔道院ではユニの八学年下でした。
どちらもユニの学年とは結構離れているので、顔と名前を知っている程度です。
エルトナー大尉の幻獣ケルピーは以前に登場済みです。馬の姿をしていますが、意外なことに妖精族です。
水中でも自在に活動することができ、直接的な攻撃力は高くありませんが、水を操れるので船を浸水させて沈めるのは簡単です。
スコット少尉の幻獣スキュラは、タコの身体の上に人間の女性の腰から上がくっついている外見ですが、キメラではありません。
このへんについては本文で詳しく説明されていますので省略しますが、一つだけ補足を。
スコット少尉が説明の中で、スキュラの老廃物を「人間で言えば垢(あか)のようなもの」と言っています。
これは正確には、脱皮した抜け殻です。
「タコが脱皮するんかい?」
と思われるかもしれませんが、吸盤は非常に敏感な感覚器官で外皮の新陳代謝も激しく、ここだけ頻繁に脱皮するのです。
■さて、マグス大佐がラストで不穏な発言をしておりましたが、次回はこの続きとなります。
だんだんこの戦いが、一筋縄ではいかないものだと明らかになっていきます。どうかお楽しみに!