息づいている

もうすぐ今年も終わるって言う事実に震えますね。
会社員なのですが12月は忙しい。あれもこれもいつもより営業日少ないのにやれるか。でもできませんでした、では済まないのでやらないといけないんですよね。どうにかして。

11月中旬のめちゃくちゃ忙しい時期にコロナになってしまい、土日以外は案の定半日しか休めずずっとリモートワークで業務していました。脳がいつもの60パーセントくらいの動きしかできず、疲れてくると悪寒がして熱があがり、それでも現場で行われている研修や会議の司会を数時間単位でして、あまり記憶がありません。時間もよくわからなくて、スマホのストップウォッチを見ながらなんとか仕切っていた覚えがあります。

7日間の療養期間が終わり(療養してないけど)出社が始まる頃はひどい倦怠感に襲われていました。泥の中でもがいているかのよう。鼻の奥がクーンとして頭痛もあり、気持ちが鬱々としているうちにある朝全身のじんましんが発生しました。もともとのじんましん持ちの人はコロナ後遺症で出る場合が多いみたいです。ここ五年は全く出なかったのに、もう治ったと思っていたのに、やっぱり休めなくて出社してもまぶたや手足に出て見ていて辛く、薬は眠気を引き起こし、また気持ちが落ち込みました。

鼻うがい(これ本当に後遺症の頭痛、鼻水、倦怠感に効きました)と薬でだんだんじんましんもよくなってきた今週。
朝、通勤時、花壇に霜柱がありました。
そっと足先で触ってみて……聖とかがり(15-あるいは1000回の嘘の)を思い出しました。
リモートワークのかがりに、霜柱を持って帰って見せてあげる聖の姿が見えました。
仕事で会議の資料作って作って、退勤する頃には脳から何も出てこない感じでしたが、その会議の前夜に思い切って書いたのが「星霜」です。
(翌朝会議で司会とプレゼンでしたがアドレナリン出まくりでした。その後エネルギー切れました)
プロットも何もなく、起承転結もなく、ただワンシーンの短いお話ですが、書いている時不思議と、彼女たちに積み重ねられた時を感じていました。

毎朝コーヒーショップでコーヒーを買って出勤していたかがりはコロナ禍でリモートワークに。ゆで卵くらいしか作らなかった彼女は料理するようになり、中学教師になった聖とかがりは同棲し、おしゃべりなのに肝心なことは話さなかった聖はかがりにちゃんと思いを伝える。

時々、ふと書いてきた彼女たちはどうしているかな~と思い出すのですが(雪解けと落ち葉の頃に思い出すのは「降り積もる」の鳴さんと紗雪が多い)かがりと聖はちゃんと息づいているんだなと思いました。

そう言う意味では今年初めに出した「永遠にはまだ遠くても」のこのみと佳海もそうです。
仙台が舞台のお話で、ああまた仙台に行きたいなあと思っていましたが、夏に実際に仙台へ行きました。
そして三年ぶりに開催された七夕祭りを見ていた時、年を重ねたこのみと佳海を見た気がしました。
高校時代に佳海がこのみに「このちゃんに永遠も運命も信じさせてあげる」と言ったその意味、言葉の行き着く先を見たような気がしました。

夏の終わりに「ガレット」本誌へのお声がけをいただいた時に、最初に思いついた話があったのですが、その頃病気療養中だった「スノウ・ドーム」シリーズをとても愛して下さる読者様が「スノウ・ドームの真希子と千佳みたいなおばあちゃんになるのが夢」と呟いていました。
ありがたいと同時に、千佳は不意に60代半ばで亡くなるので、もっともっと長生きしていただきたいと思いもしたのです……
それならば、真希子と千佳の孫娘たちであるこのみと佳海の年齢を重ねた姿を書こう、と思いました。

とは言っても、実際に書いたのは五十代始めのふたりでしたが、年齢を重ね、病気やケガもありつつ仲良く元気に過ごしているふたりを描きました。
年を取ってもこのみは考えすぎなところもあるし、佳海は勢いがあって子どもっぽいところもありましたが、ふたりの仲は本当に強固になっていて、ああやっぱりふたりは運命の相手なんだなと書きながら思いました。

タイトルは「永遠」です。
11月27日発行のガレットNo.24に掲載されていますのでよろしければふたりのその後を、佳海が描き、このみが実感した永遠を見てあげて下さいね。
読者様もまたお元気になられますように、願っています。

「ガレット」では挿絵もつけていただいたのですが、どなたが描いてくださるか、内容もすべてお任せだったので私も献本をいただくまでわからなかったのですが、見てみて驚きました!!
なんと!! みほ先生でした。三年前ガレットに初めて掲載されたのが「スノウ・ドーム」でしたがその時、素晴らしいカラーイラストを描いていただいたのがみほ先生。今回も本当に美しくて……物語の余韻を何倍にも深めてくれる素敵なイラストです。ふたりの後ろ姿なんですけれどね、ちゃんと50代を感じるんですよ!でも綺麗なふたりなの……そしてスノウ・ドームが思わぬ形で出ている。
仙台七夕祭りの飾りも、調べて描いてくださったんだなと伝わりました。
みほ先生はSNSで見つけられないのでお礼を直接伝えられないのが残念です……ガレット編集部におたよりを送ればいいのかしら……。笑!

長々と書いてしまいましたが、「星霜」そして「永遠」、どうぞよろしくお願いします。
※「星霜」https://kakuyomu.jp/works/16816452220169093161/episodes/16817330650507289482

「星霜」、「15」のシリーズに加えたら第四話になっていますけれど、独立させてちゃんとコピーつけてあげたらよかった……と後悔しています笑

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