• エッセイ・ノンフィクション

文体

良い文章には特有の声が宿っている。文章がひとりでに語り出した、というような、そんな趣がある。

個人的な好みの話をすると、若い青年の声を持った文章が好きだ。「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のサリンジャー、若い頃の大江健三郎の作品、90年代の阿部和重、、

うまく言葉に出来ないが、それは決して、人為的に模倣したり、擬態して書けるようなものではない。横溢しているものである。書いている本人ですら、意識的には書けないもののようだ。

上記した偉大な小説家ですら、加齢と共にその魅力を失った。
サリンジャーは隠遁し、大江健三郎は円熟し、阿部和重は自己模倣のドツボにはまったりと、、、

そんなものなのかもしれない。

僕も一冊で良いから、そんな作品を残したい。

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