https://kakuyomu.jp/works/16817330662502026894 ここ数日、唐突に春秋時代初期、いまだ晋が小国で、なおかつ分裂して争っていた時代を投下しておりました。なぜ、このような小国が権益地域十倍くらい広げて、覇者となり、中原を取り仕切る盟主になったのか、不思議でならないですね。
お読みいただいた方、お付き合いありがとうございました。
晋は西周時代以来の本家が弱いという理由で滅び、東周時代に生まれた分家が強いという理由で興った、春秋時代にのみ存在した国のようなところがあります。戦国期移行にあたって下剋上による国の乗っ取りはありましたが、春秋時代に諸侯になれないはずの分家が力づくで国君として認められたのは晋だけです。この分家を諸侯として認めたことで、周の威光権威は完全に地に落ちました。
以上、マクラ。以下、作品のあとがきもどき。
欒成は国語晋語の一でしか逸話のわからない人です。
春秋左氏伝には文候と桓叔の逸話、翼と曲沃の相克は多少ありますが、哀侯・光は戦場で武公・称に処刑されたことしかわかりません。登場人物全ての年齢も文候や桓叔の年齢から推定したものです。
この作品はオール讀物の歴史時代新人賞に出しましたが見事に落選しました。一次通過した作品のタイトルはそれだけでも秀逸なセンスであり、拙作は力が足りなかったのだな、と納得するばかりでした。
さて。それぞれ人物は記録が少なく、ベースになる発言がなかったりします。それぞれ、ふわふわしたイメージから固めていきました。以下、そのような蛇足。
欒成。
称へのタンカだけが残る人です。息子が冷静貞節と言われており、称が強く求めたところから、有能で忠節ある静かに魅力的な人だろう、という外部を固めつつ。
残された言葉と行動が、あまりに美しい精神性を感じさせるので、私の心の中のエレナ(ジョジョの奇妙な冒険第一部ヒロイン)が『美しすぎます!』と叫ぶので、ジョナサン・ジョースターを想定して書きました。あの美しくかっこいいジャンプヒーローに届いたかはわかりませんが、美しさが伝われば良いと思います。
ところで息子の欒枝ですが、計算すると若干年代合いません。孫では? しかし、欒成の息子が欒枝なのだとされてるので、それをこれからも押し進めます。
光。
モブレAV女優系受。本質的に普通の少年です。戦いの前に、子供が生まれるんだ、という最強の死亡フラグ打ち立てて書いてる私が笑ってしまいました。これは演出ではなく、年齢計算としてこれしかなかったところはあります。演出に使いましたが。
隰叔。
この時期、隰叔の名は一切史書にありません。翼から曲沃へ信頼していた人が移るシーンを作るためにお呼びしました。周の宣王に殺された杜伯の『息子』として、晋の士蔿の『父』として記録は残ってますが、時空の歪みが生じるほどの年代の開きがあります。ゆうに100年は開いている。そのため、杜伯の曽孫、亡命三代目としました。
性格は欒成に添って考えましたが、同時に士蔿という謀略無双の父、士会という天才の曽祖父ということも念頭に置きましたので、有能で理性的、どこか余裕のある攻キャラになりました。無双な士蔿さまの父上は攻に決まっている。脳内でずっと三木眞一郎の声でしゃべってやがった。
称。
称さまは潔くかっこよく生きていこう〜レボリューション〜みたいなイメージで書きました。野心家であり有能。未来のビジョンをきっちりもってる名君。彼は色々したかったでしょうが、結局正式な晋公になるだけで終わってしまいました。
この称の孫が文公重耳です。
以上、メインキャラでした。
欒成の話はいつか書きたかったので、渡りに舟みたいな感じで出したところあります。地味で淡々とした話ですが、楽しんでいただけなら幸いです。