みんなが好きな会戦なあに?
私は遼陽会戦!!!!
えー。最新話は49話。全部で14000文字越え。まるっと戦争なので、分割不可。
春秋時代をかじった人ならみんな知ってる、河曲の戦いです。いや知らん人おったらどうしよう、いやでも春秋左氏伝を一度でも呼んでいたらみんな知ってるでしょ、あのインパクト。
まあ、書いている間の私の頭これ↓
河 曲 の 戦 い きたーーーー!
この連載を書くにあたって、一つの目標にしていた戦争です。元の描写が大変美しい戦略戦術がバッシバシにきまってて、士会は天才なんだな、て思うしかございません。
それを私が小説として落とすにあたって、晋軍の状況を細かく考えてみたり、この行動の意図はなんであろうか、と延々考えておりました。一ヵ月は河曲戦のこと考えてましたね……。
消耗戦というのは勝つ作戦ではなく負けない作戦なのですが、それでもギリギリ勝てないことはない、という算段で決めたであろう晋は渋くてなかなか良いと思っています。元々持久戦を考えるところからして渋いよね。
士会という人は、いくつかの戦争に参加しているのですが、発言や動きを見るに、極めて情報を大切にしていたようです。この河曲の戦いでも、亡命して三年も経過しているのに、臾駢であったり趙穿であったりの情報を把握している化け物です。また、この男の化け物っぷりは、把握した情報の精査、つまり正確な物を掴んでいること。そこに感情はなく、全て理性と平静さで見ています。これは後の話にも絡むので、ここまでで。
河曲の戦いは、想定される場に陣をはり対峙し戦う、いわゆる会戦スタイルで、春秋時代では花形スタイルです。これは大国同士が多く、晋楚は三度会戦をしています。晋と斉も二度です。むろん、小国もしているのですが、大国同士はど派手。特に晋楚会戦になると、傘下に入った小国も連れ回され……ご協力いただけるので、時にはオールスター戦のようになります。このような会戦は、それぞれの陣で神への儀式をしています。今回、秦公がしておりました。たぶん、晋も趙盾がしていたと思います。
春秋時代における神への祈願は、神頼みというより、強い決意の表明に近いです。そして、古代において戦争は神事に近かったのでしょう。まあ捕虜を殺して血を太鼓に塗って廟に祀る時代なので、神事だったのでしょう。