先月の話になってしまいますが。
今年のつばさ文庫小説賞、『ツクモガング!!』が一次選考突破していました。
やったね。嬉しいぜ。ツクモガングには色々と夢を詰めてあります。
……。
選考を突破出来ると、自分の力が認められたようで嬉しいです。
それだけなら良い事なのだと、思います。
成果が出て嬉しいのは当たり前だし、それを活力に変えられたらもっと多くの小説を書くことも出来る。
でも、実際問題、自分が望んだ成果や反応が常に得られるわけではない。
どころか、何一つ得られないで終わる事の方が多い。
そういった時、この幸福感に依存していると逆に「自分にはなんて価値が無いのだろう」と思えてきてしまう。
それを避けるには、他者の反応に頼らない、自分の中で確実にクリアできる成果を用意し続けること……が必要なのだと思います。
完全に趣味で書いている、という人の方がいきいきと活動出来るのは、そういった面も含むんでしょう。毎回が大勝負だと疲弊する。自分との、出来る限り勝てる戦いを積み重ねた方がより良い結果につながる。それは分かっている。
分かっていても、期待をしないと言う事は難しいです。
つばさの結果が出た時、私はTwitterで「とりあえず一次は突破」のような表現で呟きました。予防線を張っているのです。もしダメだった時、落下死しないように。まだこのラインは大したものじゃないから、期待できるかどうかは全然分からないぞ、と。
あまり潔くないなぁ、と思います。
何次選考だろうが、通った事は嬉しくて素晴らしい事なのに、それを手放しで喜べない気持ちがあるわけです。
まぁそりゃあ、何回も落ちてるからね。一次落ちだって何回も経験して、毎回滅茶苦茶落ち込んで、それでも続けている状態なのだから……ダメだった時の事を思い出して、恐れもします。
人生、万事がそんな感じです。
余所での話になりますが。
noteという投稿プラットフォーム上で開催されていた『逆噴射小説大賞』に今年も参加しました。
この賞、レギュレーションが特殊です。
完結した一つの作品でなく、「この続きを読みたいと思わせる、最もエキサイティングなパルプ小説の冒頭800文字」を募集しているのです。
(去年は400字でしたが、投稿作があまりに多かったため変更されました)
大賞受賞者にはCORONAビール1カートン。特に書籍化とかそういうアレはありません。何処となくお祭りめいた雰囲気のある、けれど真剣に研ぎ澄ませた作品が飛び交う戦場。
開催は二回目で、去年の賞に参加した方々が「今年こそは」と筆を振るう。私もその中の一人でした。
その逆噴射小説大賞、昨日一次&二次の結果が出て、私の投稿作も一つ二次選考を突破していました。
640/167作品。ここから年明けにもっと絞られて行く。
とはいえ今年の、少なくとも今の内は、私の作品は生命線を繋いでいるわけです。
ところで、この逆噴射小説大賞では、主催側から何度も語られている言葉があります。
選考に受からなかったからと言って、それは作品や作者の力量を決めつけるものではない、ということ。突破しなかった作品であっても、それはただ『この賞においては』そうなっただけである、ということ。
実際、あらゆる賞レースがそうなのだと思います。
賞側の基準があり、選考員の判断があり、流行があり、求められるカラーがあり。
それらに合致しないと言う事は、作品の良し悪しを定めるものではない。
これから先、つばさや逆噴射の更なる選考が私を待っています。
けれど、その結果は作品の良し悪しを定めるものではない。
まして、私の力量を完全に否定するものではない。
ない、のだけれど。
恐ろしいものは恐ろしい。
結果が出るまで、落ち着かない日々が続きそうです。