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【幻獣召喚士3】第十二話「龍の花嫁」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16816927860806351669

そんなわけで第十二話です。

■オリバー老人の娘、アシュリーの話です。
 帝国の学制は複雑なのですが、小学校は義務教育で八年(数えで六歳から十三歳まで)、中等学校(高校に相当する)が四年(十四~十七歳)、高等学校(大学に相当)が四年です。
 もちろん大学もあります。教育というより、かなり専門的な研究機関で大学院に近いものでしょうか。
 この他に軍関係の学校が乱立していて、主なものには士官学校、魔導士養成学校、軍大学などがあります。

■ユニが住む辺境と同じで、親郷を除く開拓村には学校がありません。
 秋の収穫期が終わるころから春までの間、そうした開拓村には巡回教師が派遣され、役屋(役所兼集会所)を利用して分校が開かれます。
 春から秋までの農繁期は、子どもも重要な労働力なので学校に行かないのが当然とされています。
 巡回教師は一人が基本で、場合によっては隣り合う二つの村を一度に担当することもあります。
 そうした場合は、補助教師として村の人間の中から助手が選ばれ、巡回教師の不在を補っています。

■説明なしに「蕊布団(しべぶとん)」というものが出てきますが、多分「幻獣召喚士2」のどこかで解説されていると思います。
 「蕊(しべ)」とは、麦藁や稲藁の芯(しん)の部分のことで、これを綿代わりに丈夫な布に詰めたものが「蕊布団」です。
 有名な民話に「わらしべ長者」とありますが、その「しべ」ですね。柔らかな「しべ」だから、トンボを傷つけずに結ぶことができたのです。
 藁の外側は堅いのですが、中の芯は比較的柔らかく、打ちたての蕊布団はなかなかに寝心地がよいものだそうです(へたるのも早い)。
 日本の田舎でも、昭和三十年代くらいまで普通に使用されていました。

■タイトルの「龍の花嫁」は本文にも出てきますが、まだこの時点ではどういうものか説明がされません。
 少なくとも性的な意味を含む夫婦関係ではないということだけは明らかです(白龍はメスですし)。
 今のところは「生贄」のようなものだと理解しておいてください。物語終盤でちゃんと解説があります。

■さて次回は、アシュリーの話の続きが少し。そして何らかの事件が起きます。
 どうかお楽しみに!

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