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【幻獣召喚士3】第二十八話「抵抗」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16817139557246692946

そんなわけで第二十八話です。

■帝国遠征軍の編成について。

 本文で本人が口にしているように、部隊の招集と編成はラッセル大尉が行いました。
 彼は少佐への昇進と大隊長の座が確実視されているほど優秀な魔導将校であり、マグス大佐も彼を信頼していたからです。

 帝国軍の場合、一つの大隊は四~五中隊(三百~四百人)編成で、これに工兵や輜重兵部隊を加えた五百人規模となっています。
 西部戦線には十五軍団(一軍団一万人)規模の帝国軍が投入されており、ラッセル大尉は五中隊編成の大隊から一個中隊を引っこ抜いていきました。
 現場からは相当な文句が出ましたが、上からの命令ですから、これはどうにか強行できました。

 ところが、問題は魔導士です。帝国軍は慢性的な魔導士不足に悩まされており、魔導士は一大隊に一人のみという決まりになっています。
 さすがに大隊附魔導士を引っこ抜くわけにはいかず、三百人の魔導士を集めなけらばならないラッセル大尉は大変苦労しました。
(東部方面軍から編入される二万人の部隊に配属されている四十人を除くと、実質二百四十名が必要)
 魔導士が複数配置されている連隊司令部や、その上の軍団司令部から招集しようとしますが、こうした本部に配属されている魔導士は優秀な士官が多く、現場が手放すはずがありません。

 止む無くラッセル大尉は強権で一軍団につき五人の魔導士派遣を命令しました。人選は各軍団に任せるというのが、ぎりぎりの譲歩でした。
 これで集まったのが七十五人。予想はしていましたが、各大隊附魔導士の中から「無能な順」で選抜された者が選ばれてきました。

 残りは帝国各地にある訓練機関から、養成所を卒業して実戦訓練中のひよっこ魔導士を搔き集めて帳尻を合わせたのです。

 マグス大佐は遠征軍が出発直前まで現場(戦場)でこき使われていたので、こうした実情を知りませんでした。
 遠征軍が出発後、一応ラッセル大尉から報告を受けているのですが、大佐はあまり深く考えていなかった――というか、現在の帝国魔導士の水準を甘く見ていたのでした。

■それでは、次回もどうかお楽しみに!

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